2039 原油ベア 2020-04-27 18:30:00
上場ETN信託受益証券の値動き、及び主な投資リスクに関するお知らせ [pdf]
2020 年 4 月 27 日
各位
ETN 発行者名 ノムラ・ヨーロッパ・ファイナンス・エヌ・ブイ
代 表 者 名 社長兼業務執行取締役 久保田 健太郎
問 合 せ 先 野 村 證 券 株 式 会 社
E T F ビ ジ ネ ス 企 画 室
野村 正明 TEL 03-3211-1811
上場 ETN 信託受益証券の値動き、及び主な投資リスクに関するお知らせ
当社発行の上場 ETN 信託受益証券である下記 2 銘柄(以下、「当該 ETN/JDR」)について、直近の原油先
物価格の大幅な価格変動を受けて、当該 ETN/JDR の基準価額、及び市場価格が大きく変動しています。また、5
月の連休後には大きな価格変動が生じる可能性があります。
当該 ETN/JDR の値動き、及び主な投資リスクについてお知らせ致します。
銘柄コード 銘柄名 連動対象指標
2038 NEXT NOTES 日経・TOCOM 原油ダブル・ブル ETN 日経・東商取原油レバレッジ指数
(以下、「原油ダブル・ブル ETN」) (以下、「原油レバレッジ指数」)
2039 NEXT NOTES 日経・TOCOM 原油ベア ETN 日経・東商取原油インバース指数
(以下、「原油ベア ETN」) (以下、「原油インバース指数」)
<連休明けの値動きについて>
2020 年 5 月 4 日から 5 月 6 日まで、3 日連続で国内株式市場や商品先物市場が休場となりますが、海外市場
では通常通り取引が行われます。
したがって、3 連休中(5 月 1 日の国内市場終了後に開く海外市場を含めると実質 4 日間)の海外市場の動きに
よっては、連休明けの 5 月 7 日の当該 ETN/JDR の基準価額や市場価格が大きく変動する可能性があります。
以下に記載する当該 ETN/JDR の値動き、及び、早期償還などの投資リスクをご勘案の上、ご投資の判断をお
願い致します。
1. 連動対象指標について
原油ダブル・ブル ETN の基準価額は、原油レバレッジ指数に連動致します。原油レバレッジ指数は、その日々の騰
落率が日経・東商取原油指数(以下、「原指数」)の日々の騰落率の 2 倍となるように計算された指数です。
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原油ベア ETN の基準価額は、原油インバース指数に連動致します。原油インバース指数は、その日々の騰落率が
原指数の日々の騰落率の-1 倍となるように計算された指数です。
原指数は、東京商品取引所で売買されるプラッツドバイ原油先物(以下、「ドバイ原油先物」)の第 5 限月又は
第 6 限月を基に計算されます。
なお、当該 ETN/JDR の連動対象指標は、ドバイ原油先物から計算された指数であり、WTI 原油先物や WTI
原油先物関連指数などではありません。
2. レバレッジ型、インバース型 ETN/JDR の主な投資リスクについて
当該 ETN/JDR は、レバレッジ型またはインバース型指標を連動対象とする ETN/JDR です。レバレッジ型またはイ
ンバース型 ETN/JDR の主な投資リスクには以下の項目があります。
① 連動対象指標の変動により基準価額等が下落し、投資元本に損失が生じるおそれがあります。また、連動
対象指標の大幅な変動によって投資元本が大幅に毀損するおそれがあります。
特に、連動対象指標の値がゼロ以下となった場合には、当該 ETN/JDR の信託財産である外国指標
連動証券はゼロ円で早期償還され、投資金額の全額を失います。
原油ダブル・ブル ETN の場合は、原指数の値が前日比 50%以上下落すると、原油レバレッジ指数は
100%以上下落し(指数値はゼロ以下)、早期償還・上場廃止となります。
過去の大幅下落の例としては、2020 年 3 月 9 日に原指数は前日比 34.9%下落し、原油レバレッジ指
数は 69.8%下落しています。 また、2020 年 4 月 22 日には、原指数は前日比 30.7%下落し、原油レバ
レッジ指数は 61.4%下落しています。
② 連動対象指標の 2 営業日以上の期間の騰落率は、同一期間の原指数の騰落率に倍数を乗じた値と
は、通常は一致しません。原指数の動きによっては、その差が拡大する場合があります。
連動対象指標の 2 営業日以上の期間の騰落率は、同一期間の原指数の騰落率を 2 倍、または-1 倍し
た値とは通常は一致せず、指数の計算上、差(ずれ)が不可避に生じます。この現象を「複利効果」と呼ぶ場
合も有ります。
2 営業日以上離れた期間における連動対象指標の騰落率と、原指数の騰落率を2倍、または-1 倍した
値との差(ずれ)は、当該期間中の原指数の値動きによって変化し、プラスの方向にもマイナスの方向にもどち
らにも生じる可能性があります。
また、一般に、原指数の価格変動性(ボラティリティ)が大きくなればなるほど、また、期間が長くなればなる
ほど、「複利効果」による差は大きくなる傾向があります。したがって、当該 ETN/JDR は、一般的に長期間の投
資には向かず、比較的短期間の値動きを捉えるための投資に向いている金融商品です。
下図は、2 営業日以上離れた期間における原油レバレッジ指数と原指数の騰落率を例示したものです。
原指数が 1 日目に前日比 20%上昇、2 日目に同 30%下落、3 日目に同 19%上昇したと仮定し、試
算しています。原指数の基準日からの累積騰落率は、3 日目にほぼゼロ%であるのに対して、原油レバレッジ指
数の累積騰落率は-22.7%となります。
この値動きの例では、原指数は上下動を繰り返して元の水準に戻りましたが、原油レバレッジ指数は元の水
準には戻りません。
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■ 各指数の騰落率
