2705 J-大戸屋HD 2020-07-20 15:55:00
株式会社コロワイドによる当社株券に対する公開買付けに関する意見表明(反対)のお知らせ [pdf]

                                      2020 年7月 20 日
各   位
                     会 社 名  株式会社大戸屋ホールディングス
                     代表者名   代表取締役社長    窪田 健一
                     (JASDAQ・コード2705)
                     問合せ先   取締役経営企画部長  松岡 彰洋
                     電   話  0422-26-2600


              株式会社コロワイドによる当社株券に対する
             公開買付けに関する意見表明(反対)のお知らせ

 当社は、2020年7月20日開催の取締役会において、株式会社コロワイド(以下「コロワ
イド」といいます。  )により2020年7月10日に開始された当社の普通株式(以下「当社株
式」といいます。  )に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。   )に対して、
当社の社外取締役6名を含む取締役11名の全員一致により、反対の意見を表明することを
決議いたしましたので、お知らせいたします。
 当社株主の皆様におかれましては、本公開買付けに応募されないようお願い申し上げま
すと共に、既に応募された株主の皆様におかれましては、速やかに本公開買付けに係る契
約の解除を行っていただきますよう、お願い申し上げます。


                         記


1.公開買付者の概要
(1)     名称           株式会社コロワイド
(2)     所在地          神奈川県横浜市西区みなとみらい二丁目2番1号
(3)     代表者の役職・氏名    代表取締役 野尻 公平
(4)     事業内容         外食事業
(5)     資本金          14,030百万円(2020年3月31日現在)
(6) 設立年月日            1963年4月
(7) 大株主及び持株比率        株式会社サンクロード              7.95%
    (2020年3月31日現在)   蔵人 良子                   5.41%
                     蔵人 賢樹                   4.35%
                     蔵人 金男                   3.56%
                     日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信    2.09%
                     託口)
                     日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社    1.78%
                     (信託口5)
                     鈴木 理永                   1.46%
                     日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社    1.18%
                     (信託口)
                     日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社    0.91%
                     (信託口1)



                         1
                     日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社 0.81%
                     (信託口2)
(8) 上場会社と公開買付者の関係
    資本関係             公開買付者は当社株式1,387,900株(所有割合
                     19.15%)を所有しております。
    人的関係             当社と公開買付者との間には記載すべき人的関係はあ
                     りません。
    取引関係             当社と公開買付者との間には記載すべき取引関係はあ
                     りません。
    関連当事者への該当状況 公開買付者は、当社の関連当事者には該当しません。
 注1:所有割合とは、当社の 2020 年3月 31 日現在の発行済株式数から同日現在所有す
     る自己株式(1,706 株)を控除した株式数(7,245,094 株)に対する割合(小数
     点以下第三位を四捨五入。以下、別途の記載がある場合を除き、比率の計算にお
     いて同様に計算しております。      )をいいます。以下同様とします。
 注2:コロワイドに関する記載は、コロワイドが 2020 年7月 10 日付で提出した本公開
     買付けに係る公開買付届出書(以下「本公開買付届出書」といいます。         )及びコ
     ロワイドの 2020 年6月 30 日付有価証券報告書(以下「コロワイド有価証券報告
     書」といいます。   )の記載に基づくものです。

2.買付け等の価格

  普通株式1株につき、金 3,081 円

3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由

(1)本公開買付けに関する意見の内容

  当社は、2020 年7月 20 日開催の取締役会決議に基づき、コロワイドによる本公開買
 付けに反対いたします。
  当社株主の皆様におかれましては、本公開買付けに応募されないようお願い申し上
 げますとともに、   既に応募された株主の皆様におかれましては、  速やかに本公開買付け
 に係る契約の解除を行っていただきますよう、お願い申し上げます。

(2)本公開買付に関する意見の根拠

  本公開買付届出書及びコロワイドが 2020 年7月9日付で公表した「株式会社大戸屋
 ホールディングス株式(証券コード:2705)に対する公開買付けの開始に関するお知ら
 せ」
  (以下、 本公開買付届出書と併せて「本公開買付届出書等」  といいます。 によれば、
                                      )
 コロワイドは、 当社の経営体制を刷新し、 当社をコロワイドの連結子会社化すること等
 を目的として、本公開買付けを行うものとされています。
  しかし、当社は、 大要以下の理由により、 本公開買付けは、当社の企業価値を毀損し、
 株主共同の利益を侵害するものであると考えており、本公開買付けに反対いたします。
 なお、当社の反対意見表明は、当社の社外取締役6名を含む取締役 11 名の全員一致で




