令和3年5月13日
各 位
会社名 若 築 建 設 株 式 会 社
代表者名 代表取締役社長 烏田 克彦
(コード番号 1888 東証第1部)
問合せ先 取締役常務執行役員
経営企画部担当 中村 誠
TEL (03)3492-0308
「中期経営計画(2021 年度-2023 年度)」の策定について
当社は、この度、2021 年度を初年度とする「中期経営計画(2021 年度-2023 年度)」を
策定いたしましたのでお知らせいたします。
先の「中期経営計画(2018 年度-2020 年度)」では、『更なる成長へ向け、経営資源の
有効活用により「収益力の強化」を図る』を基本方針に、目標達成に向け各施策に全力で取
り組んでまいりました。
この間、建設業界におきましては、公共投資、民間の設備投資とも底堅く推移し、総じ
て堅調な事業環境のもと、計画2期目(2019 年度)までの業績は増収・増益基調を継続し、
利益目標を1年前倒しで達成することができました。計画最終年度は、完成工事高の減少
と過年度工事への完成工事補償引当が重なり大幅な減収減益となりましたが、計画通期で
は純資産の増加により自己資本比率が改善し、株主配当につきましても創業 130 周年の記
念配当、また目標とした最終年度 25%以上の配当性向を実現できました。
今後の事業環境につきましては、新型コロナ感染症の世界経済への影響は長引くことが想
定されるものの、建設業への影響は限定的と考えられます。国土強靱化政策など引き続き社
会資本整備は堅調に推移すると想定され、民間設備投資におきましても長期的には都市圏を
中心として需要の回復も見込まれています。しかし一方、将来的には建設就労者の減少が懸
念され、週休二日の実現を含めた働き方改革、生産性の向上、担い手確保などが業界全体の
喫緊の課題となっています。また企業には、地球温暖化をはじめとする社会問題に積極的に
対応し、経済的価値と社会的価値の双方を実現する姿勢が求められています。
このような事業環境のもと、創業 140 周年に向けての新たなスタートにあたり、「サステ
ナビリティの追求」を基本方針とした長期ビジョンを策定し、その第1期となる新しい「中
期経営計画(2021 年度-2023 年度)」では、事業基盤の充実と ESG 経営の推進を進めてまい
ります。「すべてのステークホルダーの期待に応えられる企業」を目指して各基本戦略を推
進し、計画達成に向け全社一丸となって取組むことにより、企業価値の向上を図ってまいり
ます。
以 上
本資料の将来計画の数値につきましては、発表日現在において入手可能な情報に基づき作成したも
のであり、実際の業績は、今後様々な要因によって異なる可能性があります。
中期経営計画〔2021-2023〕
2021年5月13日
若築建設株式会社
1. 前中期経営計画の振り返り
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1.前中期経営計画(H30-R2)の振り返り
●数値計画の振り返り(単体) (単位:億円) 億円 売上高(左軸) 営業利益(右軸) 億円
2018年度 2019年度 2020年度 1,200 120
1,047
計画 実績 計画 実績 計画 実績
1,000 962 100
建設受注高 950 921 970 954 1,000 876 896 870
売上高 900 962 930 1,047 960 870 789
800 734 80
売上総利益 83 94 89 100 93 78
(%) 9.3 9.8 9.6 9.6 9.7 9.0 600 60
44
営業利益 33 41 39 44 42 24 41
33
(%) 3.7 4.3 4.2 4.2 4.5 2.8 400
24
40
22 25
経常利益 32 40 38 42 41 26
200 20
純資産 - 281 - 298 300以上 308
ROE 9%程度 11.3% 9%程度 9.7% 9%程度 5.5%
0 0
配当性向 20%以上 23.3% 20%以上 27.5% 25%以上 42.3% 2015 2016 2017 2018 2019 2020 年度
○建設受注高:計画に未達。特に2020年度はコロナ禍の影響もあり前年比7.7%減となった。
○営業利益率:2018年度、2019年度は目標達成したが、最終年度は、完成工事高の減少に加え、過年度
工事への完成工事補償引当を計上したことから、計画値を大きく下回った。
○純資産:最終年度300億円の目標値をクリア。
○ROE:2018年度、2019年度は目標値を大幅に超えたが、最終年度は上記理由により未達成。
○配当性向:計画目標値を上回る配当を実施できた。
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1.前中期経営計画(H30-R2)の振り返り
