2001 ニップン 2021-11-12 15:30:00
2022年3月期第2四半期報告書の提出期限延長に関する承認申請書提出のお知らせ [pdf]

                                       2021 年 11 月 12 日
各 位
                          会    社    名 株式会社ニップン
                          代 表 者 名 代表取締役社長 前鶴 俊哉
                          (コード 番 号 2001 東証第一部)
                          問 合 せ 先 経理・財務部長 大田尾 亨
                          (Tel (03)3511-5314)


2022 年 3 月期第 2 四半期報告書の提出期限延長に関する承認申請書提出のお知らせ


 当社は、本日、企業内容等の開示に関する内閣府令第 17 条の 15 の 2 第 1 項に規定す
る四半期報告書の提出期限延長に関する承認申請書を関東財務局へ提出することを決
定いたしましたので、以下のとおりお知らせいたします。

                           記

1.対象となる四半期報告書
  2022 年 3 月期第 2 四半期報告書


2.延長前の提出期限
  2021 年 11 月 15 日


3.延長が承認された場合の提出期限
  2022 年1月 31 日


4.当該四半期報告書の提出に関して当該承認を必要とする理由
(1)サイバー攻撃の概要
      2021 年 7 月 7 日未明から当社グループ子会社のニップンビジネスシステム株式会社
  にて管理運用する当社グループの情報ネットワークにおいて、大部分のサーバー及び
  一部の端末に対し、同時多発的に全部または一部を暗号化するといった内容のサイバ
  ー攻撃によるシステム障害が発生いたしました。被害対象は当社単体の財務管理、販
  売管理といった主要な基幹システムサーバーやデータが保存されているファイルサー
  バーを含め広範囲に及び、グループネットワーク内で運用している国内グループ会社
  の販売管理システム(11 社利用)と財務会計システム(26 社利用)もその対象となり、
  その中には上場子会社であるオーケー食品工業株式会社も含まれております。被害を
  封じ込めるための対応として、当社は速やかに全サーバーの停止と社内外のネットワ
  ークの遮断を行いましたが、それにより、基幹システムをはじめとする全ての社内シ
  ステム、データが保管されている共有ファイルサーバーへのアクセスも不可となりま
  した。なお、生産管理システムの一部など、ネットワーク上独立した配置にあるサー
  バーについては影響を受けておりません。
   当社が、外部専門家に依頼し実施した調査によると、 月下旬の時点では、
                           7         障害の対
  象となる情報システムのいずれにおいても、サーバーの記憶域の全部もしくは大部分
  に暗号化が施されており、システムの起動そのものが不可能であること、サーバーの
  早期の復旧に有効な技術的手段が現状確認されていないこと、さらに、システムのデ
  ータバックアップを管理するサーバーにおいても同様の状況であり、データの復旧に
  有効な技術的手段も現状確認されていないことが報告されました。また、ランサムウ
  ェア、その他マルウェアに該当するものは発見されておらず、調査にあたっている外
  部専門家の見解によれば、本件発生の直接要因は攻撃者自身による直接の不正アクセ
  スによるものと推定されています。
   さらに、本件は情報漏洩の恐れがあることから、外部専門家に依頼し、情報漏洩の
  可能性に係る調査を実施しております。調査の結果、一部の PC・サーバー等に外部か
  らのアクセスの痕跡が見つかったとの報告を受けており、現在は該当の PC・サーバー
  等について情報漏洩の有無の確認調査を行っております。本調査によって漏洩の痕跡
  が明らかになった場合には、漏洩内容の調査を別途行う予定であります。
   併せて、当社は、再発防止に向けて外部専門家の助言を得ながら情報セキュリティ
  対策を強化すべく取り組みを進めております。


