2433 博報堂DY 2020-08-18 12:00:00
2021年3月期 第1四半期 決算説明会 質疑応答要旨 [pdf]

博報堂 DY ホールディングス
21 年 3 月期 第 1 四半期 連結決算説明会 質疑応答集


2020 年8月7日(金) 16:00~17:00
(テレカンファレンス)
弊社出席者:取締役常務執行役員 西岡正紀
         執行役員 禿河 毅


【Q1】
1. 粗利率がさらに上昇している要因について解説願いたい。また、これは持続可能なものな
  のか?
2.1Qの費用コントロールの内容と2Q以降のコントロール計画について教えてほしい。


 ―A1
 国内事業では、昨年下期からの改善傾向が続いている。主要広告会社の収益確保に向け
 た取り組みが奏功していることに加え、クライアントミックスの影響もある。また、第
 1 四半期にはコールセンター業務の拡大等も寄与した。クライアントミックスの部分は
 上下することがあり得るが、体質的な部分は継続するよう努力を続ける。
 ―A2
 まず不要不急のコストから抑制した。出張旅費・交際費等の活動費は緊急事態宣言の期
 間には活動自体が減ったという事情もあり大きく削減した。戦略費用についてもデータ
 基盤強化に関する費用は確保する一方で、中途採用はトップラインの動向を見てブレー
 キをかけている。
 2Q及び下期については、収益の見通しが不透明な状況下、複数のシナリオを検討してお
 り、最悪のケースに備えて、活動費だけでなく戦略費用も含めたコストコントロールの
 計画を組んでいる。業績が上向けば、優先度の高いものから凍結していた費用を復活さ
 せるイメージである。


【Q2】
海外事業について以下の点について、以下の点について教えていただきたい。
  1. 1Q(1-3 月)地域別の状況について解説いただきたい。
  2. 2Q(4-6 月)地域別の動向も併せて教えてほしい。
  3. コロナ禍のM&A への影響はどの程度か


 ―A1
 中華圏は最初にコロナ影響が出た地域で、台湾は堅調であったものの、中国本土は自動
 車アカウントの比重が大きいこともあり、大きな影響を受けた。中華圏の売上総利益は
 10%強のマイナスとなった。ASEAN の売上総利益は前年を上回ったが、M&A を除くと
 若干前年割れる程度。北米は前年並みの水準であった。
 ―A2
 速報レベルだが、中華圏は回復へ向かっている。ASEAN と北米はロックダウン影響によ
 り 2 桁のマイナスとなりそうである。
 ―A3
 投資先の環境に変化が生じているので、個々の案件の精査をより慎重に行っていくこと
 になる。


【Q3】
コロナ禍による生活様式の変化について、業種別/種目別の影響をどのように考えるか?変
化にうまく対応してこの四半期にも影響を最小限に抑えている広告会社があるが、今後より
伸長が期待される業種に向けた人材アロケーションなどフレキシブルに動く考えはあるか?
 ―A
 当社グループは、自動車や情報通信など大規模なブランド広告を行うクライアントの比
 率が高く、インターネット専業の広告会社と比較すると流動的ではなく見えるかもしれ
 ない。足元好調な巣ごもり需要系業種(EC/ゲーム)や薬品/トイレタリー等の業種に
 ついても、当然力を入れていくが、当社グループにとってボリュームが大きい訳ではな
 いので、業種別のアロケーションを変えるというよりは、大手企業中心にアフターコロ
 ナにおけるDX対応を積極的に提案する等、業務の内容を変えていくということだと思
 う。実際、全社を挙げてそのような対応を行っているところである。
 種目別に見ると、クライアントの業績に左右されやすいTVスポットは依然厳しいとみ
 る。インターネットについては市場の回復は相対的に早いと見ており、当社グループで
 も市場の動向に応じて伸ばしていけると考える。


【Q4】
 1. 販管費の活動費削減等の2Q および3Q 以降の考え方について教えてほしい。
 2. 海外のコスト削減の計画についてもお聞かせ願いたい。


 ―A1
 販管費のコントールはトップラインの動向を睨みながら行う。2Qは回復の兆しは見えて
 いるので販管費の削減は1Q並みかそれ以下にすることもありえる。しかし、今後コロ
 ナ感染拡大次第ではさらにコスト削減の必要も出てくるかもしれない。3Q以降も収益の
 状況を見ながらの判断となる。
 ―A2
 海外事業におけるコロナ影響は 2Qから本格化するため、2Q からロックダウンによる
 活動制限による自然減のほか、状況に応じた「能動的な」コストコントロールを行って
 いく。




【Q5】
 1. 市場全体の伸びと御社の伸びに関する現状認識を教えてほしい
 2. テレワーク継続によって、御社のクリエイティビティと営業力が削がれる懸念はないか


 ―A1
 本日 6 月の特サビ数値が公表され、広告業全体では 5 月と比べ改善しているが、
                                        「その
 他」の増加を除くと、傾向は 5 月と同じであったと見ている。
 インターネットの Q1 は前年比 10%台のマイナスで、他種目と比較して減少幅は小さく、
 回復も早いと見ている。一方、TVスポットはより回復まで時間を要するのではないか。
 当社のシェアについては、市場情報の確定値がでていないので、ここでは申し上げられ
 ないが、コロナ禍の影響は市場全体のトレンド同様と考えている。
 ―A2
 当初は混乱も見られたが、4 月末以降は当社社員もテレワークにも慣れ、基本的にオン
 ラインで完結できる環境となっている。クリエイティブ面でも、営業面でも競争力を落
 とすことなく業務可能な体制となっている。
 一方で、新人研修教育においてはオンラインだけでは難しい部分もあり、その点での課
 題はあると認識している。




                                         以 上