3246 コーセーアールイー 2020-01-31 16:00:00
調査委託法律事務所からの調査報告書の受領および今後の対応に関するお知らせ [pdf]
2020 年1月 31 日
各 位
会 社 名 株式会社コーセーアールイー
代 表 者 代表取締役社長 諸藤 敏一
(コード番号:3246 東証第一部・福証)
問合せ先 取締役管理部長 土橋 一仁
(TEL:092-722-6677)
調査委託法律事務所からの調査報告書の受領および今後の対応に関するお知らせ
この度、2020 年 12 月9日付「当社連結子会社における不適切行為ならびに当社の対応に関するお知
らせ」に記載のとおり、当社の連結子会社である株式会社コーセーアセットプラン(以下「本件子会
社」といいます。)において、ローン申請書類の書換え(以下「本件不適切行為」といいます。)の疑
いが発覚いたしました。
これらの疑義が生じたことを受け、当社は、調査の独立性・中立性を担保した客観的な調査を実施す
るため、当社および本件子会社と利害関係を有しない外部の法律事務所である長島・大野・常松法律事
務所(以下「調査委託法律事務所」といいます。)に調査(以下「本調査」といいます。)を委託し、
本日、調査委託法律事務所から本調査結果の報告を受けました。この結果を踏まえ、当社が把握した本
事案に係る事実関係の概要等、および調査委託法律事務所の調査結果を受けた当社の対応方針につい
て、下記のとおりお知らせいたします。なお、以下の内容については、当社の独立社外取締役2名にお
いて、調査委託法律事務所の調査の結果判明した事実関係を不当に省略し、または歪曲していないこ
とを確認しています。
記
1.事実関係の概要等
(1)調査の概要
本調査は、調査委託法律事務所に所属する弁護士9名のほか、デジタル・フォレンジックの専門家で
ある株式会社 FRONTEO の協力を得て、2019 年 12 月9日から 2020 年1月 29 日までの間、当社および本
件子会社が過去に取り扱った全てのローン申請1を対象として、次の方法により実施されました2。
ア 関連書類の精査
当社および本件子会社の組織図、従業員名簿、社内規程、営業マニュアル、会議議事録等のほか、
当社が実施した初期的な社内調査に関する資料、当社または本件子会社がローン申請に関して顧客
から受領し、金融機関に対して交付した書類等の写し(以下「ローン申請書類」といいます。)等、
1 ただし、下記アの関係書類の精査については、当社および本件子会社において現存する書類、ならびに現時点までに
金融機関・顧客等から任意に提供を受けた書類が対象とされています。
2
本調査は、限られた時間および条件の下で実施された任意の調査であるため、一定の限界が存することにご留意くだ
さい。
1
調査委託法律事務所が本調査の目的を達成するため必要と判断した関連書類の精査が実施されま
した。
イ 電子データの分析
本件不適切行為に関する本件子会社の役職員間のやり取りの内容や、当社の役職員の本件不適切
行為の認識・関与、金融機関の認識・関与の有無等を調査するため、本件子会社の役職員に貸与さ
れたパソコンやモバイル端末等の電子データを収集・保全し、復元処理等を行った上、本調査と関
連するキーワード等を用いて抽出された電子データおよび電子メールの内容の精査が実施されま
した。
ウ ヒアリング
調査委託法律事務所が本調査のため聴取が必要であると判断した当社および本件子会社の役職
員(合計 27 名)に対し、調査委託法律事務所に所属する弁護士が直接ヒアリングを実施いたしま
した。
(2)本調査により判明した事実等
本件子会社(2008 年設立)は、主に投資用不動産の販売を取り扱う不動産会社であり、顧客に対す
る投資用不動産売買業務に加え、金融機関に対して顧客から受領したローン申請書類を提出する業務
(以下「ローン申請業務」といいます。)を行っているところ、かかるローン申請業務において以下の
本件不適切行為が行われていたことが確認されました。
本件子会社においては、ローン申請業務を遂行するにあたり本件子会社の代表取締役社長の承認が
必要であったところ、2009 年4月以降代表取締役を務めていた当時の本件子会社の代表取締役社長(以
下「本件子会社社長」といいます。
)は、営業部門に所属する従業員から当該承認を求められた際、主
に営業事務を取り扱う販売管理部門の従業員に対し、①顧客から受領した源泉徴収票(ならびに場合
により給与明細書または確定申告書)の写しにおける収入金額を書き換えて増加すること、および増
額後の具体的な金額を指示していたほか、②売買の目的物である中古物件の賃貸借契約書の写しにお
ける家賃の金額を増額させるように書き換えること、および増額後の具体的な金額を指示していまし
た。本件子会社社長から指示を受けた当該従業員は、当該指示に従って書き換えを行った上、書き換え