(2)BCP の発動について
   システム障害に対しての BCP については、ハード面では災害対応でデータセンタ
  ーを分散設置し、不測の事態に備えておりました。また、拠点単位でのシステム障害
  の発生も想定しておりましたが、本件は一度の攻撃でサーバーの大半が同時攻撃を受
  けたことで本社を含め全ての事業拠点が同様の事態であったため、当社の BCP で想定
  していた事態を大きく上回る状況となりました。なお、当社の情報システムのセキュ
  リティ及びバックアップ体制としては、                PC
                    サイバー攻撃による防御策として、 への不
  正侵入検知システムやウィルス対策ソフトの導入 適時の更新がされており、
                        ・            常に PC・
  サーバーが最新状態で保たれる仕組みがあり、ファイアーウォールについては外部の
  マネージドサービス会社に業務を委託し、専門的立場から助言や設定見直しが必要な
  場合は提案を受ける仕組みが構築されております。さらに、社外とのネットワーク接
  続においては、特権アカウントの使用制限や外部装置書き出しチェックなどのセキュ
  リティ監視活動を行っておりました。バックアップデータに関しては、オンラインバ
  ックアップを保管しておりましたが、前述のとおりこれらバックアップについても本
  件障害の対象となっております。
(3)対策本部の設置の経緯
   当社経営陣は今後の方針について協議し、事態の緊急性と経営影響に係る内容であ
  ることから、対策本部を設置し、事態の原因究明、二次被害の抑止策の実施、受発注
  プロセスと会計プロセスの復旧、及び情報システムの早期の復旧、並びに再発防止策
  の検討について、社外リソースの活用を含め、当社グループ全体の取組みとして対応
  にあたってまいりました。
   当対策本部にて、進捗状況と今後の復旧の進め方について協議した結果、障害規模
  の大きさ、技術的な困難さ、対象範囲の拡大に伴う調査期間の長期化といった理由に
  より、情報システムの復旧には全面的なネットワーク環境の見直し、サーバーの再構
  築、会計データの再取得等に相応の期間を要するため、主要システムの早期の復旧は
  難しいことが判明しました。
   対策本部長は、これらの協議をもとに、当対策本部の陣容について、各部より必要
  な人員を動員し、専門分科会として外部の専門家を交えた組織を構築し、また、ステ
  アリングコミッティ(運営委員会)として本件の対応にあたってのモニタリング機能を
  配置しています。各分科会は日次報告を行い、当対策本部は週次でその全体の活動を
  総括し、対応にあたっております。


(4)再発防止に向けた取り組み
  今回の事案における外部専門家からの指摘を受け、本件の再発防止及び当社情報セキ
 ュリティ対策の強化に向けて、当対策本部ではファイアーウォールのポリシー制限や全
 サーバー及び PC の侵害有無調査など適切に暫定対応をしてまいりました。暫定対応に
 ついては、外部専門家の意見によると、情報ネットワークへの端末再接続に必要な対策
 は実施されているとのことです。
  今後の取り組みとして、既に実施しているものもありますが、本件の再発防止及び当
 社情報セキュリティ対策の強化に向けて立案された具体的な実行計画を速やかに実施
 してまいります。なお、調査の結果、外部専門家からの意見も踏まえ、方針として取り
 入れるべき内容が新たに発覚した場合は、方針を再検討してまいります。


(5)決算実務再開に向けての動き
   財務会計システムについては、8 月 16 日の「2022 年 3 月期第 1 四半期報告書の提出
  期限延長に関する承認申請書提出のお知らせ」公表時点においては、現行システム復
  旧の見通しが立っておらず、外部専門家から早期復旧の可能性が低いとの説明を受け
  ておりました。
   これを受けて、当社は、決算作業を可能な限り短期間で実施する手段として、当社
  単体と一部のグループ会社が利用している財務会計システムについては、別環境にて
  システムの導入を進めることとし、本システムは、 月中旬に完全な状態で利用が可能
                         9
  となりました。一方、他の国内のグループ会社で利用している財務会計システムにつ
  いては、バックアップデータが被害を受けていなかったことから、安全性を確認のう
  え、システム障害発生前の状態に復旧し、8 月中旬に決算処理を再開いたしました。さ
  らに、連結会計システムについても新規導入を進め、 月下旬に決算作業ができる体制
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  を整えました。
   また、国内グループ会社が利用している販売管理システムについては、順次復旧作
  業を進め、10 月上旬に対象会社すべての復旧が完了しております。
   これらのシステム稼働後、速やかに第1四半期の決算作業を再開し、当社は、10 月
  29 日に 2022 年 3 月期第 1 四半期連結決算発表を行い、11 月 15 日には 2022 年 3 月期
  第1四半期報告書を提出することになっております。


