2764 ひらまつ 2021-10-28 16:00:00
東京証券取引所への「改善状況報告書」の提出に関するお知らせ [pdf]

                                             2021 年 10 月 28 日

各   位
                              会 社 名   株 式 会 社 ひ ら ま つ
                              代表者名    代表取締役社長兼 CEO 遠 藤 久
                                       (コード番号 2764 東証一部)
                              問合せ先    取 締 役 C F O 北 島 英 樹
                                         (TEL: 03 - 5793 - 8818)



        東京証券取引所への「改善状況報告書」の提出に関するお知らせ


当社は、2021 年4月 14 日提出の「改善報告書」について、有価証券上場規程第 503 条第1項の規定に
基づき、改善措置の実施状況及び運用状況を記載した「改善状況報告書」を、本日、別添のとおり提出い
たしましたので、お知らせいたします。


別添書類:改善状況報告書
                                                        以 上




                          1
               改 善 状 況 報 告 書
                                         2021 年 10 月 28 日


株式会社東京証券取引所
代表取締役社長 山道 裕己 殿




                              株式会社ひらまつ

                              代表取締役社長兼CEO 遠藤 久




 2021 年4月 14 日提出の改善報告書について、有価証券上場規程第 503 条第1項の規定に基づ
き、改善措置の実施状況及び運用状況を記載した改善状況報告書をここに提出いたします。




                          1
                            目次



I. 改善報告書の提出経緯 ...................................................... 3
1. 過年度決算訂正の内容...................................................... 3
2. 過年度決算短信等を訂正するに至った経緯 .................................... 6
(1) 発覚までの経緯等 ......................................................... 6
(2) 調査により判明した事実の概要等 ........................................... 6
(3) 過年度訂正の処理の内容 ................................................... 7
① 本件譲渡を売却取引処理せず固定資産として貸借対照表に計上し減損処理 ....... 7
② 店舗の固定資産の減損損失 ................................................. 7
③ ホテルの開発に係る業務委託料の費用処理 ................................... 7
④ 店舗で使用する備品の資産計上又は消耗品費 ................................. 7
3. 不適正開示の発生原因の分析................................................ 7
① X 氏に過度に依存した事業運営、経営陣の経営能力及び責任感の不足 ............ 8
② 経営陣に対するけん制の不足 ............................................... 8
③ 内部統制の不備(意思決定プロセスにおけるルールの欠如) ................... 9
II. 改善措置並びにその実施状況及び運用状況等 ................................ 10
1. 改善報告書記載の改善措置並びにその実施状況及び運用状況 ................... 10
① Y 社との各種業務委託契約の解約(上記3.①に対応) ........................ 10
② 新経営陣の招聘(上記3.①に対応) ....................................... 10
③ 役職員の意識改革と内部通報制度の見直し(上記3.①②に対応) ............. 10
④ 取締役会及び監査役会による監督機能の再設計(上記3.②に対応) ........... 12
⑤ ガバナンス委員会の強化(上記3.②に対応) ............................... 15
⑥ 監査役監査における定期的な確認(上記3.②に対応) ....................... 17
⑦ 内部統制・内部監査に係る組織体制の見直し(上記3.③に対応) ............. 17
⑧ 重要リスクの特定と対応(内部統制の整備と運用)及びモニタリングに係る全社的な
  体制・手法・プロセス(上記3.③に対応) .................................. 19
⑨ 購買・決算・財務報告プロセスの再設計 .................................... 21
⑩ 社内規程の見直しと運用システムの構築(上記3.③に対応) ................. 25
2. 改善措置の実施スケジュール............................................... 26
3. 改善措置の実施状況及び運用状況に対する上場会社の評価 ..................... 28




                                  2
I. 改善報告書の提出経緯


1. 過年度決算訂正の内容

    当社は、当社の創業者(以下「X 氏」といいます。)が経営する会社(以下「Y 社」といい
  ます。)から、当社が運営する複数のホテル開発の助言に関する業務並びに経営及びレスト
  ラン運営の助言等に関する業務委託契約に基づく業務委託報酬の支払請求、当社が Y 社との
  間で 2018 年 12 月 30 日付で締結した、当社による Y 社への京都所在の2つの店舗(「レスト
  ランひらまつ高台寺」及び「高台寺十牛庵」を指し、以下「京都2店舗」といいます。)の
  事業譲渡(以下「本件譲渡」といいます。)に関する事業譲渡契約書(以下「本件譲渡契約」
  といいます。)の解除に基づく原状回復としての譲渡代金の返還請求並びに当社との間で X
  氏保有の当社株式 200 万株を当社が取得することの合意があったとする株式譲渡代金請求に
  関し、2020 年9月4日付で Y 社より東京地方裁判所において訴訟を提起され、同年 10 月3日
  に訴状の送達を受けました(以下「本件訴訟」といいます。)。
    これを受け、当社は、これらの Y 社との取引の経緯等に関して、2020 年 10 月 23 日付で、
  当社と利害関係を有しない中立かつ公正な外部専門家のみで構成される外部調査委員会を設
  置し、当社と Y 社又はその関係者との間の各取引(以下「本件取引」といいます。)につい
  て調査(以下「本件調査」といいます。)を実施し、2020 年 12 月 25 日、Y 社に対する京都
  2店舗の建物を含む本件譲渡に伴い当該建物を当社の貸借対照表から除外した会計処理の妥
  当性等について外部調査委員会より調査報告書(以下「本報告書」といいます。)を受領し、
  2021 年1月 12 日に過年度の有価証券報告書等の訂正報告書の提出及び過年度の決算短信等
  の訂正をいたしました。訂正した過年度決算短信等及び業績への影響額については、以下の
  とおりです。

  【訂正した過年度決算短信】

  2020年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)
  (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
  2021年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
  (自 2020年4月1日 至 2020年6月30日)

  【訂正した過年度有価証券報告書】

  第   35   期(自   2016年4月1日   至   2017年3月31日)
  第   36   期(自   2017年4月1日   至   2018年3月31日)
  第   37   期(自   2018年4月1日   至   2019年3月31日)
  第   38   期(自   2019年4月1日   至   2020年3月31日)

  【訂正した過年度四半期報告書】

  第   36   期   第3四半期(自   2017年10月1日   至   2017年12月31日)
  第   37   期   第1四半期(自   2018年4月1日    至   2018年6月30日)
  第   37   期   第2四半期(自   2018年7月1日    至   2018年9月30日)
  第   37   期   第3四半期(自   2018年10月1日   至   2018年12月31日)
  第   38   期   第1四半期(自   2019年4月1日    至   2019年6月30日)
  第   38   期   第2四半期(自   2019年7月1日    至   2019年9月30日)
  第   38   期   第3四半期(自   2019年10月1日   至   2019年12月31日)
  第   39   期   第1四半期(自   2020年4月1日    至   2020年6月30日)




                                          3
     【過年度決算短信等の訂正による連結業績への影響額】
今回の訂正に伴う過年度の連結業績への影響額は、以下記載のとおりです。
                                                                    (単位:千円)
                        訂正前              訂正後          影響額            増減率
  会計年度          項目
                          (A)              (B)        (B-A)           (%)
             売上高        11,507,884       11,507,884        -              -
             営業利益        1,893,995        1,869,488   △24,506         △1.29%
     第35期    経常利益        1,911,907        1,887,401   △24,506         △1.28%
(2017年3月期)   親会社株主に帰属
                        1,115,017          966,740    △148,276        △13.30%
     通期      する当期純利益
             総資産        20,143,565       19,995,289   △148,276        △0.74%
             純資産         4,337,433        4,189,156   △148,276        △3.42%
             売上高         9,185,970        9,185,970         -             -
             営業利益        1,517,457        1,521,355      3,897         0.26%
    第36期     経常利益        1,520,406        1,524,304      3,897         0.26%
(2018年3月期)   親会社株主に帰属
                        1,035,346        1,038,051       2,704          0.26%
  第3四半期      する四半期純利益
             総資産        23,508,905       23,373,857   △135,048        △0.57%
             純資産        10,622,499       10,476,926   △145,572        △1.37%
             売上高        11,642,461       11,642,461         -             -
             営業利益        1,519,835        1,524,388      4,552         0.30%
    第36期     経常利益        1,521,284        1,525,837      4,552         0.30%
(2018年3月期)   親会社株主に帰属
                        1,066,066        1,024,402    △41,663         △3.91%
     通期      する当期純利益
             総資産        22,875,108       22,695,692   △179,416        △0.78%
             純資産        10,666,965       10,477,024   △189,940        △1.78%
             売上高         2,739,338        2,739,338         -             -
             営業利益          218,355          219,630      1,274         0.58%
    第37期     経常利益          230,191          231,465      1,274         0.55%
(2019年3月期)   親会社株主に帰属
                          148,619          149,503            884       0.59%
  第1四半期      する四半期純利益
             総資産        20,267,034       20,097,104   △169,930        △0.84%
             純資産         9,701,658        9,512,601   △189,056        △1.95%
             売上高         5,465,074        5,465,074         -             -
             営業利益          314,937          317,094      2,156         0.68%
    第37期     経常利益          330,025          332,182      2,156         0.65%
(2019年3月期)   親会社株主に帰属
                        △159,481          △33,213      126,267         79.17%
  第2四半期      する四半期純利益
             総資産        20,996,377       20,951,830   △44,546         △0.21%
             純資産         9,423,499        9,359,826   △63,672         △0.68%
             売上高         8,714,376        8,714,376        -              -
             営業利益          825,762          819,777   △5,985          △0.72%
    第37期     経常利益          743,308          737,323   △5,985          △0.81%
(2019年3月期)   親会社株主に帰属
                          120,778           47,133    △73,644         △60.98%
  第3四半期      する四半期純利益
             総資産        22,786,338       22,549,379   △236,959        △1.04%
             純資産         9,704,496        9,440,910   △263,585        △2.72%




