3003 ヒューリック 2020-08-25 15:30:00
サステナビリティ・リンク・ボンドの発行に関するお知らせ [pdf]

                                                 2020 年 8 月 25 日
各     位
                     本社所在地 東京都中央区日本橋大伝馬町 7 番 3 号
                     会 社 名 ヒューリック株式会社
                     代 表 者 名 代表取締役社長                吉 留      学
                                           (コード番号:3003)
                     問 合 せ 先 常務執行役員 広報・IR 部長 伊 藤            伸
                     電話番号 ( T E L ( 0 3 ) 5 6 2 3 - 8 1 0 2 )


          サステナビリティ・リンク・ボンドの発行に関するお知らせ

 当社は、日本初となるサステナビリティ・リンク・ボンド(*1)(以下、本社債)の発行を決定し
ましたので、お知らせ致します。
 なお、本社債は環境省の「令和 2 年度サステナビリティ・リンク・ローン等モデル創出事業に
係るモデル事例等の公募(*2)(以下、本公募)」に応募し、モデル性及び先駆性を有する事例と評
価を受け、本公募において初のモデル事例等として選定されています。また、本社債は環境省と
その請負事業者(*3)により環境省の「グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイ
ドライン(以下、GL・SLL ガイドライン)」及び国際資本市場協会(ICMA)の「サステナビリテ
ィ・リンク・ボンド原則(以下、SLB 原則) 」への適合性等についての確認を受けており、SLB 原
則に適合する公募形式のサステナビリティ・リンク・ボンドとしては世界初の発行事例となりま
す。

                           記

1.   本社債発行の目的及び背景
 当社グループは、不動産賃貸事業を中核事業として、      「成長性」
                                   「収益性」 「安全性」    「生産性(効
率性)」を高次元でバランスしつつ、    「変革」と「スピード」をベースとして更なる成長戦略を志
向した新長期計画(2020-2029)を策定し、フェーズ I として新中期計画(2020-2022)をスタートさ
せました。
 新中長期経営計画の中では、    「社会と企業の共創・共生を図るサステナビリティを重視したマネ
ジメントの実践」を基本戦略の 1 つとして掲げ、ESG を意識した事業運営と価値創造による社会
課題の解決及び社会価値の創造と企業成長が連動する取組みの推進を図っています。また、これ
までの「CSR ビジョン」を更に進化させた「サステナビリティビジョン」を策定し、当社の ESG
経営の中心に据えることとしました。
 かかる状況下において、当社のサステナビリティへの考え方が幅広く認知されることを目的と
し、発行条件をサステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(*4)(以下、SPTs)の達成状況に
連動させることで当社のサステナビリティへのコミットメントを明示する、国内での発行事例の
ない先駆性を有する本社債の発行を決定しました。
 なお、発行条件と連動する SPTs としては「2025 年までの RE100(*5)の達成」及び「2025 年まで
の銀座 8 丁目開発計画における日本初の耐火木造 12 階建て商業施設の竣工」を設定しています。
 また、サステナビリティ・リンク・ボンドは資金使途が限定されないことが特徴ですが、当社
は本社債による調達資金の一部を RE100 達成に向けた FIT 制度(*6)を利用しない   (以下、 FIT)
                                                     非
太陽光発電設備の開発資金及び銀座 8 丁目開発計画の開発資金に充当する予定です。
2.    本社債の概要
 発行年限                    未定
 発行額                     未定
 発行時期                    2020 年 10 月(予定)
                         設備資金、運転資金、短期社債償還資金、社債償還資金及び借
 資金使途(予定)
                         入金返済資金へ充当
                         ① 2025 年までに RE100 を達成
                         ② 2025 年までに銀座 8 丁目開発計画における日本初の耐火木
                           造 12 階建て商業施設を竣工
 発行条件と連動する SPTs
                           ※上記 SPTs のいずれかが未達の場合、クーポンが
                             ステップアップ。発行条件と連動せず、2026 年以降
                             モニタリング対象となる SPTs(*7)も併せて設定。
                         みずほ証券株式会社(事務)、野村證券株式会社、大和証券株式
 主幹事
                         会社、SMBC日興証券株式会社
     (*1) サステナビリティ・リンク・ボンド
       SLB とは、あらかじめ定められたサステナビリティ/ESG の目標を達成するかどうかによって条件が変化す
       る債券のことを指す。したがって、調達資金が必ずしも特定の資金使途に限定される必要はない。SLB
       は、発行体があらかじめ定めた重要な評価指標(KPI)と SPTs によって評価される。KPI に関して達成す
       べき目標数値として SPT が設定され、KPI が SPT を達成したかどうかによって、債券の条件が変化するこ
       とで、発行体に SPTs 達成に向けた動機付けを与える債券。
 (*2) 令和 2 年度サステナビリティ・リンク・ローン等モデル創出事業に係るモデル事例等の公募
       環境省が実施する、特に環境面においてモデル性又は先駆性を有すると考えられるものであって、かつ、
       GL・SLL ガイドラインに適合するサステナビリティ・リンク・ローン若しくはこれに準ずるサステナビ
       リティ・リンク・ボンド又は新たな資金調達手法の事例を創出し、情報発信等を通じて、これらを国内に
       普及させることを目的とするモデル事例等の公募。
 (*3) 請負事業者
       本公募において、環境省によって選定され、GL・SLL ガイドライン及び SLB 原則への適合性等を確認す
       る機関。本公募においては、株式会社日本格付研究所(JCR)及びイー・アンド・イー ソリューションズ
       株式会社(E&ES)が確認業務を実施。
 (*4) サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット
       サステナビリティ・リンク・ボンドの発行条件を決定する発行体の経営戦略に基づく目標。
 (*5) RE100
       世界で影響力のある企業が、事業で使用する電力の再生可能エネルギー(Renewable Electricity)100%化に
       コミットする協働イニシアティブであり、2019 年 6 月時点で、世界で 170 社超が加盟。RE100 は、The
       Climate Group(低炭素社会の実現を目指し、気候変動対策を呼び掛ける国際 NPO)が、CDP(環境インパ
       クトに係るディスクロージャーを企業に促す国際 NPO)とのパートナーシップの下で主催。
 (*6) FIT 制度
       2012 年に施行された再生可能エネルギーにより発電された電気の固定価格買取制度。電力会社が買い取
       る当該電気費用の一部は、電気使用者の料金に上乗せされるため、国民の実質負担となる。国民が負担す
       ることで環境価値に対する対価は支払い済みとみなされるため、FIT 電気は再生可能エネルギーが有する
       環境価値を持たないとされる。
 (*7) 発行条件と連動せず、2026 年以降モニタリング対象となる SPTs
       2025 年に達成した SPTs はその後償還期限まで維持する。維持状況について第三者評価機関(JCR)か
       ら、限定的検証報告書を毎年 8 月に取得、開示する。ただし、発行時点で予見し得ない状況により RE100
       の維持が一時的に困難となった場合、上記検証報告書を通じ、維持困難となった状況の説明と今後の改善
       策について投資家に開示することとする。
                             -参考情報-
                         SPTs に関する補足説明
1.    「RE100 達成」