(6)第 2 四半期決算作業の状況について
   前述の通り当社及び国内グループ会社の財務会計システム、国内グループ会社の販
  売管理システムは稼働を再開いたしました。しかしながら、当社単体のその他の業務
  関連システムについては、データの整合性や復旧プロセスの合理化を図るため、デー
  タの上流である受発注、入出庫、在庫管理等を担う物流管理・販売管理システムの復
  旧を最優先し、下流へと順次対応を行っていくことを基本方針とし、復旧に向けて取
  り組んでおります。
   また、今回のサイバー攻撃によって約 9 割のシステムが被害を受けたことから、二
  次障害防止のため、当社情報ネットワークを完全に遮断のうえ、
                              「原因調査」「侵害調
                                    、
  査」「漏洩調査」並びにセキュリティ対策を順次、相応の時間を掛け実施しておりま
   、
  す。そのような中、基幹システム再構築に関しては、本件原因調査の結果から安全性
  の確認作業を執り行い、セキュリティ面での対応を行った上で作業を開始する必要が
  あり、それらの確認と対応ののち、再構築を進めているところです。一方、業務継続
  に最低限必要となるシステムに関しては、代替システムを導入してまいりました。そ
  の中で、物流管理システムについては、7 月 7 日のシステム停止後から受注出荷の記
  録・入出庫等の対応を手作業で行っている状態であったため、システム復旧までの暫
  定的な処置として、受発注機能のみを搭載する代替システムを導入し、 月上旬から稼
                                  9
  働させました。
   第 1 四半期においては、決算を行うために必要な帳票類の内、半数以上は上流の各
  システムで作成された売上やリベート等主要取引のバックアップデータや印刷物が保
  管されていたため手作業による追加作成が必要な帳票類は限定されておりました。
   一方、第 2 四半期については、会計データに連動している業務管理や物流管理など
  停止した基幹システムの復旧が受発注機能のみを搭載した代替システムの仮復旧に留
  まっており、主要の基幹システム復旧が第 3 四半期末日以降にずれ込んでおります。
  従って、正常な状態であれば、各システムに入力された日々の取引データが自動的に
  集計・作成され、その後、振替伝票データへの変換・財務会計システムへの自動取り
  込みという一連のプロセスが全て手動に置き換わりました。その結果、当面の間は、
  決算処理の元となる帳票をエクセル等による手作業で作成せざるを得ない状況となっ
  ております。
   このような状況から、経理部門においても、第 1 四半期決算では印刷物で保管され
  ていた振替伝票を財務会計システムに入力しなおす単純業務が作業の中心となってお
  りましたが、第 2 四半期決算では決算の元となる資料の作成完了までに相当の労力を
  要することもさることながら、手作業で作成された帳票類をもとに本来自動作成され
  ていた振替伝票を一から作成する必要があり、第 1 四半期決算と比較し、より多くの
  作業時間を要しております。
   当社としては、決算作業を速やかに進めるために、帳票類の作成人員として担当部
  署において外部人材を活用するとともに、当社内の各部署からも応援人員を確保し対
  応しております。また、経理部門においても、振替伝票の作成作業をスピードアップ
  させるため外部人材を活用するとともに、外部専門家から決算実務全般に関わるアド
  バイス、支援を受けております。


(7)第 2 四半期報告書作成完了までの見通し
   第 2 四半期決算は、前述のとおり、人員体制を整え、手作業による作表作業及び振
  替仕訳データの入力を早急に完了出来るように作業を進めておりますが、当社単体は
  12 月中旬、グループ会社は 11 月下旬の作業完了となる予定です。その後、第 2 四半期
  連結財務諸表を作成する期間は、グループ会社の決算報告日を起点に 1 ヶ月ほどを予
  定しております。
   会計監査人による第 2 四半期レビューに関しては、基幹システムが停止している期
  間は、当社の業務プロセスを大きく変更せざるを得ない特殊な状況であるため、変更
  プロセスに対応する当社の新たな内部統制を理解した上で必要な手続きを新たに策定
  し、レビューを実施することになります。従って、レビュー期間は、第 1 四半期レビ
  ューと比較して多くの時間を要する可能性が高いとの説明を受けています。
   なお、具体的な期日やスケジュールについては、外部専門家、会計監査人と協議を
  したうえで組み立てております。
   これらのことから、当社は、四半期報告書の提出期限である 2021 年 11 月 15 日まで
  に当社の 2022 年 3 月期第 2 四半期連結財務諸表の作成及び会計監査人のレビューを
  完了することができない状況にあることから、2022 年 3 月期第 2 四半期報告書の提出
  期限延長についての申請を行うことを決定いたしました。なお、現状を踏まえ、今回
  延長申請する 2022 年1月 31 日までには、当社の 2022 年 3 月期第 2 四半期連結財務諸
  表の作成及び会計監査人のレビューを完了し、2022 年 3 月期第 2 四半期報告書を提出
  する予定としております。
   また、2022 年 3 月期第 2 四半期連結決算発表につきましても 2022 年1月 31 日まで
  には、発表する予定でおります。


5.今後の見通し
 今回の提出期限延長に関する申請が承認された場合は、速やかに開示いたします。


 株主、投資家の皆様をはじめ、関係者の皆様には多大なるご迷惑ならびにご心配をお
かけいたしますこと、心より深くお詫び申し上げます。


 当社は、安定的に食品を提供する社会的責任を果たすため、正常な操業を続けており、
これまで通りの供給を維持しております。


 また、当社といたしましては、システム復旧並びに再発防止策に向けた様々な対策を
講じております。引き続き皆様のご理解とご支援を賜れば幸いです。


                                                以 上