                        2
    決議したものであり、また、監査役3名(いずれも社外監査役)は、いずれも、本公開
    買付けに反対の意見を表明することに異議がない旨を述べております。
     ① コロワイドは、本公開買付けに先立ち、2020 年6月 25 日に開催された当社定時
      株主総会(以下「本定時株主総会」といいます。        )において、コロワイドによる当
      社の連結子会社化を前提として、コロワイドが指名する取締役候補者の選任に係
      る株主提案(以下「本株主提案」といいます。        )を行ったものの、本株主提案は、
      多くの株主の皆様の反対により否決されており、本定時株主総会による本株主提
      案の否決後直ちに、  当社の経営体制を刷新し、      当社をコロワイドの連結子会社化す
      ること等を目的として、   本公開買付けを開始することは、         本定時株主総会において
      示された当社株主の皆様の意思に反するものと言わざるを得ないこと
     ② 本公開買付けは、形式的には市場株価に一定のプレミアムを付した公開買付価
      格を設定しているものの、    買付予定数の上限   (2,330,000 株。所有割合:約 32.16%)
      が定められた部分買付けであり、     コロワイドによる当社の経営への関与により、            当
      社の企業価値ないし株主共同の利益が毀損されるリスクを株主の皆様に負わせる
      強圧的なものであること
     ③ 当社は、2020 年5月 25 日付で、2023 年3月期を最終計画年度とする中期経営
      計画(以下「本中期経営計画」といいます。       )を策定しており、本定時株主総会に
      おいて株主の皆様の信任を得た現経営陣が、        本中期経営計画を、     自ら責任をもって
      着実に実行し、早期に経営改革を図り、当社の成長戦略を推進していくことこそ
      が、当社の企業価値及び株主共同の利益の向上の観点から最良の選択肢であるこ
      と
     ④ コロワイドが実行予定の経営上の合理化施策は当社の企業価値・ブランド価値
      を毀損する恐れが高く、また、本公開買付けが成立し、コロワイドが当社の実質的
      な支配権を取得した場合には、当社の企業価値の源泉である従業員の離職や労働
      意欲の著しい低下、フランチャイズ店の離脱が起こり、当社の企業価値・ブランド
      価値が更に毀損されるおそれが高いこと
     ⑤ 本公開買付けが成立した場合、     経営の継続性が担保できず、        当社の経営に著しい
      混乱が生じるほか、  コーポレート・ガバナンス上の問題が生じるおそれが高いこと
     ⑥ コロワイドの過去の M&A 実績や足元の財務状況に照らすと、当社がコロワイド
      により連結子会社化された場合には、当社の経営のリスクが高まると考えられる
      こと

     以下、これらの反対理由を順にご説明いたします。

(3)本公開買付に関する意見の理由

①    本公開買付けは、本定時株主総会において示された当社株主の皆様の意思に反して強
    行されたものであること

     コロワイドは、本公開買付けに先立ち、2020 年6月 25 日に開催された本定時株主総会
    において、コロワイドによる当社の連結子会社化を前提として本株主提案を行いました
    が、本株主提案は、多くの株主の皆様の反対により否決されました。
     本株主提案に係る株主提案書及びコロワイドの 2020 年4月 14 日付「株式会社大戸屋



                              3
ホールディングスに対する株主提案に関するお知らせ」(以下「本株主提案書等」と総称
します。)によれば、本株主提案は、コロワイドによる当社の連結子会社化を通じた当社
の事業再建を謳っており、想定されるシナジーとして、仕入条件の統一によるコスト低減
やセントラルキッチンの活用等を挙げておりましたが、 これらは、本公開買付届出書等に
記載された本公開買付けの目的や、経営上の合理化方針として記載された各種施策と実
質的に同一のものです。
 コロワイドが、本定時株主総会における本株主提案の否決後直ちに、 当社の経営体制を
刷新し、当社をコロワイドの連結子会社化すること等を目的として本公開買付けを開始
することは、本定時株主総会において示された当社株主の皆様の意思に反するものと言
わざるを得ません。
 新型コロナウイルスの感染拡大や、その後の行動様式の変化を受け、当社も、多大な影
響を受けておりますが、株主の皆様、当社役職員、フランチャイズ店その他のステークホ
ルダーと一丸となって、国難ともいえる未曽有の危機を乗り越えるべく努めている中で、
コロワイドが本定時株主総会において示された当社株主の皆様の意思に反して、極めて
一方的かつ強引に本公開買付けに及んだことは、大変遺憾であります。

