2437 J-シンワワイズ 2020-03-09 18:00:00
当社株主による臨時株主総会招集請求及び株主提案議案に対する当社の考え及び対応方針に関するお知らせ [pdf]
2020 年3月9日
各 位
会 社 名 Shinwa Wise Holdings 株式会社
代表者名 代表取締役社長 羽佐田 信治
(JASDAQ・コード2437)
問合せ先 執行役員経理部長 益戸 佳治
電話番号 03-5537-8024
( http://www.shinwa-wise.com )
当社株主による臨時株主総会招集請求及び株主提案議案に対する
当社の考え及び対応方針に関するお知らせ
当社は、2019 年 12 月 25 日付「株主による臨時株主総会の招集請求に関するお知らせ(経過開示2)
」
において、当社株主で当社取締役でもある倉田陽一郎氏及び采譽投資有限公司より、臨時株主総会の
招集請求(以下、「本請求」といいます。)に関する書面を受領したことをお知らせいたしましたが、
2020 年 1 月 31 日付の開示のとおり、裁判所の許可に基づいて、同氏らより、2020 年3月6日付で、
2020 年3月 26 日午前 10 時を開催日時とする臨時株主総会が招集されました。
本件に対する当社の考え及び対応方針を、別添のとおりお知らせいたします。
以上
令和2年3月
株 主 の皆 様 へ
Shinwa Wise Holdings 株式会社
代表取締役 羽佐田信治
取締役 石井 一輝
取締役 関村也寸志
取締役 木下 邦彦
監査役 佐野 洋二
監査役 南 隆
監査役 高橋 隆敏
拝啓 平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、このたび、株主の皆様のお手元に、倉田陽一郎氏及び采譽投資有限公司の連
名による「臨時株主総会招集通知」が届けられ、御不審を持たれた方もおられること
と存じますが、この株主総会は、当社株主である上記2名が招集するもので、当社が
取締役会の議決を経たうえで招集するものではありません。 株主総会招集者の内1名
である倉田陽一郎氏が当社取締役でもあるため、株主の皆様に誤解がなきよう、まず
は念のため、本書により明確にさせていただきます。
そして、この株主総会の目的とされている取締役 2 名及び監査役 2 名の解任議案並
びに取締役 4 名及び監査役 2 名の選任議案についてですが、私たちは、これらの議案
につき、いずれも反対いたします。その理由は同封した別紙に記載したとおりです。
敬具
1
別紙
-倉田陽一郎氏らの提出議案に対する私たちの意見-
<取締役 2 名及び監査役 2 名の解任議案>
1 当社は、2019 年(令和元年)8 月 29 日の株主総会に今回解任の対象とされてい
る 4 名を役員候補者として提案するにあたって表明したとおり、4 名は取締役又は
監査役として適格であると考えており、 その表明内容を改める事由は存在しません。
2 4 名は前項の当社提案を受け、倉田陽一郎氏らを含む株主の皆様によって選任さ
れましたが、その就任後現在までの約半年間、彼らのいずれにも解任に相当するよ
うな事象は生じていません。
3 倉田陽一郎氏らが、4 名の解任理由として挙げる内容は、その時期も含めて極め
て漠としており、解任の是非を判断する材料にはなり得ません。そして、法は、そ
の理由を問わず、役員を株主総会が多数決原理に従って解任することができるとし、
その反面、解任に正当な理由がないときは、解任された役員は会社に対して損害賠
償の請求をすることができると定めているのですが、その損害賠償額は、基本的に
当該役員の解任時の報酬額に残存任期を乗じた金額とされています。したがって、
株主総会において 4 名の解任が決議されたなら、この 4 名に対し、当社が損害賠償
債務を負担するであろうことは明らかです。
当社グループは、倉田陽一郎氏が子会社 Shinwa ARTEX 株式会社の代表取締役と
して生じさせた損失と資金流失の後遺症に未だに苦しんでおり(倉田陽一郎氏が強
引に始めた結果、当社に損害を与えた事業は大小併せて 10 数件あります)、ここで
正当な理由もない 4 名の解任により、これ以上の損失を上乗せすることは、決して
当社グループのためにはなりません。
また本来、コーポレート・ガバナンスは経営者の健全なリスクテイクを可能にす
るための仕組みでありますが、今回の議案のような管理担当取締役、社外取締役、
常勤監査役を含む監査役 3 名中 2 名を解任するような議案を提出することは、上場
会社のコーポレート・ガバナンスに必要なチェック機能を無力化することに他なり
ません。多くの株主の皆様のご意見が反映されるべきコーポレート・ガバナンス無
視の姿勢が明らかです。
2
<取締役 4 名及び監査役 2 名の選任議案>
1 取締役候補者 伊勢彦信氏
同氏は現在アイアート株式会社の取締役ですが、同社は当社の連結子会社である
Shinwa Auction 株式会社とオークション事業において競合する会社なので、当社