                                     4
                          訂正前              訂正後         影響額        増減率
  会計年度          項目
                           (A)              (B)        (B-A)      (%)
             売上高         10,948,899       10,948,899        -          -
             営業利益           740,959          732,826    △8,132     △1.10%
    第37期     経常利益           663,490          653,775    △9,714     △1.46%
(2019年3月期)   親会社株主に帰属す
                             75,393            △838    △76,232    △101.11%
     通期      る当期純利益
             総資産         21,873,498       21,673,152   △200,345    △0.92%
             純資産          9,655,251        9,389,078   △266,172    △2.76%
             売上高          2,550,142        2,550,142         -         -
             営業利益            36,027           35,379      △647     △1.80%
    第38期     経常利益            20,473           19,825      △647     △3.16%
(2020年3月期)   親会社株主に帰属す
                              6,013            5,563      △449     △7.47%
  第1四半期      る四半期純利益
             総資産         20,500,172       20,337,319   △162,853    △0.79%
             純資産          9,534,298        9,267,676   △266,622    △2.80%
             売上高          5,004,512        5,004,512         -         -
             営業利益            50,398           49,211    △1,187     △2.36%
    第38期     経常利益            35,842           34,655    △1,187     △3.31%
(2020年3月期)   親会社株主に帰属す
                             11,213           10,390      △823     △7.35%
  第2四半期      る四半期純利益
             総資産         23,311,643       23,184,775   △126,867    △0.54%
             純資産          9,529,708        9,262,712   △266,996    △2.80%
             売上高          7,890,555        7,890,555         -         -
             営業利益           289,659          288,661      △997     △0.34%
    第38期     経常利益           264,013          263,015      △997     △0.38%
(2020年3月期)   親会社株主に帰属す
                         △1,411,724       △1,499,823   △88,098     △6.24%
  第3四半期      る四半期純利益
             総資産         21,830,608       21,652,826   △177,781    △0.81%
             純資産          8,116,391        7,762,120   △354,271    △4.36%
             売上高          9,887,175        9,887,175         -          -
             営業利益          △24,090          △49,279     △25,188   △104.56%
    第38期     経常利益          △39,451          △70,563     △31,112    △78.86%
(2020年3月期)   親会社株主に帰属す
                         △1,953,721       △2,097,115   △143,393    △7.34%
     通期      る当期純利益
             総資産         21,592,283       21,383,446   △208,837    △0.97%
             純資産          7,590,596        7,181,030   △409,566    △5.40%
             売上高            656,325          656,325         -         -
             営業利益         △671,356         △694,596     △23,239    △3.46%
    第39期     経常利益         △675,782         △699,022     △23,239    △3.44%
(2021年3月期)   親会社株主に帰属す
                         △1,364,677       △1,393,822   △29,144     △2.14%
  第1四半期      る四半期純利益
             総資産         23,043,357       22,786,604   △256,753    △1.11%
             純資産          6,182,895        5,744,183   △438,711    △7.10%




                                      5
2. 過年度決算短信等を訂正するに至った経緯

(1) 発覚までの経緯等

   当社は、2016 年7月以降、Y 社との間で、当社が運営する複数のホテル開発の助言に関す
  る業務並びに経営及びレストラン運営の助言等に関する業務委託契約を締結しておりました
  が、2019 年 12 月、Y 社に対し、一連の業務委託契約につき 2020 年3月末をもって解約する
  旨通知しました。かかる通知以降、Y 社との間で、同契約に基づく未払い報酬債権の存否及び
  当社との間で X 氏保有の当社株式 200 万株を当社が取得することの合意の有無等について協
  議を行っておりました。
   当社は、本件譲渡及び本件譲渡契約と同日に締結された2つの業務委託契約(以下「本件
  業務委託契約」といいます。)を含む Y 社との取引の経緯を含めた妥当性の検証を、2020 年
  6月 26 日に就任した当社代表取締役社長兼 CEO 及び取締役 CFO(以下「新経営陣」といいま
  す。)主導の下、当社内部で進めて参りましたが、本件訴訟が提起されたこと等も踏まえ、
  より独立性を高めた調査を行うために、2020 年 10 月 23 日付で、当社と利害関係を有しない
  中立かつ公正な外部専門家のみで構成される外部調査委員会を設置することといたしました。

(2) 調査により判明した事実の概要等

    当社では、2017 年1月 26 日付で、代表取締役2名と社外取締役3名で構成されるガバナン
  ス委員会を設置し、Y 社を含む関連当事者との取引などについてガバナンス委員会で審議し、
  取締役会に対して答申等を行う運用としておりました。しかしながら、ガバナンス委員会の
  設置に係る社内規程は制定されておらず、社内における位置付けは曖昧でした。本件譲渡の
  対象となった京都2店舗は 2017 年9月の開業以来赤字が継続しており、赤字が継続した場合、
  将来において減損損失の計上が必要となる可能性がある中、本件譲渡当時の当社経営陣(当
  時の代表取締役社長陣内孝也及び同副社長服部亮人を指し、以下「当社旧経営陣」といいま
  す。)は、減損損失の計上回避を含む当社の損益改善のため京都2店舗を簿価譲渡すること
  とし、2018 年 12 月 30 日付で、Y 社との間で本件譲渡契約を締結しました。本件譲渡は、2018
  年 12 月 19 日に開催された取締役会において、ガバナンス委員会における検証を経ることを
  条件として承認されていますが、本件譲渡契約はガバナンス委員会の承認前に締結されてい
  ました。
    当社旧経営陣は、本件譲渡に係る代金の支払原資の供与という当社旧経営陣の目的により、
  2018 年 12 月 30 日付で、Y 社との間で、新規ホテル開業に際しての基本コンセプトのデザイ
  ンや総合監修業務等を Y 社に対して委託すること、及び、新規ホテル開業に際してのホテル
  オペレーションの構築業務及びそれらの総合監修業務等を Y 社に対して委託することを内容
  とする、本件業務委託契約を締結しましたが、同契約については、ガバナンス委員会での検
  討及び取締役会での承認の手続は採られませんでした。また、当社旧経営陣において、本件
  業務委託契約につき、業務の実態に見合った金額か否かの検討を行わないまま、業務委託報
  酬を定めた経緯がありました。なお、かかる本件業務委託契約締結の経緯については、会計
  監査人には開示されておりませんでした。その後、2019 年1月下旬頃になって、当社旧経営
  陣は、本件業務委託契約について、ガバナンス委員会の委員に個別に説明をしましたが、委
  員から、反対の意思が表明され、その結果、ガバナンス委員会において、本件業務委託契約
  について承認が得られませんでした。なお、当該事実はガバナンス委員会議事録には記載さ
  れていません。
    当社旧経営陣は、Y 社との間で、本件譲渡の代金を将来的に条件付きで 280 百万円減額する
  旨の覚書(以下「本件覚書」といいます。)も 2018 年 12 月 30 日付で締結しておりましたが、
  本件覚書につき、上記の 2018 年 12 月 19 日付で開催された取締役会において説明もされてお
  らず、ガバナンス委員会及び取締役会における承認等の手続も採られておりませんでした。
  また、当社旧経営陣は、本件覚書の存在を会計監査人に開示しておらず、本件覚書の存在を
  秘匿して財務諸表を作成した経緯もあったことが判明いたしました。当社は、これらを含む



                            6
  本件調査の結果も踏まえ、本件譲渡を売却取引として会計処理した点において当社旧経営陣
  による不正な財務報告があったと認識しております。当社としては、本件調査の結果も踏ま
  え、会計上正当な売却取引があったとは認められないことから、本件譲渡については売却取
  引として会計処理するのは適切ではないと判断しました。さらに、会計監査人から固定資産
  の減損の兆候判定において使用する各店舗の損益の算定にあたって実施されている店舗間の
  費用の振替に関する質問を受けて追加社内調査を実施した結果、閉店済みの名古屋及び福岡
  の2店舗について閉店前の会計期間において人件費の不正な振替が行われており、店舗に係
  る固定資産の減損を回避していることが判明いたしました。

(3) 過年度訂正の処理の内容

  ①   本件譲渡を売却取引処理せず固定資産として貸借対照表に計上し減損処理

   当社は、当社旧経営陣が本件覚書の存在を会計監査人に秘匿して財務諸表を作成した経緯
  等に照らして、当社旧経営陣による不正な財務報告があったと認識しており、その結果とし
  て、2019 年3月期に係る財務諸表において、本件譲渡を売却取引処理せず、当社の固定資産
  として貸借対照表に計上(金 1,200 百万円)したうえで、回収可能価額まで減損処理する訂
  正を行いました。

  ②   店舗の固定資産の減損損失

   固定資産の減損の兆候判定において使用する各店舗の損益の算定を訂正し、閉店済みの名
  古屋及び福岡の2店舗の減損損失計上時期を、名古屋の店舗につき 2018 年3月期から 2017
  年3月期に、福岡の店舗につき 2019 年3月期から 2018 年3月期にそれぞれ修正し、その後
  の減価償却費の計上等を訂正いたしました。

  ③   ホテルの開発に係る業務委託料の費用処理

   2017 年3月期第2四半期において、THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 賢島につき Y 社との
  間で締結した業務委託契約に関し、2016 年9月における業務委託報酬(支出額 25 百万円)
  が建設仮勘定として資産計上されていましたが、当該業務委託報酬の支払は業務実施時に費
  用処理を行うべきであることが確認されましたので、訂正を行いました。

  ④   店舗で使用する備品の資産計上又は消耗品費

   レストランひらまつ高台寺等で使用されている和食器は、2017 年9月以降、順次納品され、
  納品後店舗にて使用を開始したものの、本来であれば、納品の都度、什器備品として資産計
  上又は消耗品費として会計処理すべきであるところ、2020 年4月に資産計上(計金 19 百万
  円)して会計処理をしておりましたので、当該会計処理を納品の時期に行うこととして、訂
  正を行いました。


3. 不適正開示の発生原因の分析

   当社は、X 氏が 1983 年6月に設立した有限会社ひらまつ亭(以下「ひらまつ亭」といいま
  す。)をその前身とする企業です。ひらまつ亭は 1994 年 12 月に株式会社である当社へと組
  織変更しておりますが、X 氏は、ひらまつ亭設立から 2016 年6月 24 日付当社第 34 期定時株
  主総会終結の時まで、長年に亘り、当社の代表取締役社長を務めておりました。また、X 氏
  は、当社の株式を 2020 年3月時点で 12.16%保有する当社の大株主でもありました。




