3101 東洋紡 2020-12-29 15:00:00
当社PBT樹脂「プラナック」に関する不適切事案の調査結果等に関するご報告(開示事項の経過) [pdf]

                                                 2020 年 12 月 29 日
各    位
                            会  社  名      東 洋 紡 株 式 会 社
                            代 表 者 名      代表取締役社長    楢 原 誠 慈
                                         (コード 3101 東証 第 1 部)
                             問い合わせ先      IR担当部長     石 丸 園 子
                                             (TEL 06-6348-3044)

    当社 PBT 樹脂「プラナック®」に関する不適切事案の調査結果等に関するご報告(開示事項の経過)

 当社が製造販売しておりますポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂「プラナック ®」について、品質に関
する不適切な事案が発生したことにより、お客さまをはじめ関係者の皆さまに対し、多大なるご心配とご迷
惑をお掛けしていることを改めて深くお詫び申し上げます。
 2020 年 10 月 28 日付開示資料にてお知らせしました通り、本件に関しましては、第三者調査担当者と
して、当社と顧問契約や委任関係がない弁護士法人色川法律事務所の弁護士らを選定するとともに、調
査における執行機関からの独立性を確保するために、社外取締役および監査役から構成されるプラナック
事案対応委員会を立ち上げ調査を遂行してまいりました。
 今般、同法人の弁護士らより報告を受けました調査結果等に関しまして、下記の通りご報告いたします。
なお、「プラナック®」以外の製品については、現在調査を実施しております。
                             記
1.調査報告の内容(概要)
  (1)経緯
    ①事業譲受以前の経緯
     「プラナック®」に関する事業は、2010 年 3 月 31 日付けで他社から譲り受けたものであるところ、当
    該事業譲受に関する交渉の最終段階において、「プラナック®」を担当することとなる事業部(以下「担
    当事業部」という。)の責任者および担当者は、「プラナック®」の一部の品番について、当該他社が米
    国の第三者安全科学機関である Underwriters Laboratories による確認試験時に、実際に顧客に
    販売していた商品と異なる組成のサンプルを作製し提出することで、当該確認試験を通過している(以
    下「本件行為」という。)ことを認識した。
     しかし、当時、担当事業部の責任者は当該他社から確認試験用の組成も含めて引き継ぎ、上層部
    には本件行為を報告せず、事業譲受は実行された。
    ②事業譲受後の経緯
     事業譲受後、本件行為について担当事業部内で正式に情報が共有されることはなく、解決に向け
    ての具体的な対応は取られないまま推移した。
     2013 年 11 月に担当事業部内の会議での報告により同会議の出席者には本件行為に関する問題
    共有がされたものの、本件行為は継続されていた。
     そして、遅くとも 2015 年 10 月、担当事業部の担当者によって、本件行為の現状把握を行い、品質
    保証の是正に繋げたいと記載された資料が作成され、「プラナック®」の難燃グレードについては拡販し
    ない方針となったものの、既にユーザーが使用している商品であり、撤退には代替品が必要であるとの
    判断で開発を進めていた。しかし、結果的には、代替品の開発は完了せず、顧客が代替品を採用す
    るには至らなかった。
     以上のような経緯を経て、担当事業部において、2020 年初頭には技術面から代替品の開発を諦め
    ざるを得ないことがほぼ明らかとなり、担当事業部責任者から事業本部長へ本件行為が打ち明けられ、
    同年 8 月に同本部長から経営幹部への報告がなされた。
 (2)原因とその対策に関する提言
   ①事業譲受におけるチェック体制の不備
    担当事業部が事業譲受によるリスクを適切に評価できていなかった上、他部署が関与する体制がな
   かった。
   再発防止策としては、リスク区分(譲渡金額、製品の特性等)による一定の基準に応じて、事業部門
  とは別の独立した部門が関与し、必要に応じて社外専門家の協力を得てデューデリジェンスを行う
  ルール作りを行い、同ルールに応じた運用を行うことが考えられる。
  ②監査機能の不備
   本件のようなグループ外の工場に生産委託した場合や確認試験用のサンプル作製は、事業部から
  独立した品質保証部門による監査の対象外とされていた。
   再発防止策としては、これまで監査の対象外とされていたものについても監査・調査を行う。また、監
  査の手法としても、「抜き打ち」や「抜き取り」検査を行う。さらに確認試験用のサンプル作製についても
  正しい手続きによって行われているかを監査することが必要である。
  ③コンプライアンス意識の低さ
   事業譲受時において、担当事業部の責任者らは本件行為によるリスクを軽視してしまった。企業に
  よる品質偽装が社会問題化した後は、担当事業部内で本件を解決しようと検討されたものの、その方
  法は主に代替品の製品開発を行うというものであった。これは、本件行為を是正することなく解決しよう
  とするもので、コンプライアンス意識の低さが裏付けられる。
   再発防止策としては、コンプライアンス研修において、品質偽装は重大な問題であり、行ってはなら
  ないということを単に伝えるだけでなく、本件のようなケースを含め様々なケースにおいてどのような行
  動をとるべきか、役職員が自ら具体的に考え判断することが求められるような参加形式による研修とす
  るなど、研修プログラムの工夫が必要である。
  ④内部通報制度の機能不全
   内部通報がなされなかった原因の一つとして、上記コンプライアンス意識の低さとともに、内部通報
  に対する理解や制度への信頼が乏しいことが考えられる。
   再発防止策としては、内部通報制度が利用されなかった理由に応じた対応策を講じることが必要で
  ある。
  ⑤担当事業部内の環境等
   担当事業部は、人事交流の少なさや他部署からの影響・干渉がないことから、閉ざされた組織が構
  築されてしまっていた。
   再発防止策としては、人材交流、他部門による監査、本部長らによる監督等が必要である。

2.業績に対する影響
  当社が「プラナック ®」を納入している全てのお客さまへの説明は完了しておりますが、現時点で「プラ
 ナック®」使用製品の回収等は発生しておりません。今後、開示すべき重大な影響が見込まれると判断し
 た場合には、速やかにお知らせいたします。

3.関係者への処分
  2020 年 11 月 26 日付開示資料の通り、すでに本件に関係する役員について報酬の一部を返上してい
 ますが、今回の調査結果等を踏まえ、さらなる調査を進め、社内規程に則り関係者への厳正な処分を検
 討してまいります。

4.再発防止に向けた取り組み
  当社グループは、本件を重く受け止め、調査報告からの提言なども踏まえ、実効性のある再発防止に向
 けた施策について検討し、確実に実行に移してまいります。調査報告の中で必要性について指摘のあり
 ました、事業部門から独立した品質保証部門による抜き取り検査については、既に実施を始めております。
  今後、二度とこのようなことを起こさない固い決意のもと、当社グループ全員のコンプライアンス意識向上
 および品質保証に対する意識改革に向けた働きかけと教育を徹底するとともに、組織風土の改善を推進
 します。全役員、全従業員が一丸となって、再発防止策を実行し、ガバナンスの向上と品質管理体制の
 強化を図ることで、信頼回復に努めてまいります。

                                                  以 上