2433 博報堂DY 2021-02-22 12:00:00
2021年3月期 第3四半期 決算説明会 質疑応答要旨 [pdf]

                       博報堂 DY ホールディングス
           2021 年 3 ⽉期 第 3 四半期 連結決算説明会 質疑応答要旨


2021 年 2 ⽉ 10 ⽇(⽔) 16:30〜17:30
当社出席者:
取締役常務執⾏役員 ⻄岡 正紀
執⾏役員             多⽥ 英孝
執⾏役員             禿河 毅


ž    国内の広告需要に対する⾒通しについて。1 ⽉の⽉次を⾒ると 12 ⽉と⽐較して少し落
     ち込んでいるが、これは緊急事態宣⾔の影響なのか。
ž    2、 ⽉や 4 ⽉以降に広告主が広告費を⼤きく戻すような動きが出てくるかという感触
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     を含め、⾜元と来期以降のトレンドをそれぞれどのように考えているか。


    全体の景況感としては、第 4 四半期も第 3 四半期と同じような⽔準になると⾒ている。
ただし、1、2 ⽉はある程度堅調なまま継続している感触があるが、緊急事態宣⾔の延⻑も
含め 3 ⽉に関しては不透明感がある。プラスの要因として広告主の予算の期あまりが考え
られるが、緊急事態宣⾔の影響が⾒極められない状況にはリスクがあると考えている。それ
らを踏まえ、第 4 四半期の広告市場の前年同期⽐を第 3 四半期と同⽔準と読んでいる。
    当社の第 4 四半期の業績予想は市場を上回る前年⽐ 95%程度とおいているが、官公庁系
のコロナ対応の事務局業務の計上に期ズレの可能性があり、先ほどの 3 ⽉の動向とともに
リスクに考えて、予想数値作成において考慮している。
    4 ⽉以降に関してはまだ読みにくいが、広告主には固定費から変動費への動きがあり、テ
レビ等の出稿に影響が出ているとの声が聞こえてきている。




ž    コスト削減について。販管費をオーガニックベースでもかなり削減しているが、この中
     で緊急避難的に削減したものと構造的に削減できたもので分けた場合、どのような内
     訳だと考えているか。
ž    (それをふまえ)来期以降のコストのあり⽅について、どのように考えているか


    今期のコスト削減に関しては、どちらかといえば緊急避難的だと考えている。しかし、⼈
件費のインセンティブなどは業績連動で運営しており、固定費的に戻さなければならない
ものではない。インセンティブだけでなく営業費⽤全体として、来期も収⼊に応じたコスト
コントロールをするという考えに変わりはない。
    構造的なコスト削減という⾯では、コスト構造改⾰の策定を続けている。内容としては

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⼈・モノ・オフィスの改⾰がどうあるべきか、コロナによって働き⽅が変わったところで中
期的なコストの持ちようを検討している。また、世の中のオールデジタル化が進むなかで事
業構造の変⾰も必要だと認識しており、体制強化施策とセットで考える必要がある。つまり
コスト構造改⾰で削減しつつ、重点領域に費⽤投下していく循環の絵を描くステージにあ
る。⼀部構造的なコスト改⾰を第4四半期に⾏う可能性はあるが、デジタルトランスフォー
メーションとセットでの動きは 4 ⽉以降になるものあると思う。




ž    第3四半期と第4四半期の営業利益のバランスについて。トップラインでは第4四半
     期はマイナス5%と第3四半期に⽐べマイナス幅が縮⼩しているが、営業利益をみる
     と第4四半期は前四半期と⽐べてもまた、前年同期と⽐べても落ちている。このような
     ⾒通しの背景を教えてほしい。
ž    第三四半期はほぼ例年並みの営業利益となっており、with コロナの中でもコロナ前の
     利益⽔準に近づいているように感じるが、来期の営業利益はコロナ前の⽔準に到達で
     きるという感覚なのか、あるいはもうしばらく時間がかかるという感覚なのか。


    まず、第 3 四半期実績と第 4 四半期予想の営業利益のバランスであるが、3 ⽉の不透明感
や⼀部業務の期ずれリスクを考慮したのが⼀つの要素である。また、販管費はこれまで我慢
してきていた競争⼒強化のためのコスト投下について、来期以降を⾒据えて多少戻したい
という考えがある。加えて社員に対して業績の戻り次第ではインセンティブを検討したい
という思いもあり、現状の⾒通しとなっている。
    次に来期の営業利益レベルであるが、来年度の予算編成でも議論しており、当然できるだ
け早くコロナ前の利益⽔準に戻したいと考えている。しかし、中⻑期の競争⼒強化のために
オールデジタル化への備えとしてテクノロジーやデジタル⼈材への投資が必要ではないか
という考えもある。そのため短期的な部分と中⻑期的な部分のバランスをとりながら考え
ていきたい。