                                 7
 一方、X 氏に依存していた当社において、当社旧経営陣は、X 氏が当社の代表取締役社長を
退任して当社の経営を引き継ぐまで、経営判断に係る経験を十分に積んでおらず、経営者と
しての資質が不足していたと考えております。
 本件の不適正開示は、本件譲渡に係る会計処理に関し、当社旧経営陣による不正な財務報
告があったことに起因して、本件譲渡を売却取引処理せず、当社の固定資産として貸借対照
表に計上(金 1,200 百万円)することとし、2019 年3月期に係る財務諸表等の訂正に至っ
たものですが、当該訂正に至った原因としては、まず、当社旧経営陣において、上述の経営
者としての資質が不足していたため、適正な財務諸表を作成し、上場会社として投資家に適
切な開示を行うとの根本的な原則の重要性への意識が欠如していたことが挙げられます。次
に、かかる当社旧経営陣の行為を抑止・監視するためのルールが整備されておらず、本来で
あれば、取締役会、監査役会及びガバナンス委員会での審議や決議による牽制機能をもって、
当社旧経営陣による逸脱行為を未然に抑止・防止すべきところ、当該機能が十分に働いてい
なかったことも、本件の不適正開示の原因になったと考えています。

 以下では、不適正開示の原因となった本件譲渡に至る当社旧経営陣の問題点の分析と、こ
れを監視・モニタリングする牽制機能を定めたルールの欠如の点について整理いたします。

①   X氏に過度に依存した事業運営、経営陣の経営能力及び責任感の不足

 当社旧経営陣は、経営判断に係る経験を十分に積んでいなかったため、店舗開発や人材育
成のほか会社経営自体についても、当社には X 氏退任後の当社の経営を担うに足りる者が存
在しなかったことが本件の根本的な背景要因であったと認識しております。当社旧経営陣は、
上場会社の役員としての十分な経験や知識を有しておらず、また、ガバナンスやコンプライ
アンスに関する意識や知識も乏しかったことから、本件譲渡の当時行われようとしているこ
との適否や合法性の確認を十分行っておりませんでした。
 また、当社従業員の多くは当社と Y 社がそれぞれ独立した企業であることの意識が希薄で
した。加えて、Y 社との取引は、独立の企業間の取引であるにも拘らず、当社旧経営陣は、独
立の企業間で通常行うべき条件交渉を行う意識も希薄でした。当社旧経営陣及び役職員が会
社経営を真剣に考える意識や責任感がなかったこと、また持続的な成長のための経営者の経
営能力の醸成が行われていなかったことが真因であると認識しています。

②   経営陣に対するけん制の不足

 経営トップである当社旧経営陣が、当社の意思決定機関である取締役会やガバナンス委員
会に対して、関連当事者との契約の一部を意図的に上程しないという取扱いを行っていまし
た。当社としては、上記のような当社旧経営陣による逸脱行為の結果、ガバナンス委員会や
取締役会における監督機能が無効化されていたことが本件の不適正開示を生じさせた原因の
一つであると認識しています。
 取締役会の運営についても、明確な組織図が存在しなかったことから、事務局を当時の執
行役員1名が兼務で行っていた状況で、取締役会資料の質の向上や提出の早期化及び取締役
会の運営の適正化がなされず、社外取締役を含む取締役会による監督機能が十分に果たされ
ていたとはいえない面がありました。
 ガバナンス委員会についても、取締役会と同様の問題が生じていました。加えて、ガバナ
ンス委員会の目的に照らした適正な人員構成が検討されておらず、実質的に取締役会と同一
の人員構成となっており、実益のある審議がなされる体制が十分に担保されていませんでし
た。
 監査役会についても、常勤監査役に監査に係る知見が不足していたことにより、利益相反
行為に対する牽制機能が不十分となっていました。




                       8
③   内部統制の不備(意思決定プロセスにおけるルールの欠如)

 本件取引当時の当社の決裁権限は、2010 年当時に制定した社内規程が改訂されておらず、
必ずしも規程と実態が合致していなかった結果、明確なルールに基づく事業運営が行われて
おりませんでした。
 また、明確な組織図もなく、当社職員において自己の上司が不明確であったことや、1万
円以上の取引に係る案件が全て代表取締役社長決裁であったことにより、決裁手続の遅延が
発生し、その結果、事後稟議が常態化していた等、経営の意思決定プロセスが適切に履践さ
れていなかった上、それに対する監督機能も十分に働いていなかったことから、関連当事者
との取引における内部統制システムの欠陥が生じていたものと認識しています。
 さらに、財務諸表を作成しそれを開示に反映させるプロセスについても、事後的に会計仕
訳を入れることが可能であり、その仕訳の作成・承認の経緯が判明しない業務プロセスでの
運用がなされており、恣意的な会計操作が容易に発見されづらいとの問題が生じていました。




                      9
II. 改善措置並びにその実施状況及び運用状況等


1. 改善報告書記載の改善措置並びにその実施状況及び運用状況

  ①   Y社との各種業務委託契約の解約(上記3.①に対応)

  【改善報告書に記載した改善策】
   当社は、Y社との取引解約を含む取引条件の検討のため、2019年12月に社内プロジェクトを
  組成し、検討を進めた結果、同月、Y社との各種業務委託契約を解約することとし、その旨を
  通知しました。
   上記通知以降、当社及びY社間の協議を経て本件訴訟に至りましたが、本件訴訟について
  は、2021年3月1日付で和解が成立し、Y社から当社への京都2店舗に関する事業(不動産及
  び動産を含む。)の返還及び当社がY社に対して金1億7000万円を支払うこと等を合意し、円
  満に当事者間の紛争が解決しております。

  【実施・運用状況】
   改善報告書に記載のとおり、2021 年4月 14 日の改善報告書提出時点までに、Y 社との各種
  業務委託契約を解約し、Y 社との間の紛争は解決しております。また、Y 社との間で過去に存
  在していた取引関係を精査し、当社フランス現地法人(HIRAMATSU EUROPE EXPORT SARL)か
  ら Y 社に対するワインの輸出取引等を除き、Y 社との既存の取引関係を解消いたしました。

  ②   新経営陣の招聘(上記3.①に対応)

  【改善報告書に記載した改善策】
   当社旧経営陣は、自らの経営能力の不足を認識し、当社が再建していくためには、経営陣
  の刷新が避けて通れないと判断し、自らは退任することとし、株式会社クイーンズ伊勢丹の
  再建等で実績のある遠藤久を代表取締役社長兼CEOとして、タリーズコーヒージャパン株式会
  社の代表取締役として経営経験のある北島英樹を取締役CFOとして招聘し、2020年6月に開催
  された当社の定時株主総会において、経営陣の刷新を図りました。

  【実施・運用状況】
   改善報告書に記載のとおり、2020 年6月の定時株主総会において、経営陣の刷新を図って
  おり、現在に至るまで同経営陣において、以下の改善措置の実施及び運用を行っております。

  ③   役職員の意識改革と内部通報制度の見直し(上記3.①②に対応)

   ア. 内部通報制度の見直し・周知
  【改善報告書に記載した改善策】
   新経営陣の取締役就任直後の2020年7月に全役職員に対して、コンプライアンス重視の経
  営姿勢を明確にする旨の宣言を行い、内部通報制度の再周知を行いました。
   なお、内部通報制度は、一般的なハラスメント・苦情等の防止を主な目的として設計して
  いたことから、取締役CFO、人事部及び法務部に窓口を置いておりましたが、会計不正や不適
  正開示に係る通報の実効性を高めるため2021年5月より外部弁護士も窓口に追加し、改めて
  周知を行う予定です。

  【実施・運用状況】
   2021 年5月より、内部通報窓口として、取締役 CFO、人事部及び法務部に加え、会計不正
  や不適正開示に係る通報の実効性をより高めるため、外部弁護士である布村浩之弁護士(熊




                             10
谷綜合法律事務所)を内部通報の外部窓口として追加し、2021 年4月 20 日付でその旨を全社
に通達いたしました。

 イ. 研修
【改善報告書に記載した改善策】
 当社による各種研修については、現在人事制度(等級制度、評価制度、及び報酬制度)の
改訂を2022年4月までに完了できるように進めており、この中で人材開発制度を設け、階層
別教育として、コンプライアンス研修を全社の人材開発計画に組み込む予定となっていま
す。
 また、2021年3月26日の取締役会において、取締役会・監査役会、内部統制推進体制・業
務プロセス等の再設計内容を踏まえ、役員・管理職・各部門従業員等の関係者全員に対し、
内部統制に係る継続的な知識・スキル・意識の獲得・向上のための教育・コミュニケーショ
ン計画の策定を決議いたしました。かかる教育・コミュニケーション計画の一環として、再
発防止研修を実施します。なお、再発防止研修は、前述の人材開発計画に盛り込み、階層別
教育として継続的に実施する予定です。

【実施・運用状況】
 2021 年4月、改善報告書に記載した再発防止研修を管理職及び本社職員向けにオンライン
で4回に分けて実施し、その後、同年5月より当該研修内容を要約した動画を全職員に向け
て配信し、同年6月には、全職員が e-learning 方式での受講を完了しました。
 現在、階層別研修体系の構築を実施しており、当該再発防止策研修の内容を、内部統制に
関する研修として人材開発計画に組み込み、2022 年以降も継続的に、毎年4月~5月に実施
する予定です。
 なお、コンプライアンス研修としては、2021 年9月にハラスメント研修を実施し、確認テ
ストにより研修参加者の習熟を確認しています。

 ウ. 当社幹部の教育・育成
【改善報告書に記載した改善策】
 2020年7月に、部長職以上の経営幹部を集めて2日間の経営合宿を行い、企業文化、安
全、危機管理、法令順守、モラル並びに役割及び責任についての研修を実施しました。ま
た、これに引き続き、2020年7月、コーポレート本部所属の全社員を対象にコーポレート合
宿を行い、決算作業の早期確定化に向けた課題の確認、勤務時間を含む働き方の在り方その
他のコンプライアンス問題を含む当社の重要な経営課題についての研修を実施しました。経
営合宿及びコーポレート合宿は、定期的に開催されることが定まっているものではありませ
んが、重要な課題が生じた場合には今後も開催する方針です。
 また、2021年2月以降、本社部長職以上の経営幹部によるマネジメント会議を隔週で開催
し、不適正開示の原因や再発防止策の検討その他内部統制を含む経営課題を経営幹部自ら検
討する場も設けており、内部統制の改善に向けた意識の共有を継続させるために、今後も同
様に開催する方針です。