②    本公開買付けは強圧的な手法により一般株主に対して正当な保障なくコロワイドによ
    る当社の経営のリスクを負わせるものであること

 本公開買付けの公開買付価格は、直近の市場価格に対して一定のプレミアムを付した
金額とされています。しかし、  本公開買付けにおいては買付予定数の上限が定められてお
り、その買付数は最大で 2,330,000 株(所有割合:32.16%)に設定されており、当社株
主の皆様は、限定された数の当社株式についての売却の機会を得る一方で、        応募された株
式の全てについて公開買付価格による売却が保証されているものではありません。
 一方、本公開買付届出書等によれば、コロワイドは、本公開買付けにより、当社の経営
体制を刷新し、当社を連結子会社とすることを企図しております。しかしながら、本公開
買付け後にコロワイドが予定している各種施策は、      下記④で述べるとおり、  コロワイド側
には、コロワイドの経営資源の利用促進等によって多くの利益をもたらす一方で、        当社に
とって特段のメリットがなく、   かえってお客様に提供する料理の品質低下を招くなど、     当
社の企業価値・ブランド価値を毀損する可能性が高いものと言わざるを得ません。また、
コロワイドが予定している各種施策は、本株主提案書等に記載されたものと実質的に同
一のものですが、本株主提案は、当社が当社の企業価値・ブランド価値を毀損するおそれ
があるものとしてこれに反対し、かつ、株主様の多数の反対により否決されたものです。
さらに、本公開買付け後、当社の経営体制が刷新され、コロワイドの指名する取締役によ
って構成されるものになった場合には、コロワイドとの利益相反に対する牽制機能が失
われ、下記⑤のとおり、株主共同の利益のためのガバナンス体制の構築も困難となります。
 以上のとおり、本公開買付けが成立した場合、少数株主となる当社株主の皆様は、コロ
ワイドグループの利益を優先した経営により企業価値・ブランド価値が毀損するリスク
に晒されることになり、 当社株主の皆様が、    このようなリスクを回避するために本公開買
付けへの応募を余儀なくさせられる点で、本公開買付けは強圧的なものであると言わざ
るを得ません。
 なお、コロワイドは、 「強圧性(すなわち、上限を定めて本公開買付けを実施する場合
において、本公開買付けの成立による不利益を回避するために、        少数株主が本公開買付け



                      4
に応募することにつき誘引される問題) が存在するためには、対象者の少数株主において、
公開買付者グループの支配下では対象者の企業価値が毀損されるとの認識が必要になる」
と述べた上で、本定時株主総会において本株主提案が反対多数により否決されたにもか
かわらず、「公開買付者による経営方針の如何を問わず『公開買付者による経営により対
象者の企業価値が毀損される』 と判断したことが示されたとまではいえない」 ものと強弁
し、「上記強圧性の問題に対する配慮として、公開買付者は、そもそも公開買付者は対象
者と同業となる事業会社であり (中略)本公開買付け後における経営方針等を明確に提示
しており、公開買付者が対象者の支配株主となった場合に対象者の企業価値が毀損する
ものではないことを十分に説明」していると述べております。しかしながら、そもそも上
記及び下記④のとおり、 コロワイドが提示している本公開買付け後の経営方針等は、 コロ
ワイドが自社グループの事業の利益を優先し、 当社の企業価値・ブランド価値を毀損する
おそれの高いものであって、コロワイドが同業の事業会社であることや経営方針等につ
いて一定の説明を行っていることは強圧性を低減する根拠とはならないものと考えてお
ります。また、本公開買付届出書等において示されたコロワイドによる当社の経営方針は、
本株主提案書等において示されていた当社の経営方針と実質的に同一のものにすぎず、
当該経営方針を前提とした本株主提案が本定時株主総会において当社株主の多数の反対
により否決されたことからすれば、当社は、当社株主の皆様が、本公開買付け後のコロワ
イドによる当社の経営により、 当社の企業価値・ブランド価値が毀損されることを強く懸
念しているものと受け止めております。したがって、当社は、コロワイドの上記説明は、
本公開買付けが強圧的でないことについての何らの説明にもなっていないと考えており
ます。

③    本定時株主総会で信任を得た現経営陣が、本中期経営計画を自ら責任をもって着実に
    実行することが、当社の企業価値及び株主共同の利益の向上の観点から最良の選択肢で
    あること