     2012 年から参入している太陽光発電事業において、2020 年より非 FIT 太陽光発電設備の開発
を開始しております。子会社を含むグループの使用電力をカバーする太陽光発電設備を開発する
ことで、2025 年までに 100%再生可能エネルギー化(RE100 達成)を目指します。太陽光発電設
備により発電された電気を、小売電気事業者(PPS)となるグループ企業のヒューリックプロパ
ティソリューションを介して、各ビルへの供給を行うことにより、日本初の「100%自社保有電
源と、自社供給」のスキームによる RE100 達成の予定です。本スキームにより、化石燃料によ
って発電された電気の料金と同等の金額で、再生可能エネルギーを扱うことが期待出来ます。今
回事業展開する非 FIT の太陽光発電設備の開発による「RE100」の達成と長期的な事業継続は、
当社が掲げている CO 2 排出量削減計画に大きく貢献するとともに、当社が環境長期ビジョンでも
掲げる「持続可能な社会(低炭素社会&循環型社会)   」を実現していきます。




2.「銀座 8 丁目開発計画における日本初の耐火木造 12 階建て商業施設の竣工」
 当社の注力エリアである銀座において、日本初となる耐火木造 12 階建ての商業施設の開発
(木造と鉄骨造とを組み合わせたハイブリッド構造)を行っており、2021 年 10 月の竣工を予定
しています。

                   用 途           :   商業施設
                   所 在 地         :   銀座 8 丁目(JR 新橋駅徒歩 4 分)
                   構   造         :   木造+鉄骨造のハイブリッド構造
                   規   模         :   地上 12 階、地下 1 階
                   敷地面積          :   251.98 ㎡(予定)
                   延床面積          :   2,456.54 ㎡(予定)
                   設計施工          :   竹中工務店
                   外装デザイン監修      :   隈研吾建築都市設計事務所
                   竣工            :   2021 年 10 月(予定)

 当社は、2018 年より林野庁の CO 2 削減への取り組みである「木材利用の拡大」を受けて、製
造・加工に要するエネルギー消費量の少ない木材を利用した耐火木造建築の開発を行っていま
す。木は、空気中の CO 2 を吸収し炭素を固定しながら成長するため、国土に木が豊富にあること
は CO 2 の削減につながります。また、木材として伐採時期を迎えた木は CO 2 を吸収する能力が
低下しているため、これらを伐採・製材し建材として利用する一方で新しい木を植えることによ
り、CO 2 をよく吸収する若い木が常に一定数存在する状態が保たれます。耐火木造建築への取り
組みは、森の循環を促進し、その結果として CO 2 の削減につながります。
 当社の注力エリアである銀座において、日本初となる耐火木造 12 階建ての商業施設の開発
(国産材等を使用した木造と鉄骨造とを組み合わせたハイブリッド構造)を行っており、2021
年 10 月の竣工を予定しています。
                                                 以上