2705 J-大戸屋HD 2020-02-28 15:00:00
「経営改善計画(骨子)」に関するお知らせ [pdf]

                                      2020 年2月 28 日
各   位
                 会 社 名  株式会社大戸屋ホールディングス
                 代表者名   代 表 取 締 役 社 長 窪田 健一
                 (JASDAQ・コード2705)
                 問合せ先   取 締 役 経 営 企 画 部 長 松岡 彰洋
                 電   話  0422-26-2600


          「経営改善計画(骨子)」に関するお知らせ

 当社は、国内事業の既存店売上高回復の遅れを主な原因として、2020年3月期第3四半期
連結累計期間は売上高、利益とも前年同期を下回り、損失を計上いたしましたが、その後
も想定した回復には至っておりません。これらの状況を鑑みて本日、通期連結業績予想を
修正することといたしました。(本日公表の「特別損失の計上及び業績予想の修正に関す
るお知らせ」をご参照下さい。)
 当社はこの状況を早期に改善すべく現在「経営改善計画」を鋭意策定中でありますが、
その骨子について下記のとおりお知らせいたします。なお、「経営改善計画」は策定次第
公表いたします。
                    記

1.当社の目指すもの
 当社の歴史は、実質創業者である故三森久実が養父の急逝により東京・池袋の一軒の定
食店「大戸屋食堂」を 21 歳にして引き継いだことに始まります。以来、「健康的で美味し
い料理を提供してお客様に喜んでいただきたい」   という揺るぎない信念のもと、厳選され
た安全・安心な食材を使い、一食一食心を込め店内で調理し、お客様のご支持をいただき
事業を展開してまいりました。今日においては、お客様から「大戸屋は美味しいね」とい
うご評価をいただいていると自負しています。
(1)経営理念と基本方針
 当社の基本理念を明確に表すために、故三森久実が中心となり制定したものが経営理
念と基本方針です。今後も当社は、この経営理念及び基本方針のもと、事業を推進してい
くことに何らの変わりはありません。
 【経営理念】
 人々の心と体の健康を促進し、フードサービス業を通じ、人類の生成発展に貢献する。
 【基本方針】
一、私たちは、心のこもった親切さ、優しさでお客様に感動していただこう。
一、私たちは、心のこもった美味しい料理をすばやく提供し、   お値打ち価格でお客様に感
  動していただこう。
一、私たちは、心もお店も清潔で素敵でお客様に感動していただこう。
一、私たちは、社会にお役に立てる人を育て、お店を造り、地域社会に愛と感動と安らぎ
  を感じていただくように、努力しよう。




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(2)変わらないために変えるもの
 当社は、美味しくかつ健康に資する料理の原点は店内調理にあると確信しております。
店内調理により、お客様に美味しい料理を提供する方針は当社の最大の差別化要因であ
ると考えており、今後もこの基本方針を変更することはありません。しかしながら、企業
の継続・発展のためには、社会の変化、経営環境の変化に適切に対応しなければなりませ
ん。特に最近においては、食材価格の高止まりや労働環境改善へ対応するための効率化が
重要な課題となっています。
 当社は、今日まで築き上げてきた美味しさを維持することを大前提として効率化に取
り組みます。経営改善計画はそのための取り組み施策と位置付けています。

(3)世界一美味しい定食チェーン
 当社は、経営改善計画を着実に実行し、当社の最大の差別化要因であり強みである美味
しさと、効率化とを両立させ、当社独自の「世界一美味しい定食チェーン」を目指してま
いります。

2.経営改善計画策定の背景
 当社グループの当連結会計年度は、 「家庭食の代行業から健康提供企業へ」をコンセプ
トとした3ヵ年の「中期経営計画『改革』Ⅰ期~『改革』Ⅱ期~『飛躍』期」の『改革』
Ⅱ期にあたり、新たに「もうひとつの食卓」を大戸屋ごはん処のビジョンに掲げ、日本の
食卓課題を解決する家庭食のインフラ企業として確固たるブランドを確立すべく店舗価
値の向上や人材の育成に取り組みました。
 特に今期におきましては、 国内事業の既存店売上高の回復を最重要課題として、グラン
ドメニューの改定、期間限定メニューや季節のデザートの販売、 新たなポイントサービス
の導入などの施策を行いました。
 しかしながら、国内事業の既存店売上高は想定した回復には至らず、 既存店の月次売上
高は前年を下回る状況が継続しております。
 このような状況の下、当社はこれまでの事業運営の在り方を見直し、 抜本的な経営改善
が必要との結論に至り、本計画を策定することとなりました。