 当社の実質創業者である故三森久実は、       「健康的で美味しい料理を提供してお客様に喜
んでいただきたい」    という揺るぎない信念のもとで店舗数を拡大し、    業績を伸ばしてまい
りました。当社は、美味しく、かつ健康に資する料理の原点は店内調理にあると確信して
おり、この提供方針は、飲食チェーン大手各社がセントラルキッチンを使う中で、当社の
最大の差別化要因であり、     当社の企業価値 ブランド価値の源泉であると考えております。
                          ・
 当社は、このような、当社の最大の差別化要因であり強みである美味しさと、効率化を
両立させ、当社独自の「世界一美味しいごはん屋さん」を目指すべく経営改革を進めてお
り、2020 年5月 25 日付で、2023 年3月期を最終計画年度とする本中期経営計画を策定
し、最終計画年度となる 2023 年3月期には連結売上高 28,659 百万円、連結経常利益 960
百万円、ROE5.6%を達成することを目指しております(詳細については、当社の 2020 年
5月 25 日付プレスリリース  「中期経営計画の策定に関するお知らせ」   をご参照ください。。)
 当社の現経営陣は、     本中期経営計画による新たな取り組みをお示しした上で、   本定時株
主総会において株主の皆様の信任を得て選任されたものであり、        当社は、本定時株主総会
で信任を得た現経営陣が、本中期経営計画を、自ら責任をもって着実に実行することが、
当社の企業価値及び株主共同の利益の向上の観点から最良の選択肢であると考えており
ます。
 なお、コロワイドは、何ら具体的な根拠を示すことなく、本中期経営計画の蓋然性に疑



                       5
    義がある旨の指摘をしておりますが、本中期経営計画は、多くのお客様の声に耳を傾け、
    当社内で足元の事業環境の変化も踏まえつつ数カ月にわたる議論を経て策定したもので
    あり、かかる批判はおよそ当を得ないものです。

④    本公開買付けが成立した場合には当社の企業価値・ブランド価値を毀損するおそれが
    高いこと

    i. コロワイドが実行予定の経営上の合理化施策は当社の企業価値・ブランド価値を毀
      損する恐れが高いこと

     上記のとおり、当社は、美味しく、かつ健康に資する料理の原点は店内調理にあると確
    信しており、この提供方針は、飲食チェーン大手各社がセントラルキッチンを使う中で、
    当社の最大の差別化要因であり、当社の企業価値・ブランド価値の源泉であると考えてお
    ります。当社は、このような、当社の最大の差別化要因であり強みである美味しさと、効
    率化を両立させ、当社独自の「世界一美味しいごはん屋さん」を目指すべく、本中期経営
    計画に基づき経営改革を進めております。
     これに対して、コロワイドは、本株主提案に際して、当社の連結子会社化した場合の各
    種施策・シナジー効果として、①仕入条件の統一によるコスト低減、②セントラルキッチ
    ンの活用、③物流網の共通化によるコスト低減、④新店立地・業態転換候補の共有化、⑤
    ノウハウの結集を挙げておりましたが、本公開買付届出書等に記載された本公開買付け
    後の経営上の合理化方針として挙げられている各種施策は、いずれも本株主提案に際し
    て記載されたこれらの施策と実質的に同一のものです。これらのコロワイドの主張する
    シナジー効果は、当社の関与のもとで当社の事業に係る具体的な情報に基づく検討や協
    議を経た上で算出されたものではなく、その根拠や実現可能性は全く検証されておりま
    せん。また、これらの各施策は、コロワイド側には、コロワイドの経営資源の利用促進等
    によって多くの利益をもたらす一方で、当社にとって特段のメリットがなく、 かえってお
    客様に提供する料理の品質低下を招くなど、当社の企業価値・ブランド価値の源泉を損う
    可能性が高いと考えております。
     まず、仕入条件の統一によるコスト低減について、当社は厳選された安全・安心な食材
    の仕入れにこだわっており、コロワイドグループが運営している寿司屋、 居酒屋及び焼き
    肉屋等の業態で利用されている食材とは、品質面で共通性が乏しいことが想定されます。
    このため、仕入れの共通化は、かえって食材の品質低下を招き、お客様の喪失につながる
    リスクがあるものと考えております。さらに、当社は、取引先との長年の関係に基づき、
    良質の食材を合理的な条件で安定的に仕入れる体制を整えております。また、 コロワイド
    のセントラルキッチン利用については、利用が広く推し進められた場合、 コロワイドの全
    国に設けられた設備の稼働率向上が見込まれるため、コロワイドにとっては大きなメリ
    ットになることは容易に想像できるものの、当社が長年培ってきた一食一食心を込め店
    内で調理し、お客様に美味しい料理を提供するという当社の企業価値・ブランド価値が毀
    損するおそれが高く、到底看過できるものではありません。このほか、コロワイドは、本
    公開買付届出書等において、当社にもたらすシナジー効果として、物流網の共通化による
    コスト低減、新店立地・業態転換候補の共有化、ノウハウの結集も掲げておりますが、こ
    れらの施策のいずれについても、当社へのシナジー効果は限定的であり、これらの施策は、
    あくまでもコロワイドにとっての利点のみで取りまとめられた施策であると考えざるを