ž    第3四半期の売上総利益率が上昇している背景と、この先第4四半期と来期売上総利
     益率について、どの程度の⽔準が適正だと考えているか
ž    10 ⽉からインターネットの数字がプラスに転じており、1 ⽉の⽉次もかなり良いが、
     この背景についてどのように考えているか。


    売上総利益率は改善が継続しており、いくつかの要因が考えられる。ベーシックなところ
では、売上の⼤きな落ち込みを受けて、グループ全体として収益確保に取り組んでいること
が影響している。具体的にはグループ会社への内製発注について、今⼀度促進してきた。ま

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た、もともと利益率が⾼いコールセンター業務等の売上が増加したことも要因だと考えて
いる。来期以降も収益率が上がっていくとは⾔いきれないが、今期並の⾼い⽔準でキープし
たいと考えている。
    インターネットメディアについて、ここ数ヶ⽉の伸びを⽀えているのはブランド広告主
であり、上期から続けてきたニューノーマルに向けた提案、例えば統合マーケティングとし
てテレビ×デジタルの提案等が⾝を結んだと考えている。
    ⼀⽅で獲得系の得意先を主に取り扱っている代理店もグループ会社にあるが、旅⾏関係、
運輸、交通関係をメイン得意先としている会社については引き続き厳しい状態にある。ブラ
ンド広告主の伸びだけならもっと⼤きいが、マイナスと相殺される部分もあり現在の伸び
率になっている。




ž    第4四半期の海外の地域別のトレンドについて。
ž    来期の国内広告市場について。⽇経広告研究所は広告費について5%強の成⻑と予測
     しており今期の落ち込みから⾒るとあまり強くない印象があるが、どう考えているか。


    中華圏は最も早くコロナの影響から脱している。⾃動⾞関連の扱いが第2四半期以降は
増加しており、オーガニックベースでも回復している。加えて台湾で M&A があり、その
取り込み影響もあって第4四半期も引き続き堅調な傾向となっている。ASEAN は第3四半
期まででコロナの影響を脱することができず前年同期を下回る利益⽔準になっているが、
若⼲の回復傾向が⾒られる。⼀⽅で北⽶は Kepler は期初から堅調だったがその他の会社は
厳しく、コスト削減で利益確保せざるを得ない状況だった。第4四半期も引き続きこの状況
が続き、回復も⾮常にゆるやかになっている。そんな中でいろいろな提案が功を奏している
という報告もあるが、その影響は来期以降の予定となっている。
    広告市場の予測については、どこまでを広告費と捉えるかという部分も含めて難しいが、
全体、特にインターネットについてはもう少し⾼い回復があると考えている。
    また、広告という範疇では5〜10%ほどの成⻑を予想しているが、オールデジタル化が進
めば領域が拡張する可能性が考えられる。当社もその周辺領域に進出したいというスタン
スのため、ベンチマークとすべき範囲は無限にあると考えている。そういった部分も視野に
⼊れて来期の戦略と⽬標を⽴てたい。




ž    得意業種として⾃動⾞・輸送機器、情報・通信、飲料・嗜好品などがあるが、これら 3
     つの業種の広告需要はどのような状況か。


    ⾃動⾞関連はサプライチェーンに⼤きな打撃を受けて⼤幅な減少が続いていたが、マー

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ケティング活動を再開している得意先も増えており、第3四半期・第4四半期と回復基調に
ある。
 情報・通信という業種の中には様々な業態の会社があり、携帯キャリアだけでなくプラッ
トフォーマーも含まれる。特にプラットフォーマーは我々の協業先でもあり⼤事な得意先
だが、今期は世界的なプラットフォーマーが⼤きく広告予算を削減したことを⼤きなマイ
ナスだと捉えている。⼀⽅で携帯キャリアは今後マーケティング競争が激化されることが
予想され、我々が貢献できるチャンスだと捉えている。
 飲料はここにきて売上が増加しているが、DX として E コマースや D2C の提案が活発化
したことが影響していると考えている。モノの売り⽅に関してデジタル化の中でどういう
マーケテイングができるか提案を求められていると聞いている。


                                          以 上




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