●基本戦略の振り返り
○「品質・安全」を核とした、工事施工高の緩やかな増加
・完工高 888億円(2017) → 954億円(2018) → 1041億円(2019)→ 859億円(2020)
○土木部門の更なる強化
・ICT技術の普及 ・港湾CIMの拡充 ・AI技術の導入
○民間部門の拡充
・再エネ関連受注:受注比で高い割合を維持
・民間建築:多分野への展開(高速道SA、バイオマス発電施設等)
○人員の確保・育成、活力の向上
・新卒採用の漸増 ・インターンシップの積極的受入れ ・若築建設奨学金制度の創設
・わかちく社員教育プロジェクト「はぐくみ」の立ち上げ
○海外事業の基盤強化
・大型工事の受注 → 事業量の拡大
○「更なる成長」へ積極的な資金投資
・ICT関連の研究開発へ積極的投資 → 現場への省力化技術、安全管理技術などの導入
・外注支払いの現金化
○「働き方改革」への取り組み
・週休2日へ向けたロードマップの策定 ・ICTを活用した業務改善、現場業務のデジタル化
・女性活躍推進・・・〔けんせつ小町活躍推進表彰・特別賞〕〔女性社外取締役を選任〕
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2. 長期ビジョン
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2.1 10年後に目指す姿 2.長期ビジョン
目指す姿 =「すべてのステークホルダーの期待に応えられる企業」
株主
金融機関
株主還元・利子
顧客 高品質な構造物
適切な情報開示
地域
安全な施工
社会
若築建設 インフラ整備
取引先 地域環境保全
雇用 国際
働きがい、達成感
安全な現場環境 健康かつ安全な職場 社会
環境配慮
持続可能な社会
教育機関 学生支援
社員
見学授業など 企業理念「 内外一致 同心協力 」
社内外が同じ心 (公益重視)で協力して事業を成す
初代社長・石野寛平が創業時の築港事業を評した言葉
一体となって持続可能な社会の実現へ
SDGsの理念「地球上の誰一人取り残さない(leave no one behind)」
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2.2 基本方針 2.長期ビジョン
『サステナビリティの追求 ~創業140周年に向けて~』
「品質・安全」を核とした施工をベースに3つの持続性を追求
Sustainability Ⅰ ・企業価値の向上
市場での持続性 ・安定した株主還元
すべてのステーク
Sustainability Ⅱ ・アフターコロナの事業継続力
ホルダーの期待に
組織の持続性 ・社員の満足度向上 応えられる企業へ
Sustainability Ⅲ ・地域への社会貢献
社会の持続性 ・地球環境問題への対応
2021 2030
中期 Phase1 (2021-2023)
経営 事業基盤の強化と
Phase2 Phase3
計画 ESG経営の推進
(2024-2026) (2027-2029) 創業140周年
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3. 2021-2023年度 中期経営計画
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3.1 基本戦略 3.2021-2023中期経営計画
Sustainability Ⅰ Sustainability Ⅱ Sustainability Ⅲ
市場での持続性 組織の持続性 社会の持続性
・PBRの改善 ・現場人員構成
当社の課題 ・SDGsへの取り組み強化
・開示情報の充実 ・生産性の確保
・証券市場再編 ・働き方改革 ・カーボンニュートラル
関連情勢
・会社法、CGCの改訂 ・担い手確保 ・再生可能エネルギーへの期待
必要戦略
事業基盤の強化とESG経営の推進
事業基盤の強化 E(環境) S(社会) G(ガバナンス)
顧客ニーズに応えられる 再生可能エネルギー分野 安全かつ良質な 新様式をふまえた
企画・提案力の強化 への注力 インフラの提供 リスクマネジメント
アフターコロナにおける
生産性の向上 建設工事でのCO2削減 働きがいのある職場環境
ガバナンスの強化
人的資源の充実 建設業を担う人材の育成 コンプライアンスの徹底
ブルーカーボンな 、
ど 海洋
協力会社との共生
財務体質の強化 環境改善への取組み IRの強化
地域社会への貢献
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3.2 事業基盤の強化 3.2021-2023中期経営計画
●事業戦略 ~ 顧客ニーズに応えられる企画・提案力の強化
土木事業 海外事業
・総合評価提案力の向上による官庁シェアの拡充 ・ODA案件への積極的な取組み