                       6
得ません(コロワイドの各施策のシナジー効果が限定的であり、当社の企業価値・ブラン
ド価値を毀損するおそれが高いことについては、当社の 2020 年5月 25 日付プレスリリ
ース「当社定時株主総会に係る株主提案に対する当社取締役会の反対意見に関するお知
らせ」もご参照ください。。
            )
 以上のとおり、当社は、本公開買付けが成立し、コロワイドが企図しているコスト削減
に偏った施策が推し進められた場合には、 素材・調理へのこだわりが弱まった画一的な料
理を提供することになり、美味しくかつ健康に資する料理を提供するという当社の経営
理念が蔑ろにされ、当社の企業価値・ブランド価値を毀損する可能性が高いと考えており
ます。
 なお、コロワイドは、当社が本定時株主総会の招集通知をはじめとする公表資料におい
て、セントラルキッチンに関する恣意的な情報操作及び情報の歪曲とこれに基づくご誘
導を行ったと主張されておりますが、コロワイドのかかる主張は事実に反するものです。
 当社としても、これまでに経営改善のため聖域なく様々な経営施策の可能性を模索す
る中で、セントラルキッチンの可能性を検討することもありましたが、    お客様に支持され
る主要なメニュー・素材群について、 店内調理とセントラルキッチンでの加工品を比較し
たときに、味、鮮度、食感、栄養価など品質に直結する各要素が明らかに低下することが
確認されたことから、セントラルキッチンは導入せず、 お客様への提供価値に直接的な影
響を与えない仕込工程における加工品への切り替え(本中期経営計画においてお示しし
た、カット野菜、鶏肉の導入や食材の加工度向上等を含みます。   )や、付加価値の高い調
理工程における標準化など、 「美味しさ」と両立する効率化施策を進めることとしており
ます。コロワイドは、当社が使用する食材や調理方法、当社において採用している加工品
の品質等を何ら具体的に確認することなく、 「セントラルキッチンの活用」 「店内調理」
                                      と
及びお客様の信頼に足る品質の担保は可能であるとしておりますが、このような姿勢は、
コロワイドが品質よりも効率性を重視していることを端的に示すものと考えております。
当社は、当社において使用する食材や調理方法、 当社において採用している加工品の品質
等を踏まえ、セントラルキッチンの活用では当社の求める品質は確保できないと判断し
ており、このことは、本株主提案以降に当社に寄せられた多くのお客様、株主様、FC 店
オーナー様、お取引先様の声によっても裏付けられております。
 また、コロワイドは、当社が、コロワイドとの間の従前の協議において、あたかも、コ
ロワイドの提案を拒んだかのように述べられておりますが、  これは、 事実に反するもので
す。当社は、コロワイドからの業務提携の打診に対して、守秘義務契約の締結を前提に協
議に応じる意向を示しておりましたが、コロワイドが守秘義務契約の締結を拒んだこと
から業務提携に関する具体的な協議には至らず、シナジー効果の検証を行うことはでき
ておりませんでした。また、当社は、コロワイドに対し、当社の子会社化を提案するので
あれば、当該取引に関する具体的な条件・内容を正式かつ具体的に提案するように要請し
ましたが、コロワイドは、当社子会社化の方法や条件を示した正式かつ具体的な提案を行
うことを頑なに拒んだものであります。当社は、当社の企業価値向上・株主共同の利益に
資する提案であれば真摯に検討する旨、 当初より一貫して明確に申し上げてきており、    当
社が、コロワイドの提案を拒んだというのは事実に反するものです。

ii.    本公開買付けが成立し、コロワイドが当社の実質的な支配権を取得した場合には、
      当社の企業価値の源泉である従業員の離職や労働意欲の著しい低下、フランチャイズ
      店の離脱が起こり、これにより、当社の企業価値・ブランド価値が更に毀損されるお