後のローン申請書類を金融機関に FAX 送信および交付していました。なお、書き換えによる増額の幅
は案件ごとに異なり、収入金額の書き換えについては、最大 200 万円の増額が認められるものの、100
万円以下の幅で増額していたものが大半であり、家賃の書き換えについては、最大 7,000 円の増額が
認められるものの、2,000 円から 5,000 円の幅で増額しているものが大半でした3。
本件子会社において確認された本件不適切行為の時期、件数は、次の表のとおりです。なお、表中の
①収入金額の書き換え案件 68 件のローン申込金額の合計は 9 億 1,110 万円であり、68 件のうちロー
ン実行に至らなかった8件分のローン申込金額の合計は1億 770 万円となります。また、表中の②賃
料の書き換え案件 18 件4のローン申込金額の合計は 2 億 2,400 万円であります。
3
なお、本件不適切行為の動機として、本件子会社社長は、売上目標の達成を挙げていますが、本調査において、当社
の設定する本件子会社の売上目標が特に厳しいものであったとは認定されておりません。
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18件は全てローン実行に至っておりました。
2
表:本件子会社における本件不適切行為の時期、件数
売買契約 ローン申請全体 本件不適切行為の件数
5
締結時期 の件数 ①収入金額の書き換え ②賃料の書き換え
2013 年 66 件 3 件6 0件
2014 年 94 件 1件 0件
2015 年 151 件 9件 0件
2016 年 217 件 17 件 16 件7
2017 年 206 件 32 件 2件
2018 年 158 件 6件 0件
2019 年 130 件 0件 0件
計 1,022 件 68 件 18 件
(3)本件子会社以外の関与者の有無等
当社においては、本件不適切行為は確認されず、当社の役職員が本件子会社における本件不適切行
為を指示し、報告を受け、あるいは認識していた事実も確認されておりません。また、本調査におい
て、金融機関が本件不適切行為を認識した上で、融資を行った事実は確認されておりません。
2.調査委託法律事務所の調査結果を受けた当社の対応方針
当社は、本調査の結果を踏まえ、今後の再発防止策等を次のとおり決定いたしましたので、お知らせ
いたします。
(1)再発防止策について
① 組織再編・ガバナンスに関する再発防止策
・ 子会社管理と本件子会社のあり方について
親会社として、本件子会社に対する統制が不十分であったことを反省し、今後、適切な子会
社管理のための人的リソースやコスト等に鑑み、有効かつ実現可能な再発防止策として、本
件子会社の事業を当社に譲渡した上、当該事業に対する統制を当社において行う方針で検討
いたします。
また、当社の連結子会社である株式会社アールメンテナンスに対しても適切なリスク管理
を行った上、リスクに応じた適切な内部監査を実施することや、当該子会社における決裁過
5 本件子会社が過去に取り扱ったローン申請の中には否決されたものもあり、ローン申請が否決されると不動産売買契
約自体も解約されてしまう関係上、案件に関するデータが本件子会社に残っていない場合もあるため、実際の各年の
ローン申請の数は、上記の表に記載されている数よりも多い可能性があることについてはご留意ください。
6 上記3件のうち2件の顧客については、2つの金融機関に対してそれぞれ複数の物件に係るローン申請が行われてい
るところ、いずれも書き換え後の源泉徴収票がどの金融機関に対して提出されたのかを特定することができず、全て
のローン申請について書き換え後の源泉徴収票が提出されたことは認められないため、少なくとも各ケースでそれぞ
れ1件のローン申請について書き換え後の源泉徴収票が金融機関に提出されたことを認定いたしました。
7 なお、上記16件のうち1件については、書き換え前後の賃貸借契約書が発見されていないことから、書き換えの具体
的態様や対象等を特定することができませんが、当社において管理されている当該物件に関する入金状況、銀行に提
出された賃貸借契約書の記載内容その他の事情を考慮すると、賃貸借契約書における賃料額等の記載が書き換えられ
た可能性が高いと考えられることから、上記の表においては本件不適切行為の件数として計上しております。
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程に当社が関与すること等を通じ、有効かつ実現可能な範囲内において子会社管理を実施い
たします。
・ 有効な内部監査の実施
当社の内部監査の設計・運用を見直し、単に規程の整備状況や各種会議の開催状況等を確
認するにとどまらず、リスク分析の結果やガバナンス体制の検討等を通じて、現状の社内規
程・業務フローの内容や管理部門の牽制機能の適切性を検討し、従業員に対するヒアリング