【実施・運用状況】
 2020 年に続き、2021 年においても、以下の日程で経営合宿を開催し、中期経営計画の遂行
に係る経営課題の共有・討議の場を設けています。

 第1回   2021 年7月 29 日(木)
 第2回   2021 年8月 13 日(金)
 第3回   2021 年8月 26 日(木)
 第4回   2021 年9月7日(火)




                          11
 また、引き続き、本社部長以上の役職者を参加対象者とする隔週のマネジメント会議にて
内部統制を含む、人事施策や組織・会議体、情報管理体制の構築や、中期経営計画の推進な
ど経営に関する重要事項の討議、共有や業績報告などの場を設けています。
 そのほか、コーポレート部門においては、毎週部長以上の参加者を対象者として部長会を
開催し、また、毎月コーポレート部門全スタッフを参加対象者として、コーポレート本部会
議を開催し、内部統制強化を含む危機管理活動の進捗状況や経営戦略、資本政策等の課題に
関してマネジメントが認識する問題意識の当社全体への共有を行っています。

 エ. 双方向コミュニケーション
【改善報告書に記載した改善策】
 代表取締役社長兼CEOが、店舗管理職及び本社スタッフに対して定期的に内部統制の重要性
を浸透させるため、2020年7月より2021年2月にかけては、全店舗を訪問しての双方向コミ
ュニケーションを、また、2021年2月以降は、月2回の全店をTV会議システムで接続した
全社朝礼を実施しています。

【実施・運用状況】
 代表取締役社長兼 CEO の店舗訪問は、2021 年3月以降も各店舗に対し原則半年に一度実施
することとし、逐次実施しています。また、全社朝礼を原則として隔週で実施し、ミッショ
ン・ビジョンの浸透や業績推進状況、業務改善等の課題や基本方針につき全職員へ周知を行
っております。
 さらに、経営陣の認識する重要課題を、全社に遅滞なく浸透させることができる体制構築
を目的に、各事業をエリア分け(例えばレストラン事業部であれば、ブランド及び地域によ
って4つのエリアに分割)したうえで、シェフ・支配人より選抜された者を各エリアのコミ
ュニケーションリーダーとしています。コミュニケーションリーダーは ACL(エリアコミュニ
ケーションリーダー会議)等を通して、全社方針や重要な政策の周知徹底を行い、当社の重
要課題を、エリア内のメンバーに浸透させる活動を行っています。
 このようなコミュニケーションの結果、当社従業員が自発的に当社の業務運営にも取り組
む姿勢が現れてきており、当社従業員からの発信として、当社の各店舗が共同して共通の企
画を実施する取り組み「RIPPLE」(2021 年9月度は「くまもとあか牛と山の恵み」)が実行
されており、かかる双方向コミュニケーションを目指した施策の効果が着実に浸透し始めて
おります。

④   取締役会及び監査役会による監督機能の再設計(上記3.②に対応)

 ア. 取締役会への付議議題の明確化
【改善報告書に記載した改善策】
 取締役会において、重要な意思決定や主要な経営指標のモニタリングが適時適切に実施さ
れるよう、取締役会に付議されるべき議題・プロセスを明確化し、これらを明確化したコー
ポレートカレンダーを作成することにより、重要な議案の上程・決議の抜け漏れを防止する
ことにいたしました。
 具体的には、中期経営計画、決算、人事、危機管理、ガバナンス、定例報告等、取締役会
が取締役の業務執行の監督を行うために必要な議案について、いつの取締役会でこれを付議
するかを明確にいたしました。
 当社は、既に、コーポレートカレンダーを 2021 年3月に制定して、これに基づく運用を実
施しております。

【実施・運用状況】
 2021 年3月より、制定したコーポレートカレンダーに沿って、各月で審議すべき事項を取
締役会に付議しています。



                       12
 ただし、コーポレートカレンダーでは毎年5月に予算策定及び当該予算の承認に係る取締
役会を開催する予定であったところ、コロナ禍において外部環境を十分評価することができ
ず、マーケティング施策の方針決定及び予算の策定に至らなかったことから、2021 年8月度
取締役会において、予算策定までの暫定的マーケティング方針とそれに基づくマーケティン
グ予算の議案を付議しております。

 イ. 取締役会の人員構成の見直し
【改善報告書に記載した改善策】
 取締役会の人員構成につき、半々となっていた社内取締役及び社外取締役の構成比率(た
だし、2021 年3月 26 日付で中谷一則が取締役を辞任したことにより、社内取締役が欠員状態
となり、2021 年4月 14 時点で、社外取締役が過半数となっていました。)を見直し、当社
は、2021 年2月 26 日開催の取締役会に、社外取締役が過半数となるよう変更することによ
り、監督機能の強化を図ることを報告し、同年3月 26 日開催の取締役会において決定いたし
ました。当該決定に基づき、2021 年3月期に関する定時株主総会(2021 年6月開催予定)に
おいて、社外取締役を追加選任することにより対応する予定です。
 また、取締役会の議論の活性化のため、適正な取締役会の構成を事前に明確化した上で取
締役・監査役候補者の選任を行うよう、取締役・監査役候補者指名プロセスの変更を行うこ
とを決定いたしました。具体的には、後述⑤イ.をご覧ください。

【実施・運用状況】
 2021 年5月 28 日開催の取締役会において、上場会社を含む複数の外食企業での社外取締役
の経験を有する江連裕子氏(以下「江連氏」といいます。)を取締役候補者として選任し、
その後6月 28 日開催の定時株主総会にて株主の皆さまにご承認いただき、江連氏を独立社外
取締役として追加選任いたしました。
 なお、上記江連氏の取締役候補者としての指名プロセスは、後述⑤イ.のとおり、ガバナ
ンス委員会において審議し取締役会において決定した取締役会構成及び取締役の選任基準に
沿う複数の取締役候補者を代表取締役社長兼 CEO が選定し、候補者の同基準への適合性など
につきガバナンス委員会が議論し、その結果を取締役会に答申したうえで、取締役会でその
答申内容を踏まえて候補者を指名し、株主総会に付議しております。
 ただし、2021 年8月 27 日付「社外取締役の辞任に関するお知らせ」のとおり、江連氏の一
身上の都合により、江連氏から取締役辞任の意向が示され、江連氏は9月 15 日をもって当社
取締役を辞任し、また、アドバンテッジアドバイザーズ株式会社(以下「アドバンテッジア
ドバイザーズ」といいます。)との業務提携が8月 30 日に終了したことから、アドバンテッ
ジアドバイザーズから当社の経営を支援する目的で就任していた社外取締役の古川徳厚氏も、
9月 15 日に辞任いたしました。その結果、本日現在、当社取締役4名のうち社外取締役が2
名となっており、現時点では、上記の取締役人員構成において社外取締役を過半数とする点
を満たしておりません。
 当社は、かかる事態を速やかに解消すべく、2021 年 11 月 29 日に、臨時株主総会を開催し
て、社外取締役1名の選任決議を行うことを予定しています。なお、当該社外取締役候補者
については、2021 年7月 16 日開催の取締役会において決議した株式会社マルハン太平洋クラ
ブインベストメント(以下「マルハン太平洋クラブインベストメント」といいます。)及び
株式会社太平洋クラブ(以下「太平洋クラブ」といい、両社を併せて「本割当先」といいま
す。)を割当先とする第三者割当の方法による普通株式(以下「本普通株式」といいます。)
の発行、並びにマルハン太平洋クラブインベストメントを割当先とする第7回新株予約権
(以下「本新株予約権」といいます。)の発行に際して当社及び本割当先間で締結した業務
提携契約に基づき、本割当先が指名する者最大4名を当社の取締役候補者として会社提案に
含めて上程することを請求することができるとされております。ただし、同契約では、本割
当先は、改善報告書記載の取締役会の構成(社外取締役が過半数を構成すること)につき配
慮するものとされています。




                       13
 この点、当社は、本割当先との間で、2021 年9月以降、当社が制定した再発防止策の継続
的な実施の必要性やガバナンスの基本方針、取締役会の構成及び取締役に求められる資質等
につきスキルマトリクス等を用いて議論し、当社の業務執行取締役の監督機能等のガバナン
スの強化のため必要となる取締役選任基準を改めて設定し、本割当先に取締役候補の推薦を
依頼し、今般、本割当先より以下の者の推薦を受けました。当該取締役候補者については、
後述⑤イ.に記載のとおり、ガバナンス委員会で取締役構成・選任基準に照らした相当性の諮
問を行い、当該候補者について、当該相当性を有する旨のガバナンス委員会の答申に基づき、
取締役会で承認されました。

   氏名
                                       略歴
 (生年月日)
             1989 年3月      中央大学 商学部経営学科 卒業
             1989 年4月      信用組合大阪興銀入社
             1991 年9月      株式会社マルハン入社 取締役
             2001 年 12 月   株式会社アミューズキャスト 代表取締役
                           株式会社エムフーズ(現株式会社マルハンダイニング)
             2003 年4月
                           代表取締役社長
 韓
  はん   しゅん
       俊     2004 年2月      株式会社エムエムインターナショナル 代表取締役社長
(1965 年7月    2008 年 6 月    株式会社マルハン 取締役副社長 営業本部長
 22 日生)      2013 年7月      株式会社世界韓商ドリームアイランド 代表取締役社長
             2013 年7月      株式会社 TOKYO 六区 CITY 代表取締役社長
             2013 年 10 月   株式会社太平洋クラブ 代表取締役社長(現任)
             2020 年7月      株式会社マルハン 代表取締役
                           株式会社マルハン 代表取締役 北日本カンパニー社長
             2021 年4月
                           (現任)
             2021 年5月      株式会社金乃台 代表取締役(現任)

  なお、当社としては、現時点で必要とされるスキルマトリクスに基づく取締役会構成に、
COO(Chief Operating Officer)や独立社外取締役等の補充が必要と考えられるため、後述
⑤イ.に記載の取締役選任のプロセスに従い、外部登用、社内昇格等を含め最適な取締役候補
を選定の上、2022 年6月に開催予定の 2022 年3月期定時株主総会で選任する予定としていま
す。その際は、COO と独立社外取締役に対して会社が期待する知見、スキルには差異があるた
め、取締役選任基準は、今回設定した取締役選任基準のうち、普遍的な選任基準に、スキル
マトリクス分析を用いて、個々の取締役(例えば COO)に期待する役割に関する事項を追加す
る予定です。

