2372 アイロムG 2019-04-01 15:30:00
中国Shanghai Cell Therapy Groupとの細胞治療および細胞バンクにおける戦略的パートナーシップ契約締結のお知らせ [pdf]

                                                                    2019 年4月1日
 各     位

                                          会 社 名      株式会社アイロムグループ
                                          代 表 者 名    代表取締役社長 森 豊隆
                                          (コード番号     2372 東証第一部)
                                          問 合 せ 先
                                          役     職    執行役員
                                          氏     名    小島 修一
                                          電     話    03-3264-3148

                中国 Shanghai Cell Therapy Group との
                 細胞治療および細胞バンクにおける
               戦略的パートナーシップ契約締結のお知らせ

 当 社 は 、 Shanghai Cell Therapy Group Co., Ltd. ( 中 国 名 : 上 海 细 胞 治 疗 集 团 、 以 下 、
「SHCELL」という)と、双方が保有する技術・知見・ネットワーク等の経営資源を活用し、日
本・中国を中心として世界の細胞治療市場を視野に、先端医療分野の事業を展開することについて、
戦略的パートナーシップ契約を締結したことを下記のとおりお知らせいたします。

                                      記

1.契約の意義と概要
 SHCELL は中国上海市に拠点を置くバイオ企業で、遺伝子を含む臨床ビッグデータを活用した
プレシジョン・メディシン(※1)の提供や、免疫療法等に用いる T 細胞を中心とした細胞の培養
加工・保管事業を推進しています。特に、細胞培養加工・保管の事業において、SHCELL は世界
最大規模の細胞培養加工施設と細胞バンクを保有しており、同分野において優れた技術と実績を積
み重ねています。
 近年、欧米を中心に各国において iPS 細胞バンクの構築が進められており、中国市場においても
その需要は拡大しています。当社と SHCELL は、当社 100%子会社の株式会社 ID ファーマ(以下、
「ID ファーマ」という)の iPS 細胞作製に係る技術と SHCELL の細胞バンクにおけるノウハウ等
を活かし、iPS 細胞を含む細胞バンクの中国における拠点となることを目指し、共同で事業を推進
します。
 また、細胞培養加工の分野においては、ID ファーマのもつ樹状細胞(※2)増幅技術を活かし、
SHCELL が進めているがんを対象とした免疫療法等の更なる事業拡大を進めていきます。
 さらに、当社は、第三種再生医療等としての免疫療法に用いる細胞の培養加工の受託、およびフ
ランチャイズシステムによる細胞バンク事業『iCellBank』を開始しており、同社との連携を通じ
てそれらの事業の積極的な事業展開を図ってまいります。

2.SHCELL について
 SHCELL の概要は次のとおりです。
  会社名       Shanghai Cell Therapy Group Co., Ltd.(中国名:上海细胞治疗集团)
  本社所在地     Building.A, No.75 Qianyang Rd., Anting, Jiading, Shanghai, China
  ウェブサイト http://www.shcell.com/home/index
 SHCELL は、中国において細胞培養加工や細胞バンク、細胞治療等を通じて総合的かつ個々に
適した医療サービスの提供を目指す BAIZE プロジェクトを推進しています。同プロジェクトにお
いて、SHCELL は免疫療法等に用いる細胞の培養加工を行うだけでなく、中国国内での iPS 細胞
等の細胞バンク事業の推進を目指しています。バンク事業においては、研究機関や医療機関等と連
携することで遺伝子等の臨床ビッグデータの構築にも取り組んでおり、先端医療技術の発展に寄与
しています。

3.業績に与える影響
 本契約締結による 2020 年3月期の業績への影響は軽微と見込んでおります。2019 年3月期決算
発表時に、2020 年3月期(2019 年4月1日~2020 年3月 31 日)の連結業績予想に織り込んで公表
いたします。

※1 プレシジョン・メディシン
 プレシジョン・メディシン(和訳:精密医療)は、患者様の個人レベルでの最適な治療法を分
析・選択・実施する医療のことです。パーソナライズドメディシン(個別化医療)と同様に患者様
の遺伝子情報や生活環境要因等をもとに、患者様1人1人に適した治療法を提供することを目的と
しますが、とくにプレシジョン・メディシンにおいては、患者様を層別化し、各層の患者様に対し
て適切な診断・治療・投薬を行うことで、より多くの患者様に最適な医療を提供することを目指し
ています。
 日本においては、遺伝子情報等を用いたがん治療法としてのプレシジョン・メディシンの実用化
に向けたプロジェクトが行われており、1 つの例としては、スクラム・ジャパンが厚生労働省や
AMED 支援のもと国立がん研究センター東病院を中心に推進されています。

※2 樹状細胞
 樹状細胞は血流に乗って全身を回りながらがん細胞等の目印を認識し、その情報をTリンパ球に
伝える司令塔の役目を担っています。患者様の末梢血から分離した単球から分化させた樹状細胞に、
患者様のがん細胞から抽出したがん抗原等を取り込ませ、体内に戻すというがん免疫療法等に用い
られています。
                                       以 上