3021 PCNET 2019-04-22 16:00:00
2019年5月期 第3四半期決算に関する補足と、今後の方向性につきまして [pdf]

                                                         2019 年 4 月 22 日
各 位
                                        会 社 名   株式会社パシフィックネット
                                        代表者名 代表取締役社長           上田 満弘
                                              (コード番号 3021 東証第二部)
                                        問合せ先 取締役副社長            大江 正巳
                                              ( 電話番号     03-5730-1442 )


      2019 年5月期 第3四半期決算に関する補足と、今後の方向性につきまして


 先日発表の第3四半期決算に関して、投資家・株主の皆さまから様々なご質問をいただきまし
た。しかし、FD ルール(注1)や営業競争上の問題からお答えできないことも多々ございまし
たので、ご質問の多い点について適時開示という形で投資家 株主の皆さまにご報告いたします。
                           ・


 注1)フェア・ディスクロージャー・ルール:上場会社による公平・適時な情報開示に係るルール



 総括すると、変革の途上ではあるものの、ストック中心への収益構造改革、および ESG 経営
(注2)の強化に取り組んだ結果であり、今後もさらに推進していく所存です。


 注2)ESG:環境(Environment)
                      、社会(Social)
                                、ガバナンス(Governance)の略

      企業の長期的な成長のためには、ESG が示す 3 つの観点が必要という考え方



                                記


1.LCM 事業の前年比増加の内訳・要因についての補足
    サブスクリプション(月額利用料モデル)中心の収益である「レンタル・IT サービス」
  の成長が LCM 事業の業績拡大をけん引いたしました。


  (表1)LCM 事業セグメントのサービス別業績

                                 レンタル                 ITAD
              LCM事業     前年比                   前年比              前年比
                                ITサービス                その他
                         増減                    増減               増減

      売上高     1,776.5   13.0%       1,118.7   20.2%    657.8   2.6%

      セグメント
               243.2    66.1%        159.5 179.5%       83.7   -6.3%
      利益

  ※ITAD…使用済み IT 機器の引取回収・データ消去が該当。詳細は注3を参照ください。
(サービス項目の説明)
   ◆レンタル・IT サービスは下記の合計です。
      ・IT 機器レンタル
      ・IT サービス(事前設定、運用管理・ヘルプデスク、システム環境構築・運用、クラ
        ウド提供等のサービス)
      ・これらに伴う販売(ソフトウェア、レンタル機器送料、付帯品販売等)
   ◆ ITAD(注3)、その他は下記の合計です。
      ・法人の使用済み IT 機器の引取回収
      ・データ消去および適正処分、処分履歴サービス
      ・回収した IT 機器のリマーケティング本部への移転売上(内部勘定)


  注3)ITAD:IT Asset Disposition の略

      情報機器資産の適正処分の意味。

      情報セキュリティ上安全、かつ適法(環境法、国際条約、資源有効利用等)な処分は、コンプライ

      アンス・ガバナンスにおいて経営上の重要事項と位置付けられ、欧米で一般化しています。

      当社 ITAD は、欧米と同様に、セキュアな回収、データ消去、適正処分をサービスとしております。



   以下、サービスごとにご説明します。


  (1) レンタル・IT サービスについて
    当社は、今期を初年度とする中期経営計画“SHIFT 2021” (2018 年 6 月~2021 年 5
   月) に基づき、フローからストック中心へ、販売(モノ)からサービス(コト)への転
   換を図り、持続的成長が可能な基盤づくりを進めております。その中核となるのが LCM
   事業であり、その中でも、レンタル・IT サービスは、以下の点から最重要施策として重
   点運営しております。
    表1のとおり、レンタル・IT サービスの業績拡大(第3四半期累計期間では、売上高
   前年比 20.2%増加、セグメント利益前年比 179.5%増加)が、LCM 事業セグメント増収
   増益の要因となりました。


