2342 M-トランスG 2021-02-24 16:00:00
純粋持株会社体制への移行及び創薬支援事業再編に関するお知らせ [pdf]

                                                  2021 年2月 24 日
各   位
                                  会 社 名 株式会社トランスジェニック
                                  代表者名 代表取締役社長 福 永 健 司
                                      (コード番号 2342 東証マザーズ)
                                  問合せ先 取      締  役 船 橋       泰
                                       ( 電 話 番 号 03-6551-2601)



          純粋持株会社体制への移行及び創薬支援事業再編に関するお知らせ

 株式会社トランスジェニック(代表取締役社長:福永健司、福岡県福岡市)は、2021 年2月 24 日開
催の取締役会において、グループのガバナンス強化を実現するために、当社事業の譲渡により 2021 年4
月1日を以って純粋持株会社体制に移行することを決議いたしましたので、お知らせいたします。これ
によって、より迅速な事業戦略の推進を実現し、グループ全体のさらなる成長を加速することを目指し
ます。
 本純粋持株会社体制への移行に向け、創薬支援事業グループの経営効率化及び機能強化を目的として、
当社子会社である株式会社安評センターに対して当社遺伝子改変マウス事業(以下、
                                     「マウス事業」 を、)
また当社子会社である医化学創薬株式会社に対して当社抗体事業(以下、「抗体事業」)を譲渡し、創薬
支援事業を再編いたします。




1.純粋持株会社体制への移行及び創薬支援事業再編の目的

 ・純粋持株会社体制への移行の目的
 当社は、M&A をグループ成長戦略の柱と位置づけ、2013 年以降、創薬支援企業・事業体の買収を積極
的に行ってまいりました。この結果、2015 年 3 月期に連結利益の黒字転換を成し遂げ、以降、順調に創
薬支援事業グループの拡大を実現してまいりました。しかしながら、基礎研究分野に対する国家予算の
削減継続や特許切れ問題を背景とする製薬企業の開発予算縮小等を背景に、当社創薬支援事業グループ
を取り巻く事業環境は今後も引き続き厳しい状況が続くものと考えられました。このため、当社は創薬
支援事業のみに依存しないグループ収益構造の多角化と収益基盤の飛躍的拡大を目的として、          2017 年か
ら投資・コンサルティング事業である TGBS 事業を開始し、 持続的成長を可能とするグループの確立に努
めてまいりました。
 これらの取り組みの結果、2021 年 3 月期の連結売上高は取り組み開始前の 2013 年 3 月期と比較し 15
倍強に至る見通しとなりました。また、連結営業利益、経常利益、最終利益についても過去最高益を計
上する見通しとなっております。一方で、グループ事業の多角化やグループ会社の増加及び事業規模の
拡大を伴う成長戦略の維持・加速に耐えうるガバナンス体制の構築が課題となっておりました。
 このため当社は、多角化グループのガバナンスに適した純粋持株会社体制へ移行することで、経営資
源の最適な配置および各事業の事業特性に応じた最適な運営体制を構築し、機動性の向上を図ることと
いたしました。今後、この新しい体制のもとで、成長を更に加速させ企業価値向上を目指してまいりま
す。

・創薬支援事業再編の目的
 当社グループは創業以来、創薬支援企業グループとして創薬の研究開発の各ステージに有用なツール
及びサービスを提供してまいりましたが、この度の事業再編は以下を目的としております。
(当社マウス事業の安評センターへの事業譲渡)
 当社創薬支援事業グループの中核事業である CRO 事業において、安評センターは GLP 及び AAALAC 認証
施設を有し、 年以上に亘って蓄積された実績、
      40               信頼を背景に、  高い科学性と信頼性に立脚した医薬品、
農薬及び一般工業化学物質等に係る試験データを提供しています。
 一方、当社マウス事業は、遺伝子改変技術事業のパイオニアとして、2000 年 4 月から今日まで企業や
アカデミアの研究者に対して有用なゲノム情報を提供してまいりました。従前は、遺伝子改変マウスの
利用はアカデミア等が行う基礎研究分野が中心でしたが、近年は製薬企業やバイオベンチャーが求める
薬効薬理分野や安全性分野での利用も拡大しております。このような事業環境のもと、当社マウス事業
では安評センターに対して遺伝毒性を評価する際に必要な遺伝子改変マウスの提供を行っております。
 本事業再編により、安評センターの動物実験技術を活用し、   マウス事業において現在進行中の各種ヒト
化モデルマウス開発を加速させます。また、安評センターは、従来から提供している試験サービスに遺
伝子改変技術サービスを組み込むことや、ヒト化モデルマウスを用いた高付加価値試験サービスを創出
し、主たる顧客である製薬・化学企業に対して提供することを目指します。