ウ. 取締役会事務局の新設
【改善報告書に記載した改善策】
 従来は、法務部内に設置していた取締役会事務局を経営戦略部(※)に移管して、取締
役会事務局機能を強化することといたしました。
まず、取締役会事務局を経営計画に関する事項を所管する経営戦略部に移管することによ
り、経営に近い立場で取締役会を機動的に運営することを可能にしました。また、従前
は、取締役会事務局の担当は実質的に1名(前執行役員で、現法務部職員)であったのに
対して、室長以下3名の経営戦略部の体制の下、事務局機能の人的リソースを確保・強化
いたしました。
 これらの取締役会事務局機能の強化策は、2021 年4月より実施しております。




                                  14
※   なお、改善報告書の提出時点では、経営戦略室でしたが、本書の時点では、経営戦略
    部となっております。

【実施・運用状況】
 2021 年4月より、経営戦略部において、3名体制で取締役会事務局を運営しておりました
が、5月1日、組織・業務分掌規程を改訂し、経営戦略部を経営戦略本部に格上げし、配下
にマーケティング部と経営戦略部を配置する組織変更を行いました。取締役会事務局業務
(取締役会議案の集約、取締役会招集通知及び議案の送付、取締役会議事録の作成・管理)
を経営戦略本部から経営戦略部に移管した上、追加で1名の人員を経営戦略部に配置し、取
締役会事務局業務を行っております。
 なお、経営戦略部長が8月 30 日に退職したため、経営戦略本部長が同年9月1日より部長
を兼任しておりますが、同部長以下3名の体制を維持しております。引き続き、経営戦略部
における取締役会事務局機能の強化に向けて、内部異動や外部登用等を推進してまいります。

⑤   ガバナンス委員会の強化(上記3.②に対応)

 ア. ガバナンス委員会の人員構成の見直し
【改善報告書に記載した改善策】
 従前ガバナンス委員会は、社内規程では制定しておりませんでしたが、関連当事者間取引
などについて審議し、取締役会に対して答申等を行う組織として組成し、2020 年6月以前
は、代表取締役2名と社外取締役3名で構成され、2020 年7月以降は代表取締役社長兼 CEO
及び取締役 CFO 並びに社外取締役で構成されており、委員長は代表取締役社長兼 CEO が務め
ていました。
 かかるガバナンス委員会の人員構成を 2021 年3月期に係る定時株主総会終結時から変更
し、独立社外取締役及び代表取締役社長兼 CEO がガバナンス委員会を構成し、委員長を独立
社外取締役とすること、オブザーバーとして独立社外監査役及び社外有識者を参画させるこ
とにより、ガバナンス委員会による監督機能を強化することにいたしました。
 なお、上記人員構成や組織上の位置付けは、2021 年3月にガバナンス委員会規程を制定す
ることで明文化しております。

【実施・運用状況】
 2021 年6月 28 日開催の定時株主総会において選任された江連氏を、同日、独立社外取締役
として、ガバナンス委員会の委員に指名し、2021 年3月 26 日に制定したガバナンス委員会規
程に基づき、次のとおりガバナンス委員会の構成を変更しました。
 委員長         熊谷取締役(独立社外取締役)
 委員          遠藤代表取締役社長兼 CEO
             江連取締役(独立社外取締役)
 オブザーバー 中原弁護士(ほくと総合法律事務所)
             桑原監査役、唐澤監査役、岩田監査役

 一方、江連氏が 2021 年9月 15 日をもって当社取締役を辞任いたしましたが、独立社外取
締役の選任には一定の時間が必要となることから、ガバナンス委員会の実効性を担保するた
めに、オブザーバーであった外部弁護士の中原弁護士をガバナンス委員とすることといたし
ました。これに伴い、8月 27 日にガバナンス委員会規程を改訂し、同日、熊谷委員長の指名
により、中原弁護士がガバナンス委員に就任しております。
 これにより、現時点において社外有識者であるオブザーバーはおりませんが、同弁護士が
委員として同委員会の審議に参加しており、従前同様の内部統制体制は構築されております。
 なお、2022 年6月に開催予定の 2022 年3月期定時株主総会において、独立社外取締役を 1
名追加選任したうえで、ガバナンス委員に追加選任する予定です。




                       15
 イ. ガバナンス委員会の諮問事項の追加
【改善報告書に記載した改善策】
 従前のガバナンス委員会の諮問事項は、関連当事者間取引などの取引に限られていたとこ
ろ、ガバナンス委員会の諮問事項に、取締役及び監査役候補者の指名並びに取締役の報酬プ
ロセスを検討する役割を 2021 年4月から追加し、取締役の選解任プロセスの透明性確保に向
けてガバナンス委員会の役割を強化いたしました。
 まず、取締役・監査役の候補者指名プロセスについては代表取締役社長兼 CEO の諮問によ
り、ガバナンス委員会が取締役及び監査役の選任基準の合理性を審議し、取締役会に対して
答申し、取締役会は、この答申を受けて、適正な取締役構成や各取締役・監査役に求められ
る資質・要件を決定します。
 代表取締役社長兼 CEO は、取締役会が決定した適正な取締役構成を充足する取締役・監査
役候補者を選定して、ガバナンス委員会に諮問し、ガバナンス委員会で上記選任基準に照ら
し相当であるか、独立役員として選任される者については、東京証券取引所が定める上場規
則等に定める独立役員としての要件を充足するか等の観点から、取締役・監査役の各候補者
の適性を審査し、取締役会に答申します。
 そのうえで、取締役会は、ガバナンス委員会の答申を受けて、取締役・監査役候補者を決
定し、株主総会に付議することといたします。
 なお、監査役については、監査役候補者の決定に先立ち、監査役会の同意を求めることと
しています。
 当該取締役・監査役候補者指名プロセスは、2021 年6月開催の定時株主総会における取締
役・監査役の選任議案の策定から運用いたします。
 続いて、取締役の報酬プロセスに関しては、代表取締役社長兼 CEO が取締役の報酬基準
(取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針を含みます。)を策定し、ガ
バナンス委員会での審議を求め、同委員会において、当該基準の合理性の審議(取締役の選
任基準との整合性、他社報酬動向との比較検討、当社の業績との整合性及び当社の従業員給
与水準との整合性)を行って取締役会に答申し、取締役会は、これを受け当該報酬基準を決
議するものとします。
 当該取締役の報酬プロセスは、2021 年6月開催の定時株主総会後から運用いたします。

【実施・運用状況】
 改善報告書記載の取締役の候補者指名プロセス及び取締役の報酬基準に関し、代表取締役
社長兼 CEO の諮問を受けて、次のとおりガバナンス委員会にて事前に審議・答申を行い、取
締役会にて、その答申に基づき決定しています。

   開催日                           諮問・決定事項
                ガバナンス委員会において、取締役会構成及び取締役選任基準の合理
2021 年4月 23 日
                性を審議・答申
2021 年4月 23 日   取締役会において、取締役会構成及び取締役選任基準の決定
                ガバナンス委員会において、取締役会構成・取締役の選任基準に照ら
2021 年5月 14 日   し、江連氏を含む複数の候補者につき相当性及び独立役員としての適
                当性等の審議・答申
2021 年5月 28 日   取締役会において、江連氏を取締役候補者として決定
2021 年6月 28 日   ガバナンス委員会において、取締役の報酬基準の合理性を審議・答申
2021 年6月 28 日   取締役会において、取締役の報酬基準の決定
                ガバナンス委員会において、2021 年 11 月開催予定の臨時株主総会に
 2021 年9月
                付議予定の取締役に関して、取締役会構成・取締役の選任基準の審
 (書面決議)
                議・答申




                            16
                 ガバナンス委員会において、2021 年 11 月開催予定の臨時株主総会に
 2021 年 10 月4日   付議予定の取締役候補者につき、取締役会構成・取締役の選任基準に
                 照らした相当性の審議・答申
                 取締役会において、ガバナンス委員会の答申に基づく取締役候補者の
2021 年 10 月 22 日
                 決議及び臨時株主総会の招集

⑥   監査役監査における定期的な確認(上記3.②に対応)

【改善報告書に記載した改善策】
 監査役会は、2022 年3月期の監査役監査の計画を立案し、不適正開示の再発防止の観点か
ら、重点監査項目を次のように決定しました。
 (ア) 不適正開示の再発防止策実行に伴う内部統制システムへの影響と経営者の対応
 (イ) 関連当事者間取引に関する経営者の対応及び開示状況
 (ウ) 減損の兆候がある店舗に関する経営者及び会計監査人の評価
 また、取締役会へ出席し、取締役会で報告及び決議すべき事項が適切に行われていること
につき、監査役監査において確認いたします。
 さらに、2021 年4月より、監査役会事務局を、後述⑦イ.に記載する内部統制推進室内に設
置し、必要なリソース等の配置を行うことで、より実効的な監査役監査を実施いたします。
 なお、EY 新日本有限責任監査法人等で監査経験のある桑原清幸が常勤監査役として招聘さ
れ、2020 年6月に開催された当社の定時株主総会において監査役として選任されました。

【実施・運用状況】
 改善報告書記載の内容を含む 2022 年3月期の監査計画につき、2021 年3月の監査役会で決
議し、取締役会に報告しました。
 同監査計画に従い、再発防止策実行に伴う内部統制システムへの影響、関連当事者間取引
及び減損の判断を重点監査項目と認識し、当年度(2021 年4月以降)の監査役監査を実施し
ております。取締役会及びガバナンス委員会に監査役全員が出席して審議状況を聴取すると
ともに、代表取締役社長兼 CEO、取締役 CFO、内部監査室長及び内部統制推進室長との意見交
換等を通じて、再発防止策の進捗状況及び関連当事者間取引等の審議状況を監査しておりま
す。また、減損については、会計監査人である監査法人ハイビスカス、取締役 CFO 及び経理
部長との意見交換を行い、判断の適正性を監査しています。2021 年 10 月 22 日開催の取締役
会において、監査役会から会計監査人の年度監査計画と第1四半期にかかるレビュー結果等
を報告いたしました。
 また、内部統制推進室内に監査役会事務局を設置し、担当者1名を指名しております。監
査役会事務局が監査補助作業を担当することで、監査役が必要な都度、直接仕訳データ及び
稟議データを抽出することができるようになり、従来よりも深度のある監査を行う体制が整
備されています。
 なお、当社の常勤監査役桑原清幸は、経営陣とのコミュニケーションの他、全社朝礼やマ
ネジメント会議等の会議体にもオブザーバーとして参加することを通じて、監査に必要な情
報収集を積極的に行っており、不正の端緒の有無や健全な企業文化・風土が醸成されている
か等のモニタリングを行っております。