   ◆レンタル・IT サービスの事業価値
    (a) ニーズと社会的意義、市場機会の大きさ
          Windows 10 への入替需要という短期的な需要拡大のみならず、中期的な市場成
        長も想定しています。すなわち、働き方改革やモバイルワークに適したモバイル
        PC・通信・セキュリティ需要、これに伴うクラウドサービス、ますます深刻化す
        る企業の IT 人材不足を背景に、
                        「所有から利用へ」が進むととともに、今後、サブ
        スクリプション(月額利用料モデル)採用が一般化することで、高い市場成長が見
        込まれる重要な市場機会であるととらえています。
          また、働き方改革や IT 人材不足への対応は高い社会的意義を有します。
   (b) 当社戦略上の重要性
      将来収益(=ストック収益)拡大、持続的成長に直結します。
      また、レンタルが増加すると、レンタル終了により優良なリユース品が増加するこ
      ととなり、再販の収益拡大、環境課題や循環型経済に対する貢献拡大という社会的
      意義を有しています。
   (c) 事業特性
      一言でいうと、規模の利益が効く事業特性です。
      拡大期には、レンタル資産確保、営業・事務費用、テクニカルセンターでの設定・
     出荷コスト等の先行投資や一時コストが増大する一方、サブスクリプション(月額利
       なので売上は 3~5 年間の月々分割計上となるため、
     用料)                        コストが大幅先行します。
      しかし、ストック収益の蓄積が進めば、これらのコストを吸収しても利益創出が可
     能となるため、規模拡大に比例して利益率も向上することになります。
      当社は数年間、先行投資を行い規模拡大を図ってまいりました。その結果、レンタ
     ル・IT サービスは3期前に比べ、売上高約 2 倍、セグメント利益約 3 倍へ拡大して
     おります。


 (2) ITAD その他について
   使用済み機器の回収・データ消去(ITAD(注3)
                          )と、回収・データ消去済みの機器を
  再生しリマーケティング事業へ移転販売した売上(内部勘定)等の合計です。
   回収・データ消去サービス単独では、顧客からのセキュリティ評価の向上やサービス品
  質向上策により、売上高は前年比 6.1%の増収となりました。しかしながら、収益案件へ
  の絞り込みを行った結果、排出市場の回復遅延もあり、使用済み品の回収台数が減少し、
  リマーケティング事業への移転販売等の売上が減少しました。その結果、両者の合計で売
  上高微増・減益となったものです。
   これは期初の予想より低調な推移ですが、今後の事業環境を鑑み、サービス変革を期中
  において戦略的に進めた結果でもあります。その詳細は、次項で記載いたします。


2.リマーケティング事業と ITAD サービスについて
  第3四半期累計期間のリマーケティング事業の業績は以下の通りです。
  (表2)リマーケティング事業業績


               リマーケティング
                              前年比
                  事業
                               増減
    売上高             1,289.2   -35.1%
    セグメント利益          198.1    -18.1%

  使用済み排出市場の回復遅延、当社の回収台数の前年比マイナス、前年度に実施した店舗
 事業売却・撤退、小売事業からの撤退が減収減益の主な要因ですが、今後の事業環境変化を
踏まえて今期さらなる変革を図っており、上記業績はその要因も含まれております。
 その詳細は以下の通りです。


 リマーケティング事業は、LCM 事業の ITAD(前掲の注3)サービスで回収した使用済
み IT 機器を販売する事業セグメントです。


 ブランド品から住宅や車に至るまで、中古事業の特性は一般に「仕入れが命」と言われる
ように「仕入れの量と質」が収益の源泉のビジネスモデルであり、これは中古 IT 機器分野
でも長らく有効な手段でした。しかしながら、中古 IT 機器の分野は、ブランド品等の他の
中古事業には無い特有の事業環境変化、廃プラ問題をはじめとしたグローバルな環境課題
を背景に、
    「仕入れ重視」の事業特性は近年大きく変化しています。そして、2020 年以降は
                         (下記 (1) を参照ください)
さらに変化のスピードが高まることが予想されています。


 当社は、これまでもテクニカルセンター強化をはじめとしたデータ消去サービスの強化、
店舗事業の撤退による BtoB への選択と集中により、販売からサービスへの変革を図るとと
もに、経営資源を中古事業から LCM サービスへシフトしてまいりました。今期は、予想さ
れる事業変化への対応の準備を急ぐため、さらに変革をすすめております。すなわち、適正
処分(コンプライアンス、セキュリティ)の価値を全面的に訴求したサービスへの変革です。


 コンプライアンスとセキュリティのサービス価値を高めたことに伴い、回収・データ消去
の料金を改定した結果、回収台数の減少につながっている側面もあると思料しております
が、数年後を見据えた必要な施策であるとも考えております。