 (当社抗体事業の医化学創薬への事業譲渡)
 当社抗体事業は優れた抗体取得技術を有し、これまで複数の診断薬及びそのシーズとなり得る有望抗体
を取得しております。一方、医化学創薬は保有する高度な糖鎖解析・合成技術を活用し、疾患特異的な
糖ペプチドの抗原合成によって有望な創薬シーズを開発することを強みとしております。当社抗体事業
及び医化学創薬は、ともに差別化が可能な技術やノウハウを有しておりますが、事業規模・開発体制は
小規模であり、開発スピード及びパイプラインの強化が課題となっておりました。
 本事業再編により、医化学創薬は当社抗体事業が有する技術を取り込むことで、開発能力の強化を実現
すると同時に、人的経営資源の融合を行うことで体制強化も実現し、強い創薬基盤技術を持つ創薬ベン
チャーとなることを目指します。



2.事業譲渡の概要
(1)マウス事業及び抗体事業の内容
 マウス事業
 遺伝子改変マウスの作製受託及びモデルマウス販売

抗体事業
抗体作製受託及び抗体製品販売

(2)マウス事業及び抗体事業の経営成績等
                                          比 率
               2020 年 3 月期(a)   2020 年 3 月期連結実績(b)
                                          (a/b)
マウス事業売上高           205 百万円                1.9%
                               11,046 百万円
 抗体事業売上高            48 百万円                0.4%
※譲渡事業の売上総利益、営業利益、経常利益、資産・負債につきましては、正確な切り分けが困難
  であるため、記載しておりません。
※譲渡時の資産・負債につきましては、決定次第お知らせいたします。

(3)譲渡価額及び決済方法
 2021年3月31日事業終了時点での棚卸資産等の帳簿価額を基礎として決定しますので、決定次第お知ら
 せいたします。
 (参考情報:2020年12月末時点の概算棚卸資産)
           マウス事業 約30百万円 抗体事業 約4百万円

現金決済を予定しております。
3.譲渡先の概要
マウス事業の譲渡先
(1) 名        称            株式会社安評センター
(2) 所    在   地            静岡県磐田市塩新田 582 番地2
(3) 代表者の役職・氏名             代表取締役社長 福永健司
(4) 事  業   内 容            医薬、農薬を主に化学物質の安全性試験の受託
(5) 資    本   金            1億円
(6) 設 立 年 月 日             2018 年4月
(7) 大株主及び持株比率             株式会社新薬リサーチセンター 100%
                          資 本 関 係 当社の連結子会社であります。
                                    当社取締役 3 名は当該会社の取締役を兼務、並びに
                          人 的 関 係
                                    当社取締役 1 名が監査役を兼務しております。
      上 場 会 社 と                     当社と当該会社との間には、  経営管理及び管理業務
(8)
      当該会社の関係             取 引 関 係 等の受託、  並びに資金の貸付等の取引関係がありま
                                    す。
                          関連当事者へ 当社の連結子会社であるため、     関連当事者に該当し
                          の 該 当 状 況 ます。

抗体事業の譲渡先
(1) 名       称             医化学創薬株式会社
(2) 所    在  地             北海道札幌市中央区北 9 条西 15 丁目 28 番地 196
(3) 代表者の役職・氏名             代表取締役社長 八並孝夫
                          ・糖鎖解析、糖鎖合成の受託
(4)   事   業       内   容   ・糖鎖関連試薬の販売
                          ・疾患関連エピトープ認識抗体医薬品(診断薬、治療薬)の創製
(5)   資       本       金   1億円
(6)   設   立   年   月   日   2010 年 10 月
                          株式会社トランスジェニック           43.0%
(7)   大株主及び持株比率           国立研究開発法人科学技術振興機構 18.7%
                          株式会社ムトウ                  9.4%
                          資 本 関 係 当社の連結子会社であります。
                                      当社及び当社子会社の取締役 2 名、  当社子会社の執
                          人 的 関 係 行役員 1 名は当該会社の取締役を兼務、      並びに当社
      上 場 会 社 と                       取締役 1 名が監査役を兼務しております。
(8)
      当該会社の関係                         当社と当該会社との間には、    経営管理及び管理業務
                          取 引 関 係
                                      等の受託の取引関係があります。
                          関連当事者へ 当社の連結子会社であるため、         関連当事者に該当し
                          の 該 当 状 況 ます。

4.日 程
(1) 取 締 役 会 決 議 日 2021 年2月 24 日
(2) 契 約 締 結 日 2021 年3月 24 日(予定)
(3) 事 業 譲 渡 期 日 2021 年4月 1 日(予定)
※本事業譲渡は、会社法第 467 条第1項第2号に定める「事業の重要な一部の事業」に該当しない事業
 の譲渡であり、株主総会の決議を要しません。

5.会計処理の概要
本件に係る会計処理について、特記すべき事項はありません。
6.今後の見通し
本件は、当社連結子会社との事業譲渡を基本とする事業再編であり、事業所の統廃合も行わないため、
当社連結業績への影響は軽微であると予想されます。
                                            以上