⑦   内部統制・内部監査に係る組織体制の見直し(上記3.③に対応)

 ア. 内部統制推進部署の責任者の招聘
【改善報告書に記載した改善策】
 当社は、ガバナンス体制の構築や Y 社との取引の解約を含む取引条件の検討のため、総合
商社や大手電子部品メーカー等で法務部門の経験のある人材を、2020 年4月、法務部長とし
て招聘しました。



                          17
 そのほか、2020 年8月以降、人事部長、総務部長、内部監査室長、経営戦略部長等の内部
統制の肝となる各部署に外部より人材を順次招聘しました。

【実施・運用状況】
 改善報告書に記載のとおり実施しております。なお、経営戦略部長として採用した従業員
は、その後経営戦略本部長に昇格し、社内異動により新たな経営戦略部長を任命いたしまし
たが、当該経営戦略部長が 2021 年8月 30 日に退職したため、現在経営戦略本部長が経営戦
略部長を兼任しております。これにつきましては、外部登用や社内異動により解消すること
を検討しています。
 なお、2020 年4月以降招聘された各部署の長においては、その就任以降、所管部門の専門
的業務を遂行することに加え、危機管理推進会議(当社のリスク対応の運営組織として、各
部署の内部統制推進要員を会議メンバーとして活動を行う機関であり、内部統制の課題を含
む当社の危機管理計画案を策定し、モニタリングを担い、毎月開催しています。)やコーポ
レート部長会(コーポレート本部の部長を構成メンバーとして、コーポレート本部全体の課
題や全社の内部統制に関する課題を協議する目的で設置し、毎月開催しています。)におけ
る審議・議論の経験を経て、内部統制関連部署の課題に対する認識の共有や業務調整を行っ
ており、また、内部統制推進室が必要に応じて各部署間の業務調整も行うことで、各部署間
での連携や統一的な業務遂行も図られています。
 また、当社のガバナンス上の課題や問題を含むリスク認識については、後述⑧記載のとお
り、危機管理委員会(危機管理推進会議の上部組織として、代表取締役社長兼 CEO を委員長
とし、取締役 CFO、経営戦略本部長、営業統括本部長、コーポレート本部長、法務部長、人事
部長を委員とする取締役会の諮問機関として半期ごと(2021 年度については四半期ごと)に
開催し、危機管理計画、危機管理の状況、その他危機管理に関する重要な事項を審議・承認
し、必要に応じて危機管理推進会議に対して活動改善を指示します。)で承認された下期危
機管理計画が取締役会に報告されており、取締役会における適切な評価が実施されるととも
に、全社的な共有認識とするように上記③エ.の双方向コミュニケーションや研修を行ってま
いります。

 イ. 内部統制及びリスクマネジメント推進体制の強化
【改善報告書に記載した改善策】
 内部統制及びリスクマネジメントに係る各施策の設計及び関係部門への周知、本社各部門
における統制活動の設計支援、並びにリスク事案が発生した場合の再発防止策のレビュー及
び危機管理委員会への報告を行って、内部統制及びリスクマネジメントの推進を行い、当社
の内部統制の質を向上させることを目的として、内部統制を推進する運営組織として、2021
年4月より「内部統制推進室」を設置し、室長として外部より人員を採用すると同時に、社
内より1名配員いたしました。
 また、2021 年4月に、危機管理委員会(2020 年 11 月設置)の下部組織として危機管理推
進会議を設置し、危機管理活動として当社の業務遂行等に当たり想定される様々な危機的事
項の発生の事前予防、発生した場合の対応及びその後の再発防止を行う体制としました。

【実施・運用状況】
 改善報告書に記載のとおり、内部統制及びリスクマネジメント推進体制の構築を既に行っ
ており、同体制に基づき運用しております。
 また、危機管理委員会及び危機管理推進会議の活動状況は、後述⑧ア.のとおりです。




                        18
⑧ 重要リスクの特定と対応(内部統制の整備と運用)及びモニタリングに係る全社的な体
  制・手法・プロセス(上記3.③に対応)

 ア. 重要リスクの特定及び対応方法等の再構築
【改善報告書に記載した改善策】
 重要リスクが顕在化し、企業価値が毀損することを防止するとともに当社の持続的な成長
を支えるために、3つのディフェンスライン(Three Lines of Defense)の考え方に基づき、
重要リスクの特定と対応(内部統制の整備と運用)及びモニタリングに係る全社的な体制・
手法・プロセスを再構築いたします。
 当社は、かかる再構築の一環として、上記⑦記載の措置を既に一部実施し、2021 年3月 26
日の取締役会において、危機管理委員会及び危機管理推進会議を中心に、会社の業務遂行等
に当たり想定されるリスクを識別し、一定の基準に基づきリスクを特定した上で、リスクに
応じた対応策(内部統制の整備と運用)を立案することを決定いたしました。
 今後実施する事項として、具体的には、上記リスクの中から特に重要なものを識別した上
で、危機管理計画を作成し、2021 年9月に、取締役会で承認する予定です。当社では、リス
クマネジメントの一環として、危機管理計画の中で重要リスクを継続的に見直していく方針
です。

【実施・運用状況】
 2021 年4月 23 日、7月 26 日及び9月 16 日に危機管理委員会を開催し、当社の危機管理計
画の策定プロセスについて審議しています。具体的には、会社の業務遂行等に当たり想定さ
れるリスクの洗い出し、リスクの評価、評価により識別した重要リスクの特定、重要リスク
に関する危機管理計画の策定等です。策定した危機管理計画については、2021 年9月 24 日開
催の取締役会で報告を行っており、改善報告書に記載のとおり進捗しています。
 主な危機管理活動は下記のとおりです。また、危機管理推進会議において各事業、各部署
の活動計画を定め、各事業、各部署に分科会を設置して危機管理活動を自発的に推進する体
制を構築しています。

2021 年4月 12 日   危機管理推進会議   危機管理推進会議(仮)のキックオフ
                           危機管理推進会議の設置
2021 年4月 23 日   危機管理委員会
                           上期危機管理計画の承認
                           上期のゴールイメージの共有とスケジュールの
2021 年5月 17 日   危機管理推進会議   確認
                           各部門長の危機意識の共有
                           各分科会の進捗状況とスケジュール確認
2021 年6月 14 日   危機管理推進会議
                           リスクマップのイメージ共有
                           分科会進捗状況の確認
                           部門横断的な課題についての議論(未成年飲
2021 年7月 12 日   危機管理推進会議
                           酒・イレギュラーな支払い)
                           危機管理委員会への答申の・決定共有
                           下期重点対応リスクの設定
2021 年7月 26 日   危機管理委員会
                           規程改訂スケジュールの策定
2021 年8月 10 日   危機管理推進会議   下期危機管理計画の策定
                           下期危機管理推進会議体制の承認
2021 年9月 16 日   危機管理委員会
                           下期危機管理計画の承認

 危機管理委員会で策定した上期の危機管理計画を受け、各部門の危機管理担当者で構成さ
れる危機管理推進会議を運営し、当社が直面するリスク認識を共有するとともに、リスクの
適切な評価を実施し、2021 年 10 月1日から 2022 年3月 31 日までの期間を対象とした下期重



                            19
点対応リスクを設定しています。また、下期重点対応リスクに対応するために、下期に実施
するタスク(具体的には、個人情報管理、災害対策、衛生管理等)を明確にしており、ガン
トチャートを作成して、下期危機管理計画を策定し、危機管理委員会で審議の上、決定して
います。下期においては、下期重点リスクの対応について、PDCA サイクルを用いて、実効性
のあるタスク管理を行ってまいります。また、その結果、2022 年度上期の重点リスクを検討
する等、適切なリスク管理体制を確立してまいります。
 具体的には、次のステップを踏んで、下期危機管理計画を策定しています。
  各部門が認識する事業リスクの洗い出し(ロングリストの作成)
  ロングリストに挙げられた事業リスクの評価(発生頻度、影響額の評価)
  事業リスクを発生頻度、影響額の評価の2軸でグラフ上に配置したリスクマップの作
   成
  リスクマップに基づく、下期重点対応リスクの設定(基本的には発生頻度大、影響額
   大の事業リスクを各事業にトップ3を選定)
  2022 年3月時点でどのようになっているべきか(ゴールイメージ)の設定
  現状の把握とゴールまでのマイルストーンの設定
  タスクの分解及び各タスク項目を実行するためのガントチャートの作成

 イ. 内部監査の強化
【改善報告書に記載した改善策】
 当社は、これまでに内部統制の重要な不備が検出されなかったことや当社旧経営陣その他
の役職員から特段の問題提起がなされなかったことから、内部監査計画書の更新や見直しを
行っておらず、内部監査手続は監査担当者の知識と経験に委ねられていました。
 当社は、より深度ある内部監査を実施し、再発防止策の徹底を図るため、リスクアプロー
チの考え方に基づき、内部監査計画書及び内部監査手続書を見直すことにいたしました。
 2021 年6月までに具体的な内部監査手続を立案し、2022 年3月期の監査計画を作成しま
す。また、2021 年9月に、危機管理委員会にて審議した特定リスクも考慮した上で、内部監
査手続の見直しを実施してまいります。
 なお、当社は、2020 年8月に、コンサルティング会社や上場会社で、14 年の内部監査経験
を有する者を内部監査室長に招聘しました。