前日比 騰落率 基準日からの累積騰落率
1日目 2日目 3日目 1日目 2日目 3日目
原指数 20% -30% 19% 20.0% -16.0% 0.0%
原油レバレッジ指数 40% -60% 38% 40.0% -44.0% -22.7%
■ 各指数の値動きのイメージ
140.0
150
100.0
84.0 原指数
100
120.0 原油レバレッジ指数
50 77.3
56.0
0 ※基準日の指数値を100として試算
基準日 1日目 2日目 3日目 出所:野村證券
3. 市場価格が、基準価額やインディカティブ NAV と乖離するリスクについて
当該 ETN/JDR については、基準価額(NAV:Net Asset Value)を 1 日 1 回、取引終了後に計算し、翌
営業日に公表しています。また、東京商品取引所のドバイ原油先物の値動きを基に、「インディカティブ NAV」と呼ば
れるリアルタイムの推定基準価額も算出し、公表しています。(インディカティブ NAV は、「iNAV」や「推定 NAV」と表
記されることもあります。)
当該 ETN/JDR の東京証券取引所(以下、「東証」)における市場価格は、需給の偏り等により、基準価額や
インディカティブ NAV から乖離する可能性があります。 当該 ETN/JDR を売買する際には、市場価格と、基準価額
やインディカティブ NAV の乖離に十分にご注意下さい。
特に、ドバイ原油先物が大きく変動した際には、基準価額やインディカティブ NAV も大きく変動しますが、市場価格
は東証における制限値幅があるため、基準価額やインディカティブ NAV と大きな乖離が生じる可能性があります。
例として、2020 年 4 月 22 日にはドバイ原油先物価格が暴落し、原油ダブル・ブル ETN の基準価額は 105 円
(前日比-61.4%)となりました。しかし、原油ダブル・ブル ETN の市場価格はストップ安の 207 円(終値)(前
日比-27.9%)に留まった為、基準価額とは大きな乖離が生じました。
翌 4 月 23 日には、ドバイ原油先物は反転上昇し、基準価額も 171 円(前日比+62.9%)に上昇しました
が、市場価格は基準価額にさや寄せし 191 円(終値)(前日比-7.7%)に下落しています。
(下図をご参照下さい。)
■ 原油ダブル・ブルETNの市場価格(終値)と基準価額の値動き
287円
300
207円(ストップ安) 191円 市場価格
272円
200 基準価額
100 171円
105円
0
4月21日 4月22日 4月23日
出所:Bloombergのデータを基に野村證券作成(データ期間:2020/4/21~2020/4/23)
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なお、インディカティブ NAV は下記ウェブサイトなどで公表されています。
・日本取引所グループ ウェブサイト:https://www.jpx.co.jp/equities/products/etns/inav/index.html
・NEXT NOTES ウェブサイト:http://nextnotes.com/
4. 先物価格を基に計算される原指数の値動きについて
先物には、複数の満期月(限月)があり、限月によって先物の価格は異なります。満期の遠い先物(期先物)
ほど先物価格が高い状態を「コンタンゴ」と呼び、先物価格が安い状態を「バックワーデーション」と呼びます(下図)。
時間の経過に伴い満期が近づくにつれて、コンタンゴでは先物価格は低下し、バックワーデーションでは先物価格が
上昇する傾向があります。 なお 2020 年 4 月 24 日時点では、ドバイ原油先物はコンタンゴの状態です。
■ コンタンゴの概念図 ■ バックワーデーションの概念図
先
物 先
価 物
格 価
格
第1限月 第2限月 第3限月 第4限月 第5限月 第6限月 第1限月 第2限月 第3限月 第4限月 第5限月 第6限月
出所:野村證券
東京商品取引所のドバイ原油先物は、通常、第 6 限月(取引される先物の中で 6 番目に満期を迎える先物)
を中心限月(最も取引高が多い限月)として取引が行われていますが、時間経過によって第 6 限月は第 5 限月と
なり、1 カ月先の限月の先物が新たな第 6 限月として取引されます。その後、中心限月は新たな第 6 限月に移りま
す。
原指数は、ドバイ原油先物の中心限月を継続して保有すると仮定した場合の投資成果を再現する指数であり、保
有する限月が第 5 限月となった際には、第6限月への乗り換え(ロールオーバー)を行うものとして計算されます。ロ
ールオーバーの前後で、指数計算上の投資金額には増減は生じないので、原指数の値は連続的に推移します。
一方、新聞やニュースで報道される先物中心限月は、限月の交替を考慮せずに先物価格を単純につなげた価格
のため、限月交代のタイミングで不連続になりギャップが生じます。
こうした原指数とドバイ原油先物(中心限月)の値動きの乖離は、長期保有しロールオーバーを繰り返すことで、
大きくなる可能性があります。
※ 上記は当該 ETN/JDR の主な投資リスクの概略です。詳細は NEXT NOTES ウェブサイトに掲載の有価証券届出書を
ご参照下さい。
※ 日本取引所グループの下記ウェブサイトに掲載の「ETN 投資のリスク」もご参照下さい。
https://www.jpx.co.jp/equities/products/etns/risk/index.html
※ ドバイ原油先物価格や各指数値等は、東京商品取引所の下記ウェブサイトをご参照下さい。
https://www.tocom.or.jp/jp/index.html
以上
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