3202 ダイトウボウ 2021-05-14 14:30:00
中期経営計画のお知らせ [pdf]

                                                      2021 年5月 14 日
各 位
                         会 社 名 ダイトウボウ株式会社
                         代表者名 取締役社長 山内 一裕
                                (コード:3202 東証・名証各第 1 部)
                                取締役常務執行役員
                         問合せ先                        三枝 章吾
                                経営管理本部長
                                (TEL 03-6262-6557)


                    中期経営計画のお知らせ



 当社は、本日の取締役会において、   「中期経営計画ブレークスルー2024~PROGRESS IN THE NEW
NORMAL~」
       (以下“本中期経営計画”
                  )を決議いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。


                            記
1.本中期経営計画の背景

(1)旧中期経営方針の取り下げ
 当社は、2020 年 11 月5日付の開示資料「現行の中期経営方針の取り下げおよび新中期経営計画の
概要に関するお知らせ」のとおり、新型コロナウイルス感染症の影響による急激な市況変化および
「収益認識に関する会計基準」適用を反映させた新しい中期経営計画を策定することが望ましいと判
断し、今般開示するものです。
 旧中期経営方針の損益目標と財務目標については、新型コロナウイルス感染症第3波の影響を受
け、、冬場のシーズンに打撃を受けた寝具・衣料品全般が目標を下回りました。ただし、税効果会計に
よる繰延税金資産の計上があり最終利益は目標を上回りました。
 (詳細は、本日公表の「繰延税金資産の計上および業績予想と実績の差異に関するお知らせ」をご
参照ください。 )

(2)経営環境について
 IT の進展、政治リスク、地政学的リスクなどの不確実性の高い時代にあって、新型コロナウイルス
感染症の影響が当面続くと予想されます。ただし、有効なワクチンが2年程度で全世界に行き渡り、
2023年度中には“コロナを乗り越えた新しい時代(ニューノーマル)  ”が到来する可能性があると
考えます。そうした中で、これまで想定したよりはるかに速いスピードで、テレワークの定着・ネッ
トビジネスの隆盛など IT カルチャーが急速に進展し、国際的にもボーダーレスな市場で、急速に高い
利便性や非接触性のコミュニケーションに対する需要が高まることが予想されます。一方、人やモノ
においては、  海外との自由な往来への懸念から、生産や流通は国内志向が強まることも予想されます。
また日本においては少子化が一段と進み実体経済へより大きな影響を与えることが予想されます。

2.本中期経営計画の概要(本中期経営計画の冊子は当社ホームページをご覧ください)
(1)名称
 中期経営計画 ブレークスルー2024 ~PROGRESS IN THE NEW NORMAL~
(2)計画期間
 2021 年4月から 2024 年3月の3年間
(3)経営の基本方針・ビジョン
 創立以来125年を超える当社の歴史と伝統を背景に、経営理念である「進取の精神」 と 「自利
利他の心」に基づき、 常に新しいダイトウボウを作り続け、  発想力を活かし無限大の可能性へ挑戦 し
ていきます。もって、 持続的成長と中長期的な企業価値の向上を実現し、社会に役立つ企業、環境に
優しい企業、 人々の笑顔を大切にする企業として、SDGs の実現と日本のより良い未来の創造に貢献
します。

(4)経営資源(資本・資金等)の配分方針
 今後3年間は、大型の設備投資は行わない考えです。
一方で、収益機会の創出のため、商業施設事業のプロフェッショナル人材や SDGs を推進するための
人材への投資に経営資源を優先的に配分します。これにより、商業施設運営ノウハウを活用したマス
ターリース事業、ジェンダーフリーをターゲットとしたビジネス、機能性の高い素材を活用したビジ
ネスでの展開を強化していきたいと考えています。

