2160 M-GNI 2020-08-17 17:00:00
F351の第2相臨床試験の完了報告ならびに良好な試験結果の概要について [pdf]

                                                          2020 年8月 17 日

各   位
                         会 社 名        株 式 会 社 ジ ー エ ヌ ア イ グ ル ー プ
                         代 表 者 名      取締役代表執行役社長 イ    ン  ・  ル   オ
                                      兼CEO
                                            (コード番号:2160 東証マザーズ)
                         問 合 せ 先      取締役代表執行役  トーマス・イーストリング
                                      CFO
                                                 (TEL. 03-6214-3600)

    (開示情報の経過)
     F351の第2相臨床試験の完了報告ならびに良好な試験結果の概要について

 肝線維症治療候補薬として第2相臨床試験を実施していたF351について、試験の完了
と試験結果の初期段階分析が開示されましたのでご報告いたします。本臨床試験は中国
におけるB型肝炎ウィルス由来の肝線維症患者に対するF351の安全性ならびに有効性を検
証する無作為、二重盲検、プラセボ・コントロール、多施設、用量逓増試験です。

 本臨床試験では無作為抽出された168名の患者について、4つの用量逓増グループ(プ
ラセボ、180mg/日(60mgを1日3回)、270mg/日(90mgを1日3回)、360mg/日(120mgを
1日3回))を設定し、第1のエンドポイント評価項目として、F351の処方前と処方後の
肝生検による病理解析においてIshak Scoring SystemによるIshakスコアの軽減度合いと
しました。それに次ぐエンドポイント評価項目として、B型肝炎ウィルスDNAの滴定量の
減少、フィブロスキャンによる肝硬度の減少、肝炎の炎症スコアの減少、ALT(アラニン
アミノトランスフェラーゼ)数値の改善、などが測定されました。本臨床試験では52週間
の治療後の第1エンドポイント評価項目における肝線維症のIshakスコアについてプラセ
ボ群(p=0.025)に対して統計的に有意な改善結果が得られ、270mg/日(90mgを1日3回)
のグループが最も良好なIshakスコアを示しました。これは2018年9月25日に開示した第
2相臨床試験中間解析における独立データモニタリング委員会(IDMC)が示した安全性・
有効性に関する報告と一致しております。

  本臨床試験においてF351は全般的に良好な耐容性を示しました。4つの用量逓増グル
ー プ (プ ラ セ ボ 、 180mg/ 日 (60mgを 1 日 3 回 )、 270mg/ 日 (90mgを 1 日 3 回 )、
360mg/日(120mgを1日3回))それぞれにおいて、特に注目すべき有害事象(AESI)の比率
は以下のとおりです。

  皮膚および皮下組織において、11.63%、4.76%、7.14%、7.32%。胃腸管系において、
23.26%、 21.43%、 16.67%、 19.51%。 重 篤 有 害 事 象 (SAE)の 比 率 は 、 4.65%、 2.38%、
2.38%、7.32%でした。

 当社取締役代表執行役社長のイン・ルオは「この第2相臨床試験の結果については、
世界中に多数いらっしゃる肝線維症の患者様への有効な治療へ貢献できる可能性がある
ことを示す結果を得られて大変喜ばしいことです。また、今回の試験結果によって、こ
れまで有効な治療薬が見出せなかった肝線維症への治療薬の可能性のみならず、他の臓
器での線維症化の分子メカニズムにも応用できる可能性が示されているものと考えられ
ます。」とコメントしています。
 本臨床試験の詳細な分析および最終結果報告は近日中に医療学会および医学雑誌に論
文を提出することとなっております。中国ではF351は主要革新治療薬候補に認定され、
国家薬品監督管理局(NMPA)の優先審査の対象となっており、迅速な審査をいただけるこ
とが期待されます。

 当社としては、この結果を踏まえ、中国市場での上市ならびに米国、日本における可
能性の検討について、2020年9月下旬から10月上旬をめどにその戦略的な方向性につい
てお示しできるように努めてまいります。

 なお、本件に関する2020年12月期連結業績予想への影響等につきましては、2020年2
月14日の「2020年12月期の連結業績予想」で公表いたしました内容の変更はございませ
ん。

F351(一般名:ヒドロニドン)について
  F351は、アイスーリュイの誘導体である新規開発化合物であり、肝星細胞の増殖及び
内臓の線維化に重要な役割を果たすTGF-β伝達経路の両方の阻害剤です。当社グループ
は中国、日本、豪州、カナダ、米国及び欧州各国を含む主要な国でのF351の特許権を保
有しております。

                                        以   上