 今後さらに「適正処分」の訴求力の向上を図ることで、市場全体から広く回収し再生販売
する収益モデルを排し、ESG 重視の大手・中堅企業、及びレンタル・IT サービス採用の当
社顧客に対して、業界唯一の上場企業としての高い信用力による当社ならではの「適正処分」
サービスを展開してまいります。以下はその詳細です。


(1) IT 機器の中古事業を取り巻く環境
 ①中古 IT 機器のコンプライアンス
  法人からの IT 機器排出市場のアイテムは、総じて高機能品、低機能品に分けられます
  が、ここ数年は低機能品が市場流通の過半数を占める状況にあります。
   ・高機能品:高機能、比較的新しいもの
   ・低機能品:総じて使用年数の長いもの
  a)高機能品は、リユース PC として国内流通が可能であり、中期的に見ても法人需要
   は今後も堅調に推移すると想定され、循環型経済への貢献にもつながります。
   当社レンタルアップ品もほぼ全数に近い数が高機能品です。
  b)一方、排出市場で過半数を占める低機能品は、国内需要はもとより、バーゼル条約
     の規制強化等によりリサイクル品の輸出禁止も厳格運用され、リユース可能な IT 機
     器も輸出規制が厳格化される見込みです。
      特に、世界的な廃プラ問題が認識され、一昨年の中国等の廃プラ輸入禁止により、
     輸出先の無いプラスチックを多く含む IT 機器は国内で処理するしかなくなり、有価
     物としての流通が不可能となる可能性が高いと想定しております。
      この結果、今後、低機能品の中古販売市場は縮小し、その販売に頼る収益モデルは
     成り立たなくなる可能性が高く、近い将来、市場は適正処分ニーズに対応したサービ
     ス市場へ転換していく蓋然性が非常に高いと想定しております。
    c)当社は、これまでもバーゼル条約・バーゼル法に従い輸出を行わず、販売先も定期
     監査等を実施して適正事業者に絞ってきましたが、これまで以上に厳格な審査を行
     い、さらなるコンプライアンス・サービスとしての価値訴求を図っていく所存です。


   ②排出市場・台数の今後の予想
     Windows 7 サポート終了による入れ替え需要はこれから 2020 年半ばまで増加し、
    排出台数の拡大は相当に見込まれる状況にありますが、2020 年後半以降は入れ替えの
    収束による排出台数の減少が予測されます。
     この点からも、中古事業は、単なる販売収益追求ではなく、
                               「適正処分」によるサー
    ビス収益と自社レンタルアップ品を含めた高機能品の販売収益による事業価値への転
    換をさらに図ってまいります。


3.中期経営計画「SHIFT 2021」の進捗評価について
   今期を初年度とする中期経営計画「SHIFT 2021」の目的は、ひとえに将来の事業環境変
  化に適応した事業構造改革にあります。前記1・2から、第3四半期累計期間においては、
  この目的の達成、計数目標とも当初想定どおり進捗していると評価しております。


   なお、これまで第4四半期業績が最も大きくなる傾向にありました。これは、当社第4四
  半期(3~5月)が大多数の顧客企業の年度末にあたり、処分機器の排出が1年でもっとも
  増える傾向にあるためです。リマーケティング事業については、前述の通り戦略的に絞り込
  みを行ってはおりますが、第1~3四半期に比べて第4四半期は一定の拡大を見込み、レン
  タル・IT サービスは引き続き拡大基調、連結子会社であるケンネット社は第4四半期の収
  益が最も大きくなる傾向にあることから、今期も第1~3四半期に比べ第4四半期の収益
  が最大となる見込みです。
             (連結ベース)


4.事業方向性をまとめると、次ページ図のとおりです。
   当社事業は、ESG(注3)推進そのものであり、その拡大は、顧客企業の ESG 支援にも
  なる極めて高い社会的意義を有する事業です。ストック収益中心への構改革の加速と、ESG
  推進を図ることを今後の事業方針と位置付けて推進してまいります。
  ◆事業方向性のまとめ




  ◆収益拡大イメージ




                 「中期経営計画「SHIFT 2021」の一部修正に関するお
 これらの事業方向性につきましては、
知らせ(仮題)
      」としてまとめ、2019 年7月に開示する予定としております。


(将来に関する記述等についてのご注意)

本資料に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的である

と判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。

また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。

                                                以上