の取締役をも兼任することは、 利益相反若しくは会社法が原則として禁止する競業
禁止行為に該当しかねないことになります。したがって、同氏を当社の取締役に選
任することは好ましくありません。
2取締役候補者 秋元之浩氏
同氏は現在アイアート株式会社の取締役であるため、伊勢彦信氏と同じ理由で、
当社の取締役に選任することは好ましくありません。
3 取締役候補者 岡崎奈美子氏
同氏に対する特筆すべき事項はありませんが、解任を求められている現任取締役
に代えて又は追加して、当社の取締役として選任する必要性は全くないと考えます。
4取締役候補者 張志軍氏
同氏は中国に居住し、日本語による意思疎通もできないのですから、常勤ができ
ないのはもちろんのこととして、取締役会での十分な議論も期待できません。その
ような不利益、不便さ及び非効率さにも拘わらず、同氏を当社の取締役に選任する
だけの人材であることを窺わせる材料を見出すことができません。したがって、私
たちは、同氏を当社の取締役に選任することには反対です。
ちなみに、同氏が総経理 CEO を勤める采譽投資有限公司は、今回の臨時株主総会
の共同招集者であり、かつ、倉田陽一郎氏が 2016 年に強引に主導して中国芸術品
投資管理有限公司を合弁化した際のパートナーなのですが、この中国法人は合弁化
以来全く活動しておらず、当社が出資した金 6,000 万円は現在まで 5 年近く流出し
たままです。
5監査役候補者 小林公成氏及び同大谷恭子氏
同氏らに対して特筆すべき事項はありませんが、すでにご説明したとおり、現任
の監査役 2 名につき、その解任理由がなく、また、資質に欠けることもないのです
から、ここで敢えてこの両候補者に監査役を交代させ若しくは追加選任する必要は
ないと考えます。
以上
3
ご参考
倉田氏の「招集の背景」に対する反論
Shinwa Wise Holdings 株式会社
代表取締役 羽佐田信治
本臨時株主総会に際し、株主の皆様のご判断に必要と思われる、当社の経営状況
等の適切な情報をご提供させていただきます。
(下線部分は倉田氏の主張、それに続く本文が各項目に対する反論です。)
1. 「平成 30 年私(注:倉田氏のこと)が主導する中期経営計画が、突然、中断
する事態が生じることとなってしまった」
2018 年(平成 30 年)5 月期の当社の連結決算損失額は▲2 億 5,730 万円でした
が、その内訳は、当社の連結子会社 Shinwa Auction 株式会社をはじめとする美術
品販売関連本業の 「利益」 4,580 万円、
が 倉田氏が代表取締役であった Shinwa ARTEX
株式会社(以下「ARTEX」)の連結損失額(マレーシア法人等 ARTEX 子会社損益を
含む。以下同じ)が▲3 億 310 万円でした。つまり、この決算期における連結損失
は、倉田氏が経営していた ARTEX 事業の損失が全ての原因でした。
ところが、同期における倉田氏に対する ARTEX からの役員報酬は 4,630 万円、
役員賞与が 2,790 万円の合計 7,420 万円が支払われており、(役員報酬・給与計
算は外部の業者にアウトソーシングしており、発見しにくい状態でした)倉田氏
はこれ以外に当社から 1,680 万円の役員報酬を得ていました。
つまり、グループ全体で▲2 億 5,730 万円の損失を計上しているにも拘わらず、
倉田氏は、9,100 万円の報酬を受け取っていたばかりか、ARTEX における倉田氏の
経費精算額は、主なものだけを集計しても、旅費交通費 1,000 万円、接待交際費
700 万円にのぼりました。
ARTEX の放漫経営による大きな損失に加えて、このような乱脈ともいうべき異
常さ(損失額 2 億 5000 万円の計上に対して、倉田氏が得ていた報酬額と経費の
費消額は優に合計1億円を超える)に鑑み、当社は、監査役会の勧告によって実
態解明のために設置された、社外取締役を委員長とする「構造改革諮問委員会」
の答申を得たうえで、倉田氏から代表権を剥奪し、代表権のない取締役会長とし
ました。このことは、倉田氏のお手盛り同様の多額な報酬受領と乱脈に近い経費
の費消を考慮すれば、その無責任な経営を止めるための手立ては当然のことだっ
たのですが、倉田氏が言う「中断する事態」とは、この更迭のことです。
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2. 「決算対策として、黒字で成長著しいミャンマーでマイクロファイナンスを
展開していた Shinwa Microfinance Co., Ltd.を、他社に 2 億円で売却したにも関
わらず、結果的に通期では赤字の決算を計上する状況となった」
Shinwa Microfinance Co., Ltd.(以下 Microfinance)の売却は、ARTEX の損失
を補うために行われたもので、この売却がなかったら、より大きな赤字を計上す
る結果となっていました。