(5)基本的な考え方
 コロナ後のニューノーマル下における市場変化への対応を見据え、事業ポートフォリオを見直し、
より収益性・将来性の高い業務へのシフトを強める考えです。収益の柱である商業施設事業に経営資
源の傾斜配分を継続するとともに、コロナ禍で市況回復に遅れがみられる一部アパレルOEM市場や
旧来型の低機能な寝具の製造販売を縮小し、働く女性などをターゲットとしたジェンダーフリーなア
パレルOEMや高機能のヘルスケア製品販売へのシフトを一段と推し進めます。その際、SDGsに
準拠したテーマでの事業展開に注力するとともに、ESG(環境・社会・ガバナンス)などの概念も
しっかり意識して取り組みます。こうした、事業推進においては、当社事業相互の垣根を取り払いオ
ールダイトウボウとしてベストなソリューションを顧客に提供することや、自社ECサイトなど非対
面のチャネル活用などにより、ニューノーマル下での新たなビジネスチャンスをしっかり捉えていく
考えです。
(6)事業戦略テーマ
A.コロナ後の市場変化への対応
①ニューノーマル下の新規事業展開については次のとおりであります。
 a.新時代での商業施設運営ノウハウの蓄積・強化
   ・地域密着の強みを活かした独自性を一段と強化します。
   ・マスターリース(フロア転貸)業務に取り組みます。
 b.事業部門の枠を取り払ったダイトウボウクオリティの訴求
   ・ヘルスケア・繊維のオールダイトウボウの技術を結集して顧客ニーズに応えます。
 c.ネット関連などデジタル化の波に乗るビジネスへの取組
    ・自社サイト「Daitobo Healthcare Shop」
                                  「寝具の匠」を拡充します。
    ・SNS連携などを駆使して、B to Cを強化します。
 d.お年寄りの心に優しく届く Japan クオリティ「匠の逸品寝具」の製造
    ・国内グループ工場(新潟)の新しいブランドイメージを構築します。
②ニューノーマル下の縮小業務については次の通りであります。
 将来性が見込みにくいと判断される市場での業務縮小を検討します。
 a.市場の拡大が難しいと判断される低機能の布団製造販売を縮小します。
 b.採算性の低い低付加価値のOEM業務を縮小します。
 c.信用リスクを常に注視し信用面での適切な事業ポートフォリオの構築に努めます。
B.事業別の戦略
①商業施設事業:独自の商業施設運営ノウハウの蓄積・強化
 a.全国規模の商業施設サントムーン柿田川で 25 年近く培った地域密着型の強みを活かした独自の
   商業施設運営ノウハウを活用し、更なる事業発展に取り組みます。
 b.新時代における地域密着型の独自性を一段と強化
   長年実施してきた公民連携による子育て支援、産学連携での教育支援、地域の魅力発信拠点と
   しての役割に加え、地元自治体との SDGs 推進に関する協定締結(2021 年 3 月締結)などを柱
   に強化します。
 c.地元エリアでのマスターリース業務や施設内保育園運営等の新規業務に取り組みます。
   商業施設の保有に加え、今後は運営に特化したマスターリース事業(当社が一括賃借したフロア
   を、独自の地元のパイプや運営ノウハウを活用してテナント転貸)や施設内での保育園運営など
   新規業務にも取り組みます。当社のこだわりであるエンターテインメントや地域連携といった独
   自の強みを生かして、東海エリア中心に、業務提携も活用して取り組む。そのための人材育成・
   人材採用も積極的に行います。
 d.サントムーン柿田川の設備維持投資
   柱となるサントムーン柿田川の競争力維持・向上のための施設維持投資を積極的に行います。

②ヘルスケア事業:ニューノーマル下での健康長寿社会に貢献
 a.良質な睡眠の提供を通じた睡眠関連ビジネスの徹底強化
  ・事業部門の枠を取り払ったダイトウボウクオリティの訴求
   ヘルスケア・繊維のオールダイトウボウの技術を結集して顧客ニーズに応えます。
   特に、抗ウイルスや環境に優しい高機能のヘルスケア素材を、繊維・アパレル事業でもダイトウ
   ボウクオリティとして訴求します。
 b.ネット関連などデジタル化の波に乗るビジネスへの取組
   2020 年末に立ち上げた自社サイト「Daitobo Healthcare Shop」において SNS 連携を一段と強
   化するとともに「予約制のオンライン接客」などの新しい手法もスタートさせ、B to B に加え
   B to C の市場開拓に取り組みます。
 c.匠の逸品寝具のカスタムメイド
   国内グループ工場(新潟県十日町市)の匠の技術を活かして Japan クオリティの新しいブラン
   ドイメージを構築する。お年寄りの心に優しく届くカスタムメイドの逸品寝具製造に取り組み
   ます。
 d.官需市場参入
   制服関係で長年のノウハウの蓄積がある官需市場において、ヘルスケア事業の医療用備品に関
   する入札資格を有しており、商社としての機能を活かして積極的に参入します。
 e.低機能の布団販売縮小
   ニューノーマル下での成長が見込みにくいと判断される低機能の布団製造販売に関しては縮小
   を検討します。