【実施・運用状況】
  リスクアプローチの考え方に基づいて、2022 年3月期の内部監査計画(業務監査)に加え
て、重要な不備の是正を進めるべく内部監査計画(財務報告に係る内部統制)を新たに作成し、
2021 年6月 21 日に代表取締役社長兼 CEO が承認しております。また、6月 28 日開催の取締
役会で、当該内部監査計画(2022 年3月期の業務監査及び財務報告に係る内部統制)について
報告しております。
  具体的な内部監査(財務報告に係る内部統制)手続については、まず、業務記述書の見直し
を行ったうえ、当該業務記述書及び財務報告に係る内部統制マニュアルに基づき、監査を実
施しております。
  当社の業務面に関する内部監査の具体的な手続については、2021 年 11 月から実施予定の監
査に先立って、業務監査に関する内部監査手続書を同年 10 月以降に作成する予定です。
  また、2022 年3月期の内部監査計画(業務監査)については、2021 年6月に策定された危
機管理計画の内容に加え、内部監査室長が 10 月中に部門別の分科会に参加し業務面に係る課
題を収集し見直しを行います。内部監査計画(業務監査)に変更がある場合は、11 月に実施
予定の社長報告会で代表取締役社長兼 CEO の承認を得たうえで、取締役会に報告することを
予定しています。
  なお、財務報告に係る内部統制の内部監査の実施に時間を要したため、業務監査の内部監
査手続書の作成に遅延が生じておりますが、監査対象部門の監査の順序を変更することによ
り、業務監査に支障を来さないようにいたします。業務監査の進捗については、内部監査室
において、年間内部監査スケジュールを作成し管理いたします。


                         20
⑨   購買・決算・財務報告プロセスの再設計

 ア. 関連当事者間取引検討プロセスの再設計(上記3.①③に対応)
【改善報告書に記載した改善策】
 当社の関連当事者間取引について当社の内部統制が有効に機能していなかったことも踏ま
え、今後、当社が関連当事者間取引を行う場合でも有効な機能を構築するため、次のとおり
業務プロセスを再設計しました。
当該業務プロセスの追加は、2021 年2月に実施し、同年3月に運用テストを行ったうえで、
同月 26 日より、ガバナンス委員会規程又は業務記述書により明確化しました。
当社は、以下に記載するルールを徹底し、運用してまいります。

ⅰ. 関連当事者間取引における報告ルールの明確化
   2021 年3月 26 日にガバナンス委員会規程を制定し、役員及び従業員は、後述する関連
  当事者チェックリストに掲載されている者と取引を行うときには、2021 年4月より経営
  戦略部に設置した後述 iv のガバナンス委員会事務局に事前に報告することとしました。
  また、稟議担当部署(内部統制推進室)、出金担当部署(財務部)及び押印担当部署
  (総務部)の各長は、稟議申請、請求書、押印依頼書等で関連当事者間取引に該当する
  取引が行われようとしていることを認識したときにも、事前にガバナンス委員会事務局
  に報告することとしました。
   当該手続の導入により、当社の役員により関連当事者間取引が取締役会等の牽制機関
  による審査なしに実行されることがないよう、当社のガバナンス委員会事務局で、同委
  員会の招集、必要な議案の上程等の対応を講じることができる体制といたしました。

ⅱ. 関連当事者間取引の一元管理
   ガバナンス委員会事務局は、関連当事者間取引の認識・把握漏れがないことを確認す
  るために関連当事者チェックリストを整備いたしました。さらに、稟議手続において内
  部統制推進室長、押印手続において総務部長、出金手続において財務部長、会計手続に
  おいて経理部長がそれぞれ当該関連当事者間取引を確認する仕組みを導入することで、
  関連当事者間取引の網羅的把握のより実効的な運用を図ります。正式な運用は 2021 年4
  月から行いますが、既に同年2月 15 日のガバナンス委員会以降、関連当事者間取引の認
  識・把握漏れがないことを確認するため、試験的な運用を行っています。

ⅲ. 取締役 CFO による確認プロセス
   当社は、関連当事者間取引については、当社の適正な財務諸表の作成や、その適正な
  開示と密接に関連することを認識し、関連当事者との取引の実施を行うためには、業務
  記述書に取締役 CFO の確認を求めるプロセスも追加することといたしました。これによ
  り、財務部門の長である取締役 CFO が、財務諸表の作成に際して、関連当事者間取引が
  実行されたことを把握できることとなり、財務諸表における適正な開示や、当社の会計
  監査人との情報共有・連携を確保するための措置を講じられることとなります。

ⅳ. ガバナンス委員会と取締役会の役割分担の明確化
   本件取引当時は、ガバナンス委員会事務局は設置されておらず、議案・資料の作成や
  招集についても、実質的に1名(前執行役員で、現法務部職員)のみが行っていまし
  た。本件取引に際しガバナンス委員会の審議が奏功しなかったのは、審議の充実化に向
  けた準備が不足していたことにあります。これを是正し、ガバナンス委員会による関連
  当事者間取引の検証・監視機能を強化するため、2021 年4月より経営戦略部にガバナン
  ス委員会事務局を設置しております。
   ガバナンス委員会事務局は、関連当事者間取引が行われようとしていることを認識し
  た場合、主管部署と協議の上、取引概要や取引の必要性等を取りまとめて、上述ⅲ.の取
  締役 CFO の確認を経て、ガバナンス委員会委員長に報告することとしました。これを受



                         21
 け委員長は、当該報告を受けたときは遅滞なくガバナンス委員会を招集し、関連当事者
 間取引の適正性について審議を行い、取締役会に答申するものとし、ガバナンス委員会
 事務局が同委員会の議事録の作成等を行うこととしました。なお、取締役会において
 は、当該答申を受けて、職務権限規程に基づき、関連当事者間取引を決議し、又は報告
 を受けることとなります。

【実施・運用状況】
ⅰ. 関連当事者間取引における報告ルールの明確化
   Y 社との間で行ったワインの販売、書籍の販売等の関連当事者間取引につき、改善報
  告書記載の報告ルールに則り、担当部署からガバナンス委員会事務局に事前に報告がな
  され、適切に対応されています。

ⅱ. 関連当事者間取引の一元管理
   改善報告書記載のとおり、関連当事者間取引チェックリストに基づき役員及び従業員
  が関連当事者間取引の認識・把握漏れがないことを確認し、稟議手続において内部統制
  推進室長、押印手続において総務部長、出金手続において財務部長、会計手続において
  経理部長がそれぞれ当該関連当事者間取引を確認し、取締役 CFO の確認を経て、ガバナ
  ンス委員会で妥当性を評価する重層的な確認手続につき、2021 年3月期末までの試験的
  な運用を経て、2021 年4月以降の正式な運用を開始しております。
   また、この確認手続の結果、後述 iv.のとおり関連当事者間取引の実施がガバナンス
  委員会事務局に報告され、適正にガバナンス委員会を開催し、取引条件が合理的である
  ことを確認したうえで取引を承認しています。

ⅲ. 取締役 CFO による確認プロセス
   業務記述書において追加した取締役 CFO の確認を求めるプロセスにつき、J-SOX 監査
  の対象として、その運用を図っています。また、その結果、後述⑨イ.のとおり、業務
  記述書において追加した取締役 CFO の確認を求めるプロセスにつき、J-SOX 監査の対象
  として、その運用を図っています。

ⅳ. ガバナンス委員会と取締役会の役割分担の明確化
   関連当事者間取引に関するガバナンス委員会事務局からガバナンス委員会委員長への
  報告は行われており、必要に応じて、ガバナンス委員会事務局とガバナンス委員会委員
  長との事前協議も行っております。当社は、ガバナンス委員会への情報共有の重要性を
  踏まえ、ガバナンス委員会事務局からガバナンス委員会委員長への更なる情報・認識に
  努めてまいります。
   なお、ガバナンス委員会において、取引の適正性について審議を行い、これを取締役
  会に答申することにより、取締役会の審議の適正性を確保しております。
   2021 年4月以降に開催されたガバナンス委員会で審議された事項は次のとおりです。
   ガバナンス委員会では、例えば、2021 年5月 14 日に審議された Y 社に対するワイン販
  売について、Y 社との取引条件の明確化の必要性が指摘され、これに基づき Y 社との取
  引基本契約の締結を行っております。このように、ガバナンス委員会において関連当事
  者間取引につき実効的な審査がなされ、これを踏まえ、取引の適正化に係る施策を実行
  しています。

  2021 年4月 23 日      取締役会構成及び選任基準について
                     社外取締役の選任について
  2021 年5月 14 日      箱根マンションの X 氏への売却について
                     Y 社に対するワイン販売について
  2021 年6月           Y 社に対する書籍の販売
  (書面)


                             22
  2021 年6月              2020 年度関連当事者取引の承認
  (書面)
                        ガバナンス委員会委員長の選任について
  2021 年6月 28 日
                        取締役の報酬基準について
                        第1回無担保転換社債型新株予約権付社債の繰上償還に関
                         する件
  2021 年7月 16 日         第6回新株予約権の取得及び消却に関する件
                        アドバンテッジアドバイザーズとの間の事業提携契約書の
                         終了合意書の締結に関する件
                        ガバナンス委員会規程の改訂について
                        2021 年7月 16 日に決議した、「第三者割当により発行され
  2021 年8月 27 日
                         た第6回新株予約権の取得及び消却、第1回無担保転換社
                         債型新株予約権付社債の繰上償還」の変更について
                        適正な取締役会構成及びこれに基づく取締役選任基準の設
  2021 年9月               定について
  (書面)                  マルハン太平洋クラブインベストメントとの業務提携契約
                         書について
                        2021 年 11 月開催予定の臨時株主総会に付議予定の取締役候
                         補者につき、取締役会構成・取締役の選任基準に照らした
  2021 年 10 月4日          相当性の審議・答申
                        太平洋クラブとの相互優待に関する覚書の締結について
                        旧経営陣との支払い方法の合意について
  2021 年 10 月 22 日      Y 社との取引関係の清算に関する事項

   また、本普通株式及び本新株予約権の発行に伴い、2021 年8月 30 日付で、マルハン
  太平洋クラブインベストメントは、新たに当社の主要株主及び主要株主である筆頭株主
  及びその他の関係会社に該当し、太平洋クラブ及び株式会社マルハンは当社のその他の
  関係会社に該当することとなりましたので、各社との取引が発生する場合には、関連当
  事者間取引として、ガバナンス委員会による審査及び上記関連当事者間取引検討プロセ
  スに従った対応を行っております。

   当社は、改善報告書を提出するに至った経緯及び不適正開示の発生原因を踏まえ、か
  かる事態の再発防止のため、上記主要株主及びその他の関係会社との取引(関連当事者
  間取引)の適正性を担保するため、本⑨記載のプロセスを実行してまいります。

