2372 アイロムG 2020-07-27 12:30:00
(開示事項の経過)新型コロナウイルスワクチン開発の非臨床試験におけるIgA抗体価の有意な上昇の確認および開発スケジュールに関するお知らせ [pdf]

                                                    2020 年7月 27 日
 各   位

                                  会 社 名     株式会社アイロムグループ
                                  代 表 者 名   代表取締役社長 森 豊隆
                                  (コード番号    2372 東証第一部)
                                  問 合 せ 先
                                  役     職   取締役 社長室担当
                                  氏     名   小島 修一
                                  電     話   03-3264-3148



              (開示事項の経過)
      新型コロナウイルスワクチン開発の非臨床試験における
IgA 抗体価の有意な上昇の確認および開発スケジュールに関するお知らせ


 当社の 100%子会社である株式会社 ID ファーマ(以下、「ID ファーマ」という)が開発を進めて
おります新型コロナウイルスワクチンの非臨床試験において、IgA 抗体価が有意に上昇したことを確
認いたしましたので下記のとおりお知らせいたします。

                              記

1.IgA 抗体価の上昇
 実施中の非臨床試験において、動物に低用量のワクチンを経鼻投与したところ、気道で特異的 IgA
抗体価(注1)が有意に上昇したことを確認いたしました。
 注1) IgA(Immunoglobulin A/免疫グロブリン A)抗体とは、眼・鼻・喉・消化管などの外界と接する粘膜組織に
     おいて分泌される抗体の一種のこと。多くのウイルスや病原菌の侵入口である粘膜面において、それら外
     敵の侵入を防ごうと働く免疫物質です。


2.今後の方針
 上記結果を受け、最良のワクチンの開発を行うために、下記方針に基づき、非臨床試験段階での
評価・検討・検証をさらに慎重に行い、十分なデータを確認した後に臨床試験を開始することを目
指します。
 まず、本開発は、新型ウイルスに対するワクチンの開発であることから、科学的根拠に基づいて
慎重に進めるべきであり、非臨床試験において十分な有効性および安全性の評価を行った上で、臨
床試験を開始いたします。
 また、小児、高齢者、高リスク患者にも使用が想定されることから、より安全性の高いワクチン
の開発を目指してまいります。
 さらに、投与方法についても複数の方法(経鼻、皮下など)を検討しており、それぞれの条件下
での薬理作用の評価を行います。
 製造体制についても、市場への供給を見据えた生産能力の強化の検討を進めております。




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3.開発スケジュール
① 非臨床試験の予定
 中和抗体活性の測定(注2)やより高用量のワクチン投与による用量依存性の確認、各種毒性試験
による安全性の確認などを行う予定です。
 注2) 中和抗体とは、ウイルス等の抗原がもっている毒性や感染力などを減退または消失する(中和する)こと
     ができる抗体のこと。実施中の非臨床試験において、ワクチンの投与によって得られた抗体が中和抗体で
     あるかを確認します。
② 臨床試験に向けた対応
 臨床試験の実施に向けて独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下、「PMDA」という)との相
談を始めています。PMDA との協議を踏まえ、開始時期は 2021 年3〜5月頃を見込んでおりますが、
今後の進捗状況により開始が前倒しとなる可能性も踏まえて準備を進めています。

<開発スケジュール(予定)>(注3)                                         実施中              実施予定
                             2020年                                2021年
            6月   7月   8月     9月          10月   11月   12月   1月    2月    3月   4月以降

各試験用製剤の製造


非臨床試験
                      (注4)                                      (注5)


臨床試験準備


臨床試験

 注3) 当社は複数のワクチン候補を保有しておりますが、候補の中で優先順位を定めて開発を進めており、上記
     スケジュールは先行して開発を進めているワクチン候補の開発スケジュールとなります。なお、上記スケ
     ジュールは日本国内における開発スケジュールとなります。中国における開発につきましては共同開発先
     との関係から非開示とさせていただきます。
 注4) 有効性評価試験
 注5) 安全性評価試験


4.今後の見通し
 本開発による 2021 年3月期の業績への影響について、現在、開発段階にあるため研究開発にかか
る費用が支出として発生いたしますが、上記スケジュールにおける費用は当期の業績予想に織り込
んでいます。今後、開発の進捗状況等により研究開発にかかる費用が増加するなど、当期の業績予
想に変更が生じる場合には、速やかにお知らせいたします。

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