を実施して社内規程等に沿った運用やコミュニケーションの状況等を確認いたします。
加えて、内部監査室の人的資源を増強するとともに、他部門から独立性を確立・維持するよ
うに配慮し、客観的で実効的な内部監査を実施する体制を整備いたします。
② リスク管理体制に関する再発防止策
・ リスク検討委員会等におけるリスク分析と対応策の策定・実施
当社のリスク管理体制を再構築することにより、子会社を含めた当社グループにおいて発
生したリスクおよび予見されるリスクを洗い出した上、当該リスクの発生可能性や影響等を
分析し、リスク評価に応じた有効な対応策を策定・実施するとともに、その有効性を継続的に
モニタリングするための体制を整備いたします。
また、リスク分析および対応の結果(対応策の実施に対するモニタリングの結果を含みま
す。)は、対応部署において内部監査部門やコンプライアンス担当部門と連携した上で、取締
役会および監査等委員会に報告することとし、重要なリスクへの対応については取締役会で
決議いたします。
・ 問題点等を吸い上げるための施策の実施
本調査においては、内部通報制度の機能不全、人事の硬直化、コミュニケーションの不足が
確認されたことから、これらの点を改善した上、吸い上げた問題点や従業員の意見等を上記
リスク分析の検討材料として有効活用いたします。
特に、内部通報制度については、定められた通報窓口や通報の方法・対象に加え、匿名でも
通報可能であることや通報によって不利益な取り扱いを受けないこと等を含めて当社グルー
プの役職員に対して周知徹底いたします。
コミュニケーションの改善については、役員が定期的に各部門・子会社を訪問することに
加え、従業員との積極的な交流を行い、風通しの良い企業風土を築きます。
③ 本件不適切行為に係るリスクに対応するための再発防止策
・ ローン申請書類の内容の正確性の確認
金融機関の求める提出書類の種類・内容を問わず、顧客に対して書き換えが困難な公的書
類、または、写しの場合は原本と相違ない旨の顧客の署名押印の徴求など高い水準の自社ル
ールを設定した上で、それらの書類のチェックを、インセンティブ報酬や売上目標の達成と
利害関係を有しない管理部門が実施する手続を整備いたします。
また、本件不適切行為の発覚を踏まえ、内部監査の一環として、ローン申請書類の正確性な
いし書類間の内容の整合性を確認することを目的とした抜き打ちのサンプルチェックも実施
いたします。
また、ローン申請書類の保管に関するルールを社内規程で定めることといたします。
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・ コンプライアンス意識を浸透させるための施策
当社グループの役職員において、コンプライアンス意識を十分に浸透させるため、当社グ
ループの全役職員を対象として、経営トップが「コンプライアンスは利益追求に優先する」と
いうコンプライアンスに関する強いメッセージを発信した上、対面によるコンプライアンス
研修を定期的に実施いたします。
上記メッセージの発信やコンプライアンス研修等においては、本件不適切行為を現実の教
材として本件不適切行為の発覚による会社への影響を含め、コンプライアンス違反がもたら
すインパクトの大きさを肝に銘ずる実のあるものといたします。
また、人事評価において、コンプライアンスに対する取組姿勢等を積極的に評価する基準
を取り入れます。
(2)本件に関する責任の明確化
① 株式会社コーセーアセットプラン
株式会社コーセーアセットプラン代表取締役 中川幸治より、この度の事態を厳正かつ真
摯に受け止め、代表取締役の辞任の申し出があったため受理し、後任に当社代表取締役 諸
藤敏一 が兼任いたします。
また、不適切行為に関与した従業員については社内規程に基づき厳正な処分を行います。
② 株式会社コーセーアールイー
株式会社コーセーアールイー取締役より、この度の事態を厳正かつ真摯に受け止め、報酬
の一部を返納したい旨の申し出があったため、以下のとおりとすることとします。
代表取締役 諸藤敏一 報酬月額 20 %減額 1 ヶ月
常務取締役 山本 健 報酬月額 10 %減額 1 ヶ月
常務取締役 西川孝之 報酬月額 10 %減額 1 ヶ月
取締役 國分正剛 報酬月額 10 %減額 1 ヶ月
取締役 土橋一仁 報酬月額 10 %減額 1 ヶ月
株主の皆様をはじめ関係者各位には、多大なご迷惑とご心配をおかけしておりますことを改めまし
て、深くお詫び申し上げます。今後は、再発防止策を確実に実施するとともにコンプライアンスを徹底
し、当社役職員が一丸となり信頼の回復に努めてまいりますので、何卒ご理解とご支援を賜りますよ
う、お願い申し上げます。
以上
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