③繊維・アパレル事業:ニューノーマル下での新しい市場開拓に挑戦
 a.魅力的なライフスタイルを創造
  ・祖業である毛織物を活かしたユニフォーム・ニット業務を一段と強化します。
  ・事業部門の枠を取り払ったダイトウボウクオリティの訴求
   繊維・ヘルスケアのオールダイトウボウの技術を結集して顧客ニーズに応えます。
   特に、高機能の制服素材などをヘルスケア事業でもダイトウボウクオリティとして訴求します。
 b.ジェンダーフリービジネスの開拓
  昨年秋にスタートしたジェンダーフリー推進部を核として、社会的な性差解消に向けて「働く女
  性の味方」をテーマに、これまでにない柔軟な発想と感性で新たなビジネスチャンスを開拓して
  いきます。
 c.自社 EC サイトの活用
  オーダーメイドニット製品など、   独自ノウハウにより B to C で高付加価値のカスタマイズビジネ
  スに取り組みます。
 d.低付加価値 OEM 業務縮小
   ニューノーマル下で今後の成長が見込みにくいと判断される低付加価値の OEM 業務について
   は縮小を検討します。
(7)経営管理上のテーマ
①財務戦略
 ・財務マネジメントの強化
  当社は商業施設事業への積極投資により有利子負債が相応に積みあがっています。        このため、Net
  DER 指標を目標化するなどで有利子負債の着実な削減とキャッシュフローマネジメントを引き
  続き強化します。
 ・金利動向への的確な対応
  金利環境に常に注意を払い支払利息負担の抑制に努めます。
②人材育成
 ・少数精鋭の組織力強化
  全社的かつ継続的な人材レベルの底上げはもとより、特に、商業施設事業のプロ人材育成、女性
  営業職や女性管理職の育成に注力します。
 ・ワークライフバランス向上
  リモートワーク定着、ワークライフバランス向上などの新時代の観点を踏まえ、組織マネジメン
  トの強化に努めるとともに社内コミュニケーションの一層の向上に取り組みます。
③ガバナンスのさらなる強化
  東証再編に関連して、上場市場では、今後、より高いガバナンス水準が求められることになって
  おり、特にプライム市場は「見直し後のコーポレートガバナンス・コード全原則の適用」が掲げ
  られています。ガバナンス(企業統治)などの基準も、より厳格な基準が設けられ、上場企業の
  価値向上が促される見込みです。また、内部監査が一定の独立性をもって有効に機能するよう、
  独立社外取締役を含む取締役会・監査等委員会などに対して直接報告が行われる仕組みの確立な
  ど、監査に対する信頼性の向上も一段と求められます。
  当社はコーポレートガバナンスコードの遵守に努めているところですが、かかる環境下、こうし
  た変化にもしっかり対応し、これまで以上に実効性あるガバナンス強化に取り組みます。
④東証再編に関する現時点の考え
   東証再編に関連して、上場市場では、今後、多くの機関投資家の投資対象になりうる規模の
  時価総額(流動性)  、より高いガバナンス水準、投資家との建設的な対話を中心に据えることなど
  が示されております。当社は、現時点で判明している情報に従えば、時価総額以外のプライム市
  場の基準を満たしております。
   今後の動向については、不透明な部分もあり明確に決定する段階にありません。ただし、当社と
  いたしましては、東証からの発表に従い、可能な限りプライム市場に留まるべく粛々と手続きを
  進める考えです。
⑤復配に関する現時点の考え
   現段階では内部留保に努めるものの、計画通り進捗することで会社法の定めに従い配当が認めら
  れる状況となれば、早期の復配について可能な限り積極的に検討を進める考えです。

 以上により、今後、当社グループは、ニューノーマルの新たな時代を、125 年を超える当社の歴史
と伝統を背景に、経営理念である「進取の精神」と「自利利他の心」に基づき、発想力を活かし無限
大の可能性へ挑戦していきます。もって、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を実現し、社会に
役立つ企業、環境に優しい企業、人々の笑顔を大切にする企業となり、SDGs の実現と日本のより良
い未来の創造に貢献していく所存です。
                                                                           (別紙)
計数計画と財務目標

①連結損益計画
                                    2021 年度      2022 年度         2023 年度
                                         百万円          百万円             百万円

売               上               高        4,800        5,200           6,000
営       業           利           益          350             420          500
親 会 社 株 主 に 帰 属 す る
                        190          250     330
当   期    純   利    益
*)新収益認識基準の適用により売上高は 2020 年度比約 500 百万円圧縮されています。
   利益水準に影響はありません。



②財務目標
                                    2021 年度      2022 年度         2023 年度
営       業       利       益       率         7.0%         8.0%            9.0%
N   e       t       D       e   r         190%         170%            150%

R               O               E         4.0%         5.5%            6.5%


(注)
 上記計数は本資料の発表日現在で入手可能な情報に基づき判断したものであり、 実際の業績は、
 今後の為替水準の動向やその他の諸要因によって予想数値と異なる可能性があります 。


                                                                              以上