2433 博報堂DY 2020-06-10 12:00:00
2020年3月期 通期 決算説明会資料(中期経営計画)<解説つき> [pdf]

社長の水島でございます。


それでは、当社グループの中期経営計画の進捗状況についてご説明いたします。
当社グループは、2024年3月期を最終年度とする中期経営計画を昨年5月に発表しました。


中期基本戦略を、スライドに記載の通り、掲げております。


そして、データやテクノロジー、人材の他、M&Aなども含め積極的な投資を行い、3つの成長基
盤を強化することで、
のれん償却前営業利益を「950億円」まで拡大する計画としました。
その他、投資事業を除いた主力事業ベースでの成長率なども含め、ご覧の各種重点指標も設
定しております。


また、インターネットメディア売上高と海外事業の売上総利益を5カ年で2倍以上に拡大し、
海外事業は収益性についても継続的に改善して、成長を加速していくことをお示ししました。


同計画の初年度における各種取り組みの進捗状況について、ご説明させて頂きますので、次
のページをご覧下さい。




                                               1
まずは、売上総利益の状況についてです。


メルカリ株式以外も含めた投資事業全体の影響を除外した2020年3月期の「調整後売上
総利益」は、
主戦場である国内の広告市場が前年を下回る低調な動きとなる中、収益率の向上など
により、国内の既存事業会社を中心に着実に伸長し、
海外においても前年を上回り、全体では前年比+4.7%の伸びとなりました。


調整後のれん償却前営業利益については、第4四半期に新型コロナウイルス感染拡大
の影響が出る中、前年に迫る水準まで積み上げることができました。
期初より、計画に則り、中期的な成長に向けた戦略的な費用投下を進めつつも、メリハリ
をつけたコストコントロールを行うことで、同オペレーティング・マージンは17.5%となりまし
た。




                                                2
次に、中期経営目標である、メルカリ株式や、それ以外の投資事業の影響も含めた、の
れん償却前営業利益についてですが、
こちらは、新型コロナウイルス感染拡大の影響に加え、前年に130億円規模のメルカリ株
式売却益が発生したことの反動減もあり、前年比▲11.1%と二桁減となっております。


のれん償却前ROEについては、18.9%と高い水準での着地となりました。メルカリ株式売
却益や、リクルートホールディングスの株式売却益といった一時的な押し上げ要素を除
いた実質比較においても、前年より改善しております。




                                              3
続いて、中期経営計画で掲げた3つの成長基盤を中心に、体制や対応力を強化してきた
、ご覧の主な施策につき順番にご説明いたします。


次のページをご覧ください。




                                          4
1つ目は、広義デジタル領域でのリーディングポジションの確立についてです。


本資料は昨年5月に中期経営計画を発表した際の資料の再掲になりますが、
同領域では、オールデジタル時代を見据え、上記スライドに記載の大きく3つの戦略施策
を進め、インターネットメディアに留まらず、広義デジタル領域でリーディングポジションの
確立していくことを目指しております。


そして、インターネットメディア領域の売上高は、5カ年で2019年3月期の2倍以上の規模
に拡大していくことを掲げました。




                                              5
同領域の進捗としては、
まず、成長するインターネットメディア領域において、人材など体制強化への投資を進め
ることで、同領域の売上高は前年比+9.6%と二桁近い伸びとなりました。
中でも、いわゆる「インターネット専業市場」に対応する次世代型デジタルエージェンシー
機能を担うアイレップ社の売上高は、連結ベースで前年比+16.4%と、特に強い伸びとな
っております。


さらなる機能/体制強化に向けた具体的な施策については、スライドの「トピックス」の項
目をご参照ください。




                                             6
次に、ボーダレス化する企業活動への対応力強化についてです。


中期的に、国内外一体運営の強化による「得意先のグローバルシフトへの対応」と、M&A
も含めた「専門性と先進性の継続的取り込み」を強化し、
加えて、“生活者データ・ドリブン”マーケティングを起点に、幅広くデジタルアクティベー
ション領域の実行体制を整備していくことを掲げました。


そして、海外事業の売上総利益を5カ年で2倍以上に拡大し、収益性についても継続的
に改善していくことで、グループ全体の成長を加速していきたいと考えています。




                                             7
今ご説明した海外事業の売上総利益の進捗状況についてですが、
損益取り込み期間通年化、および新たなM&Aによる押上げ効果もあり、規模の大きなアジ
アと北米がともに前年を上回り、全体では前年比+6.2%の伸びとなりました。
調整後売上総利益に占める海外の比率も、20.8%と前年より0.3%拡大しております。


具体的な対応力強化の取組みについては、スライドの「トピックス」の項目をご参照ください。




                                              8
3つ目は、外部連携によるイノベーションの加速についてです。


オールデジタル時代におけるイノベーションには、自社の強みはもとより、取引先企業や
先端的なテクノロジー企業など外部企業との連携が必要不可欠になります。
外部企業との連携基盤を構築/強化し、提供サービスのイノベーションのみならず、自社
のイノベーションも加速していきたいと考えております。




                                           9
連携基盤強化という観点では、
上記スライドにあるような、新規事業や新サービス創造の起点となる各種運動体を組成、
強化しており、外部企業との連携が加速しております。


また、イノベーションのトリガーとなり得る、先端テクノロジーへの投資や、技術活用促進
に向けた取り組みも積極化しております。




                                            10
最後に、国内における専門機能強化の取り組みについてご紹介します。


大広は、昨年10月に会社分割を行い、同社のクリエイティブとプロモーション領域におけ
る制作・キャスティング機能を「大広WEDO(ウィードゥー)」として別会社化しましたが、
2020年4月より、大広WEDOと同グループの制作子会社である大広ONESを合併し、大広
グループの制作/実施機能をさらに強化しました。


また、博報堂グループは、昨年6月に子会社化した、地域に根差したビジネス推進力を
持つ西広と、生活者発想やデジタルマーケティングノウハウを持つ博報堂の九州支社の
事業を統合し、九州エリアにおける体制を強化しております。


今後も、中期経営計画で掲げた3つの成長基盤の強化はもとより、各種専門機能の強化
にも、引き続き積極的に取り組んでまいります。




                                               11
以上、当社グループの中期経営計画の進捗状況についてご説明しましたが、
最後に私から一言申し添えさせていただきます。

新型コロナウイルスの感染拡大により、人々の生活、企業活動、国内外の経済は大きな打撃を受
け、社会は未曽有の危機に直面しています。
当然ながら、その影響は当社グループにも及んでおり、本中計の初年度は、非常に厳しい環境下
でのスタートとなったと言わざるを得ません。

しかし、この社会の危機に対して、当社グループは「生活者発想」と「クリエイティビティ」で、新たな
価値を提供していきたいと考えています。

今回のことで、本中計の環境認識の基礎である「オールデジタル化」の流れは加速することが予想
されます。
生活者の動向は大きく変化し、マーケティングのあり方も多様な変化にさらされることになります。
新型コロナウイルス収束までの社会、アフターコロナの社会を見据え、掲げた中期戦略の推進に
注力し、企業価値の一層の向上に努めてまいります。

なお、現在、先行きの不透明感が非常に強い状況にあり、本中計の数値目標の見直しの必要性
の有無についても、現時点では検証が困難な状況にあります。
今後の動向を注視しながら、然るべきタイミングで検証を行い、必要に応じて適切なタイミングで情
報開示を行ってまいります。

どうもありがとうございました。



                                                  12