 イ. 減損兆候判定・店舗間の損益振替処理ルールの明確化(上記3.③に対応)
【改善報告書に記載した改善策】
 本件では、固定資産の減損の兆候判定に関して、内部統制が有効に機能していなかったた
め、次のプロセス等を導入いたしました。
これらプロセスの追加は、2021 年2月に実施し、同年3月に運用テストを行ったうえで、同
月 26 日より、業務記述書により明確化しましたので、引続き、運用してまいります。

ⅰ. 会計システムの仕訳入力統制・月締処理
    2021 年2月に、会計システムのアクセス制限の見直しを行い、不要なアカウントを
   削除しました。また、毎月の月次決算後に、会計システムの月締処理を行い、月締処
   理後の数値変更ができないようにしました。

ⅱ. 経理部門への教育




                                23
   2021 年3月に、関連当事者間取引及び減損兆候判定・店舗間の損益振替処理ルール
  の変更点(詳細は上述⑨ア.及びイ.参照)について経理部内で共有し周知しました。
  今後も会計基準やルール変更等が発生した場合に、経理部門を対象とした研修や勉強
  会等を実施してまいります。

ⅲ. 店舗間振替処理時の人事部によるダブルチェック
    2021 年2月以降、他店舗へのヘルプ等、工数の店舗間振替処理が必要な場合には、
   人事部内において、入力担当者とは別の担当者がチェック(ダブルチェック)すること
   としました。

ⅳ. 月次損益計算書及び減損判定資料の承認
    月次損益計算書について、2021 年2月以降、毎月、取締役 CFO が確認した上で翌月
   の取締役会にて報告することとしました。また、減損判定資料(減損処理の必要性を検
   討する資料)について、四半期ごとに、取締役 CFO が確認した上で取締役会にて報告す
   ることとしました。

ⅴ. 業務記述書への記載
    上記ⅰからⅳについて、業務記述書に記載し、J-SOX 監査の一環として、運用状況を
   確認することで運用の徹底を図ります。

【実施・運用状況】
  改善報告書記載の内容につき、以下の通り、引き続き運用を行っております。

ⅰ. 会計システムの仕訳入力統制・月締処理
   改善報告書に記載のとおり、毎月の月次決算後、経理部長又は経理部長が任命した者
  により会計システムの月締処理を行い、月締処理後の数値変更ができないように運用し
  ております。

ⅱ. 経理部門への教育
   改善報告書に記載のとおり、経理部の定例ミーティングを実施し、会計処理に関連す
  る社内規程の変更や会計処理方法の変更等について情報を共有しております。また、会
  計基準やルール変更等が発生した場合には、その内容について共有しております。
   例えば、2021 年6月9日には、ひらまつメンバーポイントの付与及び利用に係る収益
  認識に関する会計基準について、情報を共有しています。

ⅲ. 店舗間振替処理時の人事部によるダブルチェック
   改善報告書に記載のとおり、他店舗へのヘルプ等、工数の店舗間振替処理が必要な場
  合には人事部内において、入力担当者と人事部長が任命した者によるダブルチェックを
  実施しております。

ⅳ. 月次損益計算書及び減損判定資料の承認
   改善報告書に記載のとおり、月次損益計算書につきましては、毎月、取締役 CFO が確
  認した上で取締役会にて報告を実施しております。また、減損判定資料(減損処理の必要
  性を検討する資料)につきましては、四半期ごとに取締役 CFO が確認した上で取締役会に
  て報告を実施しております。

ⅴ. 業務記述書への記載
   上記ⅰ.、ⅲ.及びⅳ.について、業務記述書に記載し、J-SOX 監査の一環として、会計
  監査人と連携の上で運用状況を確認することで運用を図っております。また、上記ⅱ.に




                       24
    ついては J-SOX 監査とは別に、経理部門会議等により周知と運用の徹底を図っておりま
    す。

⑩   社内規程の見直しと運用システムの構築(上記3.③に対応)

【改善報告書に記載した改善策】
 2020 年7月に組織・業務分掌・職務権限の仕組み構築、稟議プロセスの明確化のための組
織・業務分掌規程、職務権限規程、稟議規程等の規程類の改訂、2020 年8月には押印手続の
明確化のための印章管理規程の改訂、懲戒手続を明確化のための懲戒規程の制定、2020 年 10
月には危機管理委員会の組成を含むリスク管理体制・手法の見直しに伴い危機管理規程を制
定していますが、2021 年3月の詳細な再発防止策の策定に伴うプロセス変更を社内規程に反
映させるため、2021 年4月に開催予定の取締役会において、職務権限規程、組織・業務分掌
規程、危機管理規程等の規程改訂を行います。
 また、当社では、各社内規程は、社内共有フォルダに格納して、役職員の閲覧に供する方
法で周知しています。なお、社内規程の周知性をより高めるために、総務部においてイント
ラネット等の社内コミュニケーションツールの作成等の検討を行っており、2021 年9月まで
に、実施する予定です。

【実施・運用状況】
 2021 年4月 23 日開催の取締役会において、組織・業務分掌規程、職務権限規程、経営会議
規程、危機管理規程、規程管理規程を改訂し、2021 年5月1日より施行しています。
 また、2021 年9月に全社従業員が閲覧できるマイクロソフト TEAMS のチームを作成して、
全規程を公開しています。
 コミュニケーションツールとしては、マイクロソフト TEAMS においてそれぞれのプロジェ
クト・業務ごとにチームを作成し、TEAMS 上で進捗を確認する体制を構築しています。




                        25
  2. 改善措置の実施スケジュール
                                           2021年                               2022年
          改善措置
                     4月     5月   6月   7月   8月      9月   10月   11月   12月   1月   2月      3月
①Y社との各種業務委託契約の解約
②新経営陣の招聘
③役職員の意識改革と内部通報制度の
 見直し
 ア.内部通報制度の見直し・周知
 イ.研修                4月実施
 ウ.当社幹部の教育・育成
 エ.双方向コミュニケーション
④取締役会及び監査役会による監督機
 能の再設計
 ア.取締役会への付議議題の明確化
 イ.取締役会の人員構成の見直し
  ・人員構成の見直し
  ・取締役・監査役候補者指名プロ
   セスの運用
 ウ.取締役会事務局の新設        4月実施
⑤ガバナンス委員会の強化
 ア.ガバナンス委員会の人員構成の見
                                                    見直し
  直し
 イ.ガバナンス委員会の諮問事項の追
                     4月実施
  加
⑥監査役監査における定期的な確認
⑦内部統制・内部監査に係る組織体制
 の見直し
 ア.内部統制推進部署の責任者の招聘
 イ.内部統制及びリスクマネジメント
  推進体制の強化
  ・危機管理委員会の設置
  ・危機管理推進会議の設置       4月実施
⑧重要リスクの特定と対応(内部統制
 の整備と運用)及びモニタリングに
 係る全社的な体制・手法・プロセス
 ア.重要リスクの特定及び対応方法等
  の再構築
  ・全社的な体制・手法・プロセス
   の再構築
  ・危機管理計画の作成
 イ.内部監査の強化
  ・内部監査計画の作成
  ・見直し後の内部監査手続の追加
   実施

                 :実施・運用                :検討・準備




                                           26
                                          2021年                               2022年
         改善措置
                      4月   5月   6月   7月   8月      9月   10月   11月   12月   1月   2月      3月
⑨ 購買・決算・財務報告プロセスの
 再設計
 ア.関連当事者間取引検討プロセスの
  再設計
  i. 関連当事者間取引における報告
   ルールの明確化
  ⅱ. 関連当事者間取引の一元管理
 ⅲ. 取締役CFOによる確認プロセス
 ⅳ. ガバナンス委員会と取締役会の
   役割分担の明確化
 イ.減損兆候判定・店舗間の損益振替
  処理ルールの明確化
 ⅰ. 会計システムの仕訳入力統制・
  月締処理
ⅱ. 経理部門への教育
ⅲ. 店舗間振替処理時の人事部による
  ダブルチェック
ⅳ. 月次損益計算書及び減損判定資料
  の承認
ⅴ. 業務記述書への記載
⑩ 社内規程の見直しと運用システムの
 構築
 ・職務権限規程、組織・業務分掌
  規程、危機管理規程等の規程改
  訂
 ・イントラネット等の社内コミュ
  ニケーションツールの作成

                 :実施・運用                   :検討・準備




                                          27
3. 改善措置の実施状況及び運用状況に対する上場会社の評価

   この度の不適切な会計処理の結果、過年度決算を訂正することとなり関係者の皆様には多
  大なるご迷惑とご心配をおかけしましたこと、改めて深くお詫び申し上げるとともに、上場
  会社として重大な責任があると深く反省しております。
   今後このような事案を二度と起こさないよう、全役職員一丸となって改善措置を実行して
  まいりました。その結果、当社といたしましては、役職員の意識改革、内部統制・内部監査
  組織の強化、購買・決算・財務報告プロセスの改善等、成果が着実に表れてきていると評価
  しております。
   一方で、2021 年6月 29 日に関東財務局に提出した内部統制報告書においては、2021 年3
  月 31 日時点における開示すべき重要な不備について、取締役会及びガバナンス委員会の監督
  機能の強化、並びに固定資産の減損の兆候判定において使用する各店舗の業績に対する取締
  役会のモニタリングにつき、是正が未了であることを理由として、開示すべき重要な不備が
  ある旨の記載をしております。本改善状況報告書提出日現在においても、新型コロナウイル
  ス感染症の影響で継続的企業の前提に関する重要な不確実性が認められることから、全社を
  挙げて資本政策の実現に注力していたため、改善措置の全ては完了しておりません。一方、
  本改善状況報告書にも記載した通り、ガバナンス強化のために必要な措置は講じております
  ので、依然として一部今後対応を要する事項は存在しているものの、概ね再発防止策の実行
  は進捗していると評価しております。
   本改善状況報告書提出日時点において実施が完了しなかった改善措置については、2022 年
  3月を目途に実施を行い、改めてお知らせ申し上げます。また、取締役会構成やガバナンス
  委員会構成等、一部 2022 年6月開催予定の定時株主総会において実施すべき事項もございま
  す。
   当社は、今後とも、上場会社としての責任を深く認識し、このような事案を二度と起こさ
  ないよう、改善措置の実施・運用を継続していくとともに、会社の持続的な成長と中長期的
  な企業価値の向上に励み、関係者の皆様の信頼の回復に引き続き努めてまいります。

                                                以上




                          28