                       7
 それが高いこと

 本公開買付けは、 上記①のとおり、    本株主提案と実質的に同一の目的や経営方針のもと
に行われるものです。本株主提案について、当社の従業員有志一同は、2020 年6月5日
付で、(i)コロワイドの代表者が、大戸屋グループ従業員が共感・共有している経営理念
を根幹から否定する発言をしていること、(ii)自己都合の観点のみで強引な手法による
子会社化を進めようとしていること、(iii)買収先企業に対するコロワイド経営者の強圧
的な言動を理由に、 コロワイドの本株主提案に反対することを表明しており、       本公開買付
けが公表された直後の 2020 年7月 17 日付で、改めて、同様の理由で本公開買付けに反対
する旨を表明し、 役職員一丸となってコロナ禍を乗り越え、     経営改善を早期に推し進める
べき局面で、 「大戸屋」の現場を預かる従業員により一層の不安と動揺をもたらすコロワ
イドのやり方に対して、強い憤りを覚えるとともに、コロワイド傘下となった場合には、
当社の仕事にやりがい、誇りをもって働いていくことは難しいなどの考えを表明してい
ます。
 当社は、 「人々の心と体の健康を促進し、フードサービス業を通じ人類の生成発展に貢
献する」ことを経営理念に掲げており、この経営理念を具現化するうえで、極めて重要な
要素である「従業員とその家族の心と体の健康の促進」を経営課題ととらえ、従業員のワ
ークライフバランスの推進に、   社を挙げて積極的 継続的に取り組んでおります。
                            ・               当社は、
従業員の心と体の健康があってこそ、     日々、 お客様に手作りの美味しい定食をご提供でき
ると考えており、また、従業員が大戸屋の仕事にやりがい、誇りをもって働いてこそ、い
い商品、いいお店ができると考えております。
 当社グループ従業員の賛同を得ないまま本公開買付けによりコロワイドが当社の実質
的な支配権を取得した場合には、当社の従業員の離職や労働意欲の著しい低下等が懸念
され、これにより、サービス水準の低下などの企業価値・ブランド価値が毀損されるおそ
れが更に高まると考えております。
 また、本株主提案については、当社のフランチャイズ加盟店(コロワイドグループのフ
ランチャイズ加盟店を兼ねている加盟店も含まれます。      )のうち 80%以上の加盟店より、
本株主提案が承認可決された場合には、      店内調理により「美味しい」「健康」「安全/安心」
な料理を提供するという、  お客様に支持されてきた当社の企業価値・ブランド価値が毀損
されることを懸念し、 当社のフランチャイズ加盟店として、     本株主提案に反対であるとの
意見の表明を受けており、  本公開買付けの公表後も、    多くのフランチャイズ加盟店の皆様
より、コロワイドによる当社の連結子会社化には反対である旨のご意見をいただいてお
ります。
 当社の「大戸屋ごはん処」フランチャイズ加盟店は、      「ひとりでも多くの人に、心と身
体の健康を届けたい」という当社の想いに共感をいただき、      「心地よい空間を創ること」  、
「心をこめてサービスすること」「お客様目線の気配りを惜しまないこと」といった「大
                  、
戸屋ごはん処」 の店作りの価値観を共有いただいている、     当社事業に不可欠なビジネスパ
ートナーであります。
 本公開買付けが成立し、  当社がコロワイドの連結子会社となった場合には、      コスト削減
に偏った施策が推し進められ、   素材・調理へのこだわりが弱まった画一的な料理を提供す
ることになる可能性が高く、また、店作りやお客様へのサービスへのこだわりも、コスト
削減のために蔑ろにされてしまうおそれがあり、これまでフランチャイズ加盟店にご賛
同をいただいてきました当社の企業価値・ブランド価値が失われてしまうことにより、        フ



                       8
    ランチャイズ加盟店の離脱が起こり、当社の企業価値が大きく損なわれるおそれがあり
    ます。

⑤    本公開買付けが成立した場合、経営の継続性が担保できず、当社の経営に著しい混乱が
    生じるほか、コーポレート・ガバナンス上の問題が生じるおそれが高いこと