2019 年(令和元年)5 月期の当社の連結決算損失額は▲5,650 万円でしたが、そ
の内訳は、 美術品販売関連本業の 「利益」 160 万円、
が ARTEX の連結損失額が▲5,810
万円でした。つまり、この決算期における損失も、2018 年(平成 30 年)5 月期同
様、ARTEX 事業の結果が全ての原因でした。 (前年の更迭によって、 倉田氏は ARTEX
の代表権を持っていませんでしたが、当期も担当取締役として事実上の責任者で
した)
2020 年(令和 2 年)2 月末時点で、ARTEX には、Microfinance への貸付金 3,000
万円とその代表者 Nyan Lin 氏への貸付金 1,000 万円の合計 4,000 万円の貸付金が
存在しますが、これらの貸付金は未だに回収されていません。これらは 2 件とも
に倉田氏が ARTEX 代表時代に発生したものです。なお、前者の貸付金については
契約書が存在せず、返済期限が設定されている様子もありません。また、後者の
Nyan Lin 氏への貸付金に至っては、同氏自身に借り入れているという認識がある
のかどうかも疑問な状態です。
さらに、2020 年(令和 2 年)2 月末時点においても、本件株式売却後の現地手
続きが完了していないため、 倉田氏及び ARTEX 社員が Microfinance に関係してい
るのですが、その処理に要する旅費交通費等全額を未だに ARTEX が負担していま
す。
ちなみに、倉田氏は他にも ARTEX の子会社をいくつも設立しましたが、それら
の子会社には殆ど活動していない会社も多く、 2020 年(令和 2 年) 月末時点で、
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総額 2 億 7,000 万円以上が ARTEX から貸し付けられたままの状態です。他方で、
ARTEX は当社から 5 億円近い融資を受けており、金融機関からの借入金等と合わ
せると、その合計は 12 億円にのぼります。
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3. 「当社は、今期進行中の令和 2 年 5 月期に黒字転換しなければ、3 期連続赤
字決算となる恐れがある」
第 1 項でご説明したとおり、1 期目(平成 30 年 5 月期)と 2 期目(令和元年 5
月期)の両期とも倉田氏経営に係る ARTEX 事業の結果が全ての原因だったのです
が、倉田氏経営の後遺症はあまりに重篤で、2020 年(令和 2 年)1 月 10 日に開示
した 2020 年(令和 2 年)5 月期第二四半期決算の損失▲1 億 950 万円のうち、倉
田氏担当の ARTEX の連結損失額 (マレーシア等子会社損益を連結) は▲4,930 万円
となっております。
また倉田氏が主導しその責任者となっている海外事業に関して、当初は「開業
直後から大きな利益が出る」と言っていたのですが、適切に管理せず現地社員に
丸投げした結果、この事業は開始後 3 年が経過し、既に 3 億円以上の資金を投入
したまま、8,000 万円~1 億 2,000 万円の損失を計上し続けています。倉田氏に
報告を求めても、満足する回答が得られないため、同氏に抜本的な方策を求めて
いるところ、今回の招集請求となりました。
4. 「既存の事業が衰退し、業績が著しく悪化している企業において、経営陣が
株主に対する責任を果たすということは、新たに取り組む事業に対するリスクを
過大に評価し、自らがリスクを負わずに済むような消極的な経営判断をすること
ではない。」
2019 年(令和元年)10 月の取締役会において、倉田氏は、突然、ある会社(以
下「目的会社」)を買収(株式交換による子会社化)する提案を行いました。目
的会社には将来性があるので、1億 5,000 万円を超える金額で買収したい(その
金額に相当する当社株式を目的会社の株主に交付する)という内容でした。
ところが、倉田氏は目的会社から提出された殆どの資料に目を通していないば
かりか、同社の事務所に訪問すらしていませんでした。そして、当社が資料を精
査した結果、目的会社は、前期の決算は見かけ上黒字ではありましたが、特定の
費用の未払計上を行えば損失となる内容で、かつ、過去に行った関連会社間取引
にも疑義が残るというものでした。
そこで、当社は、デューデリジェンス相当の精査を行ったのですが、目的会社
が提出した将来の損益予想には大きな疑問があり、固定費は多額なのに利益は薄
いという事業内容で、しかもその株価算定にも非常に大きな誤りがありました。
ところが、いかなる理由か、更なる調査のために当社が要求した資料の一部の
提出を目的会社側が拒否したため、調査が途中で止まってしまいました。にもか
かわらず、倉田氏は取締役会に対して、基本契約の早期締結とプレスリリースを
強硬に求めました。
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このような倉田氏の目的会社の子会社化への異常なまでの思い入れは当時理解
