2780 コメ兵HD 2020-02-14 15:00:00
調査委員会からの調査報告書受領に関するお知らせ [pdf]

                                               2020 年2月 14 日
各     位
                          会 社 名 株  式   会   社 コ       メ     兵
                          代表者名 代 表 取 締 役 社 長 石 原 卓 児
                           (コード番号:2780 東証第二部・名証第二部)
                          問合せ先 取締役経営企画部担当 鳥 田 一 利
                                         (TEL. 052-249-5366)


              調査委員会からの調査報告書受領に関するお知らせ


 当社は、2020年1月28日付「グループ会社社員による不正行為の疑いについてのお知らせ」に
て公表いたしましたとおり、2019年12月3日付で当社のグループ会社となりました株式会社K-
ブランドオフの香港子会社(BRAND OFF LIMITED)社員による不正行為の疑いについて、外部の会
計、法律の専門家の協力のもと、調査委員会による調査を進めてまいりました。
 本日、調査委員会より調査報告書を受領いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。


                           記


1. 調査委員会の調査概要及び調査結果
    調査委員会の調査概要及び調査結果につきましては、添付の「調査報告書」をご参照くださ
 い。
    なお、当第3四半期決算に与える業績への主な影響につきましては、損失金額の総額は
 83,826 千円であり、本日発表いたしました「2020 年3月期 第3四半期決算短信」に記載の
 四半期連結財務諸表に反映しております。
    また、本報告書においては、個人情報および機密情報保護の観点から、個人情報等につきま
 しては匿名としておりますことをご了承ください。


2. 再発防止策の実施
    調査委員会からの報告を受けて、以下の再発防止策を早急に実施いたします。
    ① K-ブランドオフ香港子会社の業務運営体制の再構築を進めます。
      業務内容及びプロセスの是正を早期に進めます。必要に応じてグループ人材の投入
     も検討してまいります。
    ② 当社の香港子会社との連携を強化します。
      現状、当社の香港子会社による現金を含めた業務全般のチェック機能が働く体制とし
     ております。
    ③ K-ブランドオフグループの現金類の取扱いルールを点検、見直します。
      現時点で BRAND OFF LIMITED の経理業務につき、現金に関係する業務をダブルチェック
     で行う体制としております。また、現預金管理について、親会社であるK-ブランドオフに
     てチェック、確認できる体制としております。
      また、四半期毎に必ず現金類の実査を実施するとともに、当社の内部監査部門等による
     現金実査を実施いたします。
     なお、K-ブランドオフ及び台湾子会社である名流國際名品股份有限公司、また、
    BRAND OFF LIMITED の各拠点にて、2020 年 1 月末に現金実査を行い、問題ないことを確
    認しております。
     今後も、経理業務全般につきダブルチェック及び親会社の牽制が機能する体制の構築
    を進めてまいります。
   ④ 役職員へのコンプライアンス教育を徹底します。
     早期にコンプライアンス研修を実施し、社内ルールの厳守等を徹底いたします。
   ⑤ グループ内部統制の構築を進めます。
     グループ全般に亘る強固な内部統制の整備をすすめます。重要な子会社について上場
    会社グループに求められる基準での内部統制チェックを実施し、内部統制上の不備を是
    正、早期に内部統制を機能させてまいります。


3. 今後の対応について
  (1) 2020年3月期第3四半期決算短信につきましては、本日発表いたしております。また、
    2020年3月期第3四半期報告書につきましても本日提出いたしております。
  (2) 関係した社員の処分
    関係した社員の処分については、厳正な対応をいたします。


  当社の株主、投資家、市場関係者及び取引先の皆様には、大変なご心配とご迷惑をおかけし、
 深くお詫び申し上げます。また、今回の件を真摯に受け止めるとともに、再発の防止に向けた
 内部統制の強化にグループ会社全社をあげて取り組む所存です。
  今後ともご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。


                                                    以上
 調査報告書




  2020年2月14日


株式会社コメ兵調査委員会
第1部    本調査の概要

1.本委員会設置の経緯
    株式会社コメ兵(以下「当社」という。)は、2020年1月22日、グループ会社化後の
  フォロー監査の目的で当社内部監査担当者等が臨店した際、グループ会社であるBRAND
  OFF LIMITED(香港法人)の社員が、経理担当としての立場を利用し、同社の資金を横
  領(以下「本件」という。)していたとの申告を本人から受けたことにより、本件につ
  いて社外の法律及び会計の専門家の協力のもと、当該案件につき客観的な調査を行うこ
  とを目的として、2020年1月25日に社内調査委員会(以下「本委員会」という。)を設
  置し、本件に関する事実関係の調査(以下「本調査」という)を行うこととした。

2.本調査の目的
   本調査は、①本件に関する事実関係の確認、②本件による当社連結財務諸表等への影
  響額の確認、③類似事案の調査と確認、④本件が生じた原因の分析と再発防止策の提言
  ⑤その他、調査委員会が必要と認めた事項を目的とした。