3.経営改善計画の骨子
 より多くのお客様に大戸屋の「美味しい」「健康」「安全/安心」な料理を提供する為
                     、   、
に、従来のブランド戦略に拘ることなく柔軟に店舗/商品展開を実行していくことが、本
計画の骨子になります。
 主要ブランドである「大戸屋ごはん処」では、 「美味しさ」と「健康」をお食事に求め
るお客様に、お値打ち価格で調理したてのお食事を提供することを追求していきます。
 一方、お食事に「満足感」やボリュームを求めるお客様には、 「大戸屋ごはん処」とは
異なるブランド/店舗/商品開発への投資も通じ、提供価値の訴求を目指していきます。
 以上の方針に基づき、 客数回復に向けた「より多くのお客様に料理をお届けするための
施策」と、効率化/コスト低減に向けた「『美味しさ』と『お値打ち価格』を両立させるた
めの施策」を策定し、実行に移していきます。




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4.より多くのお客様に料理をお届けするための施策
(1)顧客起点のマーケティング戦略
 当社はこれまで、経営理念に基づき、美味しいお食事をお客様に提供することを追求し
てきました。一方、外食産業における消費者のニーズはますます多様化しており、美味し
いお食事を画一的に提供するだけでは市場の変化に対応することは難しくなってきまし
た。
 このような状況の下、店舗立地や客層に関わらず基本的に全店舗で同一のメニュー・店
舗作りをしてきたプロダクトアウト的な考え方から、定量/定性両面の分析に基づき店舗
立地や客層によって異なるニーズを把握し、それぞれのニーズを満たすメニューの構成・
店舗の空間作りを展開していくマーケットインの発想に基づくマーケティング戦略に転
換していきます。
 具体的には、店舗の立地区分と客層に基づいて大きく 3 つのセグメントを設定し、各セ
グメントにおける主要なお客様像を特定した上で、それぞれのニーズに基づいた商品メ
ニュー展開、店舗の空間作りを推進していきます。

(2)国内 FC の出店推進
 国内の FC 事業においては、出店を推進するうえでの主な課題となっている投資コスト
を抑えた出店形態(営業委託型、狭小地での出店も可能な店舗設計/商品構成、等)を推進
していきます。FC オーナー様のご理解・ご協力も仰ぎながら、事業展開のスピードアッ
プ・効率化を図っていきます。

(3)海外事業による収益拡大
 海外既存店舗の収益性改善に向けたマーケティング販促施策やオペレーション効率化
の努力を継続することに加え、直営事業(米国、香港、シンガポール、ベトナム)では各国
において年間 1 店舗程度の新規出店をすることで、事業の拡大をしていきます。
 また、中長期的には、未進出国への拡大ロードマップを策定し、既進出国で蓄積したノ
ウハウを十分に生かし未進出国での事業化・拡大可能性を検討していきます。

5.「美味しさ」と「お値打ち価格」を両立させるための施策
(1)直営不採算店舗の閉店による効率化
 不採算店舗への対応において、先ずは出退店基準をより明確化します。出店の意思決定
をするプロセスを見直し、仮に出店後に業績不振となった場合に原因の検証がしっかり
できる体制を整えていきます。
 また、現状業績の回復が見込めない不採算店舗については、早期閉店を決断し、赤字拡
大に歯止めをかけます。閉店により生じる人的リソースを必要な店舗へ再配分すること
で、人材不足に対する対策の一つとしても活用していきます。

(2)人手不足を前提とした店舗オペレーションの変革
 お客様への提供価値に直接的な影響を与えない調理工程については、積極的に効率化
を図っていきます。具体的には、これまで店内で仕込みを行っていた食材の一部につき、
料理の質へ影響がないことを前提に、加工品への切り替えを順次行い、コスト削減効果の
実現をしていきます。




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6.持続的成長に向けた投資戦略への転換
 これまで、現状程度の収益規模の維持に軸足を置いた、身の丈に合った投資が基本的な
考え方としておりました。今後は、中長期的な持続的成長を実現するために、積極的な成
長投資へ考え方を転換していきます。
 例えば、店舗改装については、従来、店舗の老朽化により必要になる修繕が主たる内容
でしたが、今後は修繕に加え、店舗立地や客層に基づいた客数増加を目指した攻めのリニ
ューアルにも積極的に投資をしていきます。

7.数値目標
 以上の施策を中心に経営改善を推進し、短期間での業績回復実現に向けた本計画の具
体化・実行に努力を重ねていく所存ですが、具体的な数値目標につきましては、新型コロ
ナウイルスの影響等不確定な要因が多いため、状況を見極めた上で公表する予定です。

                                      以上




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