できませんでしたが、今となれば倉田氏に同調する株主を作るためだったのでは
なかろうかと推測しています。
結局、当社は、あらゆる側面から検討した結果を基に、目的会社を子会社化す
ることはあまりにリスクが過大であると判断し、2019 年(令和元年)11 月の取締
役会で、倉田氏を除く役員の全員一致で、この案件はこれ以上進めないとの結論
に達しました。
この案件の扱いをめぐる議論の中で、倉田氏は「子会社化しても、当社はただ
の親会社であり、子会社が債務不履行になれば倒産させてしまえばいいのだから、
子会社の債務に対する親会社のリスクは無い」と主張する有様でしたが、私たち
は、企業は社会的な責任も有するのだから、「失敗すれば倒産させてしまえばい
いで済む問題ではない。子会社の経営者を選任している以上、親会社責任と言う
ものもあるし、当社の資産である子会社株式が損失で償却されるのだから、リス
クは確実に存在する」と反論したところ、倉田氏は「リスクの過大評価だ」と激
昂していましたが、倉田氏は、この反論を「消極的な経営判断」と主張している
のだと思います。
今回の株主総会招集は、この案件の却下がきっかけとなったものですが、要す
るに倉田氏は「自らの意見が通らない取締役会と監査役」の存在価値がないと考
え、「以前の ARTEX 代表時代と同様の個人商店化」を目指しているものだと当社
は考えています。
(ちなみに、この案件の「仲介者」であった弁護士が、今回の臨時株主総会招集
請求にあたっての倉田氏の代理人なのですが、当時倉田氏は、買収成立時に 1,000
万円もの手数料を当社が「仲介者」に支払う内容の契約書を締結するよう求めて
いました)
また、 倉田氏は ARTEX の損失を補うために行った Microfinance の売却金額 2 億
円、自らが引き受けた第三者割当1億円、 その他、担当した第三者割当1億円の、
合計 4 億円は自分で自由に使わせるべきだとまで主張しました。
そこまでしてもリスクを取り新規事業を行いたいのであれば、倉田氏が自ら個
人の出資により新たに事業に取り組むという選択肢もあり、取締役会はそれを否
定していません。自らは SWH に出資し、個人の思惑で SWH にリスクを取らせると
いう行為などあってはなりません。
つまり、倉田氏が自分の好き勝手なことができないのは、倉田氏の暴走をくい
止めることができなかった過去の反省から、取締役会が適正に機能した当然の結
果であるということを倉田氏は認識すべきであります。
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5. 「現在の当社の経営陣の多数は、当社の将来の成長にコミットする意思が希
薄であり、リスクを過大に捉え、自らの保身のために、株主責任を盾に、自らが
負うべきリスクをできるだけ小さくしようとしている現状がある。当社が果敢に
リスクに臨みながら、日本のアート取引市場再生のプロジェクトを積極的に推進
し、当社の成長戦略を自らの責任として負うことができる人材を役員として受け
入れるべきである。」
ここで倉田氏がいう「株主責任を盾に」と「自らが負うべきリスク」とは、何
を意味するのか不明ですが、仮にそれが、会社法で定める「役員の会社に対する
賠償責任」であるとすれば、それは全く事実に反した、的外れなものです。
なぜなら、解任要求の対象となっている 4 名中の 3 名(社外取締役及び監査役
2 名)は会社と「責任限定契約」を締結しているのですから、リスクは上限が決
まっており、倉田氏の言う「自らが負うべきリスクを、できるだけ小さくしよう
としている」との主張は全く事実に反した、的外れなものと言うしかないからで
す。
また、取締役会が倉田氏の新事業提案に合意しなかった理由は、倉田氏が過去、
周囲の反対や懸念を押し切って主導し、繰り返してきた数多くの失敗に鑑み、か
つ、十分な検討を重ねた結果、倉田氏が持ち込んできた案件にそのまま乗ること
は当社にとって危険なことであると判断したためであり、自らのリスクの最小化
のためではありません。
このように倉田氏は、前述の M&A 案件も含め、これまで数多くの新規事業に執
着してきたにも関わらず、最近になって、 急に ARTEX の事業は他の専門家に任せ、
自分は実績のないアート事業(倉田氏自身には、アート事業に関する確たる実績
はありません)に専念したいと主張し始めました。
しかしまずは、倉田氏自身が、「日本のアート取引市場再生のプロジェクト」
などと称する壮大な物語を語る前に、「果敢にリスクに臨んだ」という「当社の
成長戦略」と、自らが主導した事業の結果とを自らの責任として負うべきであり
ます。
そして、自分と意見を異にする役員を排除しようとする前に、周囲の信頼を失
った事実を直視し、表面のみを取り繕うことなく、謙虚に襟を正すべきでありま
す。
以上
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