2433 博報堂DY 2019-05-24 15:30:00
2019年3月期 通期 決算説明会資料 質疑応答要旨 [pdf]

                      2019 年 3 月期 通期 決算説明会
                               質疑応答要旨


2019 年 5 月 14 日(火)
当社出席者:
     代表取締役社長         戸田   裕一
     代表取締役副社長        沢田   邦彦
     取締役専務執行役員       松崎   光正
     取締役             水島   正幸
     常務執行役員          西岡   正紀
     執行役員            禿河   毅


Q:新中期経営計画では、広告主の広告費・宣伝費だけでなく、販売促進費の獲得を目指しているように
感じたが、クライアントの窓口にも変化があると考えているのか?また、イノベーション領域については、
フィー型の収益が増えてくるのか?
A:
「企業の根幹の機能はマーケティングとイノベーションである」という言葉があるが、マーケティング
の本質は顧客の創造、イノベーションの本質は市場の創造である。顧客の創造と市場の創造をベースで
支えるのがデータテクノロジー基盤だと考えており、今回の中期経営計画のベースにもなっている。
マーケティングにおいては、統合マーケティングが進んでいくなかでデジタルの領域が拡大しており、
デジタル・アクティベーションのその一部になっている。そこでは、広告・宣伝部門に加えて、販促部
門と接点が増えてくる。
イノベーションでは、既に商品開発やサービス開発、ビジネス開発などでクライアントのお手伝いをさ
せていただいている。ここに対するニーズが非常に大きくなってきており、収益拡大のチャンスがある
と認識している。この領域については、クライアントの事業部や開発部との接点が増えてきている。
イノベーションの収益獲得方法はフィーに限らず、多様な方法が想定される。


Q:水島新社長が事業会社と持株会社の社長を兼任することにより、どのようなことが進めやすくなると
考えるか?
A:
①デジタル化、②グローバル化、③イノベーション領域について、より連携の強化が進むと考えている。
まず、事業会社がデジタル対応を強化するにあたり選択肢が増えると考えている。
例えば、博報堂は総合広告会社だが、HDY グループにはアイレップという次世代型のデジタルエージ
ェンシーがある。クライアントのニーズにこたえるために、博報堂独自でやる場合もあるが、アイレッ
プにある部分を切り分けてお願いするようなやり方も取れる。今まで以上に巧みなフォーメーションで
向き合うことができるようになると考えている。
次に、グローバル対応では、博報堂の海外事業は中国、インドを含むアジア圏での対応が中心になって
いる。ボーダーレス化のなかで、クライアントがほかのエリアに進出していく際、ホールディングス・
kyu が欧米中心に先進性・専門性の拡充を行っているので、連携をより強化できる可能性があると考え
ている。

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また、イノベーション・事業開発・サービス開発などについてのクライアントからの依頼が増えている。
ホールディングス・事業会社の双方で組織を含めた基盤整備を行っているが、ホールディングスの CVC
等を通じてスタートアップ・プレイヤーとの連携が増え、博報堂のクライアントのニーズとマッチング
するようなことを期待している。


Q:新中期経営計画策定にあたり、メディアの環境をどのように考えているか? 5 年間におけるインタ
ーネットメディア、そしてテレビを含む 4 マスの動向をどのように見ているか?
A:
インターネットメディアについては、年間 2 桁程度の成長が続き、市場を牽引すると考えている。5 年
後には、最大のメディア種目になっていると考える。
4 マスについては、それほど大きな伸びにはならないだろうと見ている。
なお、マス以外の種目については、堅調に推移しているものと考えている。


Q:バランスシートについて、金融資産に対する方針、株主還元に対する考え方を教えてほしい。
A:
株主還元については、2020 年 3 月期に配当性向 30%に相当する 1 株 30 円の配当金を予定してい
る。今後も投資とのバランスを見ながら還元を実施していく。
また、政策投資の有価証券が、株価の上昇もあり、大きな金額になっているのは認識している。これら
を売却し投資の原資にすることについては、取引上の関係も含めて検討していきたい。


Q:新中期経営計画における投資と調達の規模感を教えてほしい。
A:
計画通りに進むと 5 年間で約 2,500 億円の営業キャッシュ・フローが生まれると想定しており、ここ
から株主還元を行った残りの大半を投資に向けたいと思っている。現在の手元現預金水準の見直しも考
慮すると、2,000 億円程度の投資余力があると考えている。その全てを投資するかどうかはわからな
いが、規模感としてはそれくらいのイメージである。


Q:オールデジタル化のなかで、競合企業や競争環境はどのように変わっていくと想定しているか?
A:
従来の競合は総合広告会社が中心であった。しかし、データマーケティングの時代にはコンサルティン
グ会社との競合が増えてくる。また、デジタル領域が拡大するので、いわゆるデジタルエージェンシー
もブランド提案やクリエイティブ機能を付け加え、同じ土俵に上がってくると想定する。
そのような競争環境においては、データテクノロジーの基盤整備とともにデジタル時代のマーケティン
グ全ての領域に対応できるよう裾野を広げていく必要がある。我々の原点であるクリエイティブについ
てもテクノロジー的要素を取り込んでいかなくてはならない。そのためにはグループ外のプレイヤーと
の連携も重要になってくると考えている。


                                                   以上




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