     本公開買付届出書等によれば、コロワイドは、本公開買付け成立後に、当社執行部との
    間での協議の機会が得られず、 又は協議が整わない場合においては、当社の代表取締役を
    含む現取締役全員の解任議案とコロワイドの役職員2名を含むコロワイドが推薦する取
    締役7名の選任議案を提案し、 これらの議案が承認された後に、コロワイドの役職員を対
    象者の代表取締役に選任することを考えているとのことであり、当該候補者7名につい
    ては、本株主提案における候補者のうち、 当社の現取締役5名を除いた候補者7名を指名
    することを中心に検討しているとのことです。
     しかしながら、当社の現取締役全員を解任し、新たな取締役を選任した場合には、当社
    の経営を把握する取締役が全く存在しないこととなり、当社の経営に多大な混乱が生じ
    るおそれがあります。
     また、本株主提案における候補者から当社の現取締役5名を除いた7名のうち、 4名は
    社外取締役候補者とされておりましたが、これらの取締役候補者は、本株主提案が、当社
    の企業価値及び株主共同の利益向上に資する具体的な経営戦略や、当社子会社化の手法
    や具体的条件を十分に開示しないまま当社の実質的な支配権を獲得し、当社の企業価値・
    ブランド価値を毀損し、コロワイドの経済的利益を追求する施策を講じたり、 当社株主の
    皆様の利益に反する方法・条件で当社を子会社化したりすることを狙いとするものであ
    るなどの問題があるにもかかわらず、本株主提案における取締役候補者となることを承
    諾したこと、コロワイドは、本公開買付届出書等において、 「公開買付者自身が強力なリ
    ーダーシップを発揮して短期間のうちに対象者の企業価値を向上させる必要性がより一
    層高まる」ことをもって、本定時株主総会において株主の皆様より選任されたばかりの社
    外取締役6名(うち5名は独立役員の要件を満たす社外取締役) をも解任する意向を示し
    ていることからすると、これらの社外取締役候補者であった4名がコロワイドから独立
    した立場で当社株主の皆様の利益を十分に考慮した経営のモニタリング機能を発揮でき
    るかについては強い懸念があり、 本公開買付けが成立し、当社の経営体制が刷新された場
    合、コロワイドとの利益相反に対する牽制機能が失われ、 株主共同の利益のためのガバナ
    ンス体制の構築も困難となると言わざるを得ません。
     また、本株主提案の取締役候補者に含まれていた三森智仁氏は、 過去に当社の取締役を
    短期間務めておりましたが、 取締役在任中、経営会議等の社内の重要会議にしばしば無断
    欠席し、取締役会に出席しても発言しないなど、 当社取締役としての職務を真摯に遂行し
    ていたとは到底言い難く、一方的に当社取締役を辞任したものであり、また、同氏の当社
    における執務期間が僅か3年程度に過ぎないことや、同氏の取締役在任中の職務執行の
    状況に照らすと、三森智仁氏を当社取締役に選任することで創業者精神が承継されるも
    のではないと考えております。
     このように、本公開買付けが成立した場合、経営の継続性が担保できず、当社の経営に
    著しい混乱が生じるほか、 コーポレート・ガバナンス上の問題が生じるおそれが高いと言
    わざるを得ません。




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⑥    当社が子会社化された場合には経営のリスクが高まると考えられること

     コロワイドは、自社公式ホームページにも記載されているとおり、     積極的な M&A によっ
    て事業を拡大してきた会社であると理解しております。仮に当社がコロワイドによって
    子会社化された場合にどのような状況になる可能性があるかについては、慎重に検討す
    べきと考えております。
     例えば、同社が 2014 年 12 月に連結子会社化したカッパ・クリエイト株式会社(以下
    「カッパ」といいます。  )については、買収後5年間に4人も代表取締役社長が交代する
    等の不安定な経営体制となっております。     また、コロワイドのカッパ買収当時のプレスリ
    リースによれば、コロワイドは、共同仕入れやセントラルキッチンの活用、相互の物件情
    報の活用による店舗開発などのシナジーを見込んでいるとしておりましたが、結果とし
    て、同社による買収後の5期間において、     連結営業利益率の目立った改善は認められませ
    ん。このようにコロワイドが主張するシナジー効果については、     その実現が不確実である、
    又はシナジーの発現には相当な長期間を要する可能性が高いものと推察されます。
     カッパ 連結営業利益率推移(コロワイドによる買収は 2014 年 12 月)
2012/3     2013/2   2014/2    2015/3   2016/3   2017/3    2018/3   2019/3   2020/3
    3.6%   0.8%     -2.0%     0.5%     3.2%     -0.7%      0.5%    0.8%     1.4%
(注:コロワイド有価証券報告書より抜粋)
 また、当社は、コロワイドの財務内容につきましても、慎重に分析した上で対応する必
要があると考えております。今後の外食産業はコロナ禍の影響によって収益的には非常
に厳しい状況が継続するものと予想され、各企業の財務内容の優劣が生き残りを大きく
左右する重要な要素になります。
 コロワイドの連結ベースでのインタレスト・カバレッジ・レシオ(注)は過去5期間以
下のように推移しております。
      2016/3         2017/3            2018/3            2019/3         2020/3
      3.21 倍         1.95 倍            1.73 倍            1.66 倍        -1.44 倍
(注)インタレスト・カバレッジ・レシオとは、企業が通常の事業活動から生み出すこと
      のできる利益が支払い利息をどの程度上回っているかを示す指標であり、        企業の安
      全性、すなわち、財務体質の健全性を評価する要素の1つです。上表は、(営業損   (
      益+受取利息+受取配当金)/支払利息)の計算式により算出された、コロワイド
      有価証券報告書記載の数値を抜粋したものです。
  連結ベースでの営業利益の低下から、インタレスト・カバレッジ・レシオは明らかに減
少しており、連結ベースでは営業利益の多くが支払利息の支払いに費消されている状況
となっていると見受けられます。   なお、 日本において一般に公正妥当と認められた会計基
準(以下「日本基準」といいます。   )においては原則としてのれんの定期的な償却が求め
られ、毎期の営業利益の減額要因となるのに対して、コロワイドは IFRS の適用により毎
期ののれんの償却を行っておりませんが、コロワイドは、2017 年3月期以降は IFRS の適
用により毎期の営業損益は M&A により認識されたのれんの償却負担の影響を受けないに
もかかわらず、上記のとおりインタレスト・カバレッジ・レシオが毎期連続して減少して
いる点について留意する必要があると考えます。
  さらに、2020 年3月期におけるコロワイドの連結貸借対照表上には「のれん」として
71,795 百万円が計上されていますが、これは自己資本額 24,958 百万円の約 2.8 倍にあた