3.本委員会の構成
   本委員会は、以下の6名の委員により構成された。

                氏名                  役職等

  委員長      小崎    誠    当社取締役監査等委員(常勤)(社外取締役)

  委員       瀬古    正    当社常務取締役

  委員       興津    旬也   当社執行役員管理本部長

  委員       蟹江    宏治   当社内部統制室長

  委員       山内    祐也   株式会社K-ブランドオフ   代表取締役

  委員       江﨑    武    株式会社K-ブランドオフ   取締役


 社外の税務・会計の専門家としてアースタックス・ビジネスコンサルティング 白水幹
 範税理士、法律の専門家として後藤・鈴木法律事務所 鈴木智洋弁護士(日本法)及び
 川島睦美律師事務所 川島睦美弁護士(香港法)に、それぞれの協力を得ております。

4.調査開始日及び調査方法
  (1) 調査開始日
    2020年1月25日

 (2) 調査方法
   ①開示資料等の確認
     本調査は、本件に関連する可能性のある会計資料、証票書類、各種会議体議事録、
    社内規程等の関連資料について、必要と認める範囲で確認を行った。

   ②インタビュー
     本委員会は、本件の行為者(以下Xとする。)、本件及びこれに付随する事情を
    知る可能性のある従業員のうち、本委員会が必要と認めた者並びに原因分析の観点
    から事情を聴取する必要があると認められる者に対し、インタビューを実施した。

第2部 調査結果

1.本件不正行為の発生原因の分析
   被買収会社㈱ブランドオフは非上場会社であり、業務管理体制が十分に構築されてい
  なかった。社内監査、内部統制の視点もほとんど無かった。海外子会社についても、人
  的リソースの問題からほぼ現地任せ、担当者任せになっていた。
   当該案件について具体的な状況は以下の通りである
  ・Xは入社以降10年間に亘って経理事務を担当していた。不正行為時は、香港子会社の
   経理責任者として、現地の経理事務全体を取り纏めるポジションにあった。
  ・経理業務の内、銀行送金や店舗間資金移動は現地からの連絡に基づいて㈱ブランド
   オフ本社(現 ㈱K-ブランドオフ)でオンライン処理を行っていた。香港事務所
   では、店舗からの指示に基づく買取用現金の配金、手元現金の管理、小口経費の
   諸払い事務等を処理していた。
  ・今回の横領が発覚した小口現金は行為者Xが単独で管理していた。小口現金用の金庫
   は常にXが管理する机の引出し内に格納し、休暇時においても鍵の引継ぎを行わな
   かった。

2.不正行為の概要
   Xが管理していた現金出納帳簿は「Wholesale」と「Office」の2種類あり、この内
  「Wholesale」は業者買取資金の出入りを記録するための備忘用として使用している。
  一方の「Office」は銀行からの出金現金の受入、店舗買取資金の配金、小口諸払の記帳
  用として使用され、いずれもXが単独で管理していた。事務所内には他にも営業用の現
  金が保管されているが管理者が異なり、現金実査においても残高の相違は無かった。
   Xは経理担当者としての立場を利用して単独で現金の横領を繰り返し行っていた。帳
  簿記帳に際しては、業者買取資金の出入り、銀行のステートメントや小口諸払の領収書
  等の証跡に基づいて記録を行い、書面上の齟齬が無いように帳簿を整えていた。

3.円貨ベースの損失発生金額
  ▲83,826,790円(2020年1月23日基準)・・・(A)

 【算出根拠】
   ①2020年1月23日の残置現金残高HKD738,061.9
   ②「Wholesale」と「Office」の帳簿残高HKD6,725,689.8
   ③同上差額▲HKD5,987,627.9・・・①マイナス②
     円貨換算ベースの金額=上記(A)
  なお、損害金額はアースタックス・ビジネスコンサルティング社により、客観的な視
 点で調査いただき算出しております。また、同社により現金以外の貸借対照表科目につ
 いても調査いただき、問題ない旨、報告を受けております。

4.当面の取組対応及び再発防止に向けた提言
 (1) BRAND OFF LIMITEDにおける業務運営体制の構築
    業務内容の洗出し及びプロセスの是正を早期に進めるとともに、業務運営面における
  当社の香港子会社との連携、グループ人材の投入も検討されたい。

 (2) K-ブランドオフグループの現金、現物の取扱いルール点検
    現行の運営状況を点検し、早期にルール見直しを進める必要がある。現金類の定期的
  な点検に加え、当社の本部人員等による抜き打ち監査の実施も検討が必要。

 (3) 役職員に対するコンプライアンス意識の徹底
    コンプライアンス研修計画を策定し、早期に具体化すること

 (4) グループ内部統制の構築
    グループ全般に亘る強固な内部統制の整備をすすめること

                                        以上