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る高い水準にあります。コロワイドの買収した企業は、居酒屋、焼肉、回転ずし、ステー
キレストラン、 カラオケなど、  コロナ禍の影響を受け収益性が悪化しやすい業態に偏って
おり、今後の業況や将来の収益見通しの変化によっては、   「のれん」の減損損失の計上で
財務状態が悪化する可能性も否定できないと考えられます。   コロワイドは、 当社の連結子
会社化が必要である理由を、   「公開買付者と対象者の協業の成果を対象者に優先的に配分
することの公開買付者における合理性を担保するため」   としておりますが、上記のように、
コロワイドの財務健全性に懸念があることを踏まえると、本公開買付けにより当社がコ
ロワイドの連結子会社となったとしても、   コロワイドが十分な財務的・人的な経営資源を
当社グループに優先的に提供し、適切なグループ経営を行って企業価値を向上していけ
るのかについては疑問を抱かざるを得ないと考えております。
 仮に、本公開買付けが成立した場合には、   コロワイドは当社を連結子会社化する予定を
明確にしている以上、本公開買付けについてはその前提も踏まえて検討する必要がある
ところ、上記 M&A の実績や財務内容も踏まえれば、当社がコロワイドの連結子会社となる
ことで、当社の事業再建が推し進められ、   当社の企業価値向上につながるものとは判断で
きないと考えております。

(4)上場廃止となる見込み及びその事由

  当社株式は、本日現在、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいま
 す。)JASDAQ(スタンダード)市場に上場されております。
  本公開買付届出書等によれば、   コロワイドは、   当社株式の上場廃止を企図するもので
 はなく、買付予定数の上限を 2,330,000 株に設定の上、本公開買付けを実施し、本公開
 買付け後、コロワイドが所有する当社株式の数の合計は、最大で 3,717,900 株(所有割
 合 51.32%)
  :       に留まる予定であることから、  当社株式は引き続き東京証券取引所 JASDAQ
 (スタンダード)市場における上場が維持される予定とのことです。

(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)

  本公開買付届出書によれば、コロワイドは、本公開買付けにおいて、買付予定数の上
 限に達する応募があり、コロワイドが所有割合にして 51.32%を保有するに至った場合
 には、本公開買付け後に当社の株券等を追加で取得することは現時点で予定していな
 いとのことです。
  一方、本公開買付届出書によれば、本公開買付けにおいて、買付予定数の上限に満た
 ない応募となり、その結果、コロワイドが所有割合にして 51.32%を保有するに至らな
 かった場合には、市場動向等に照らし、買付予定数の上限に満たなかった範囲で、市場
 内取引等の方法により対象者株式を追加的に取得することを現時点で予定していると
 のことです。

(6)本公開買付けの公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置

  当社は、本公開買付けの検討に際して、意思決定過程における公正性・適正性を確保
 するため、当社及び公開買付者から独立した財務アドバイザーであるフロンティア・マ




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 ネジメント株式会社並びに法務アドバイザーである森・濱田松本法律事務所及び外苑
 法律事務所を引き続き選任し、   その法的助言を踏まえて、  本公開買付けに関して慎重に
 検討しております。
  そして、当社は、2020 年7月 20 日開催の取締役会において、上記(3)記載の各理
 由から、社外取締役6名を含む取締役 11 名の全員一致で本公開買付けに対して反対の
 意見を表明することを決議いたしました。     また、監査役3名(いずれも社外監査役)は、
 いずれも、本公開買付けに反対の意見を表明することに異議がない旨を述べておりま
 す。

4.公開買付者と当社株主・取締役等との間における本公開買付けへの応募に係る重要な
   合意に関する事項

  該当事項はありません。

5.公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容

  該当事項はありません。

6.会社の支配に関する基本方針に係る対応方針

  該当事項はありません。

7.公開買付者に対する質問

  該当事項はありません。

8.公開買付期間の延長請求

  該当事項はありません。

                                           以上




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