・再生可能エネルギー関連受注の継続•拡大 ・海外進出邦人企業への営業強化
・民間顧客への企画・提案営業力の強化 ・ローカルエンジニアの育成
・ECI発注方式への対応強化
七里長浜風力発電所
昭和四日市石油㈱
九州新幹線嬉野高架橋 平良港(-10m)岸壁 四日市製油所桟橋 アピア港(サモア)
建築事業 不動産事業
・多分野への展開 ~ 工場、倉庫、交通施設、病院、学校など ・所有不動産の有効活用
・港湾区域での営業強化 ~ 国際戦略港湾の背後地など ・収益用賃貸物件の強化
・不動産事業との連携
バイオマス発電所 高速道SA施設 小学校校舎 病院 住宅型老人ホーム
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3.2 事業基盤の強化 3.2021-2023中期経営計画
●生産性の向上 ~ 若築DXの推進
省力化施工への研究開発 SDGs KPI 2030年までに 現場支援室の設置
・ICTによる半自動化システムの拡充 ・BIM/CIM対応の強化
作業生産性を20%UPさせる
・プレキャスト化技術の開発 技術開発を5件以上 ・現場ICTの推進/浸透
・非接触、遠隔化技術など (現在まで完成1件、開発中2件)
港湾CIM導入事例
業務の効率化
・既存システムの連携強化
吊荷回転制御装置「水中ジャイロ」 コンクリート締固め管理システム ・RPA等の導入など
●人的資源の充実 ●財務体質の強化
採用活動の強化
機動的・安定的な資金調達
ダイバーシティの推進
キ ッ ュ コ バ ジ ン サ ク
ャ シ ・ ン ー ョ ・ イ ル
「働き方改革」による従業員エンゲージ
の短縮
メントの向上
自己資本比率の充実
教育システム「はぐくみ」の展開 オンラインでの職員研修
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3.3 ESG経営の推進 3.2021-2023中期経営計画
Environment(環境)
●再生可能エネルギー分野への注力
SDGs KPI
洋上風力発電への取組み 2030年までに
・施工コスト低減への研究・開発
再エネ関連施設建設
・洋上風力関連施設整備事業への参画 年間発電量累計
・多機能作業船建造への取組み 100億kWh
大型バイオマス発電事業への参画 現在までの累計値
秋田港 能代港
30億kWh
太陽光、小水力発電も取り組み継続 洋上風力拠点基地整備工事
●建設工事でのCO2排出削減 SDGs KPI
2030年までに
ハイブリッド浚渫船の運用
施工段階のCO2排出量
施工生産性の向上
ハイブリッド浚渫船『若鷲丸』 (1990年度比)
低炭素燃料の使用 (自社保有) 30%削減
(BDF・GTLなど) ・環境対応型エンジン発電機
直近3ヶ年平均
・回生エネルギーの利用
現場ソーラーハウスの展開 ・ICT浚渫管理システム 26%削減
●環境再生/環境影響の低減 ●海洋環境改善への取組み強化
環境再生事業 海浜清掃などボランティア活動
・湖沼浚渫、河川浚渫
環境影響低減技術の開発 ブルーカーボンへの取組み
・浚渫土減容化技術 海上工事での汚濁低減
・建設副産物の有効活用技術 新宿御苑底泥除去工事 海岸清掃活動
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3.3 ESG経営の推進 3.2021-2023中期経営計画
Social(社会)
●安全かつ良質なインフラの提供
労働災害撲滅へ~効果的なリスクアセスメントの実践
・クレーンカメラAIの現場展開
品質管理体制の強化(現場コミュニケーションの充実)
・品質アドバイザー制度、クロスパトロール AIで人物を検知
・遠隔臨場による施工パトロール
技術系職員のスキルアップ
・オンラインでの階層別教育・研修
・リカレント教育制度によるレベルアップ クレーンカメラAIによる作業員認知 遠隔臨場によるパトロール
●働きがいのある職場環境 ●協力会社との共生
健康経営の推進 現場省力化への一体的取組み
現場週休二日の完全定着 技術交流会など職員教育の支援
・若築DXによる業務効率化 建設キャリアアップシステム運用支援
・現場業務のアウトソーシング テレワーク日毎会議
多様な働き方によるワークライフバランスの充実 ●地域貢献
・テレワーク制度の活用 防災/減災事業への取組み
工事現場周辺での社会支援
●建設業を担う人材の育成 ・パトロール/清掃活動など
海洋国の礎を築くための人材育成プログラム 寄付活動(LED夜間照明など)
・産官学連携教育プログラム ・若築奨学金制度 わかちく史料館での見学会
現場見学会/出前授業/インターンシップ制度 ・建設業の歴史と役割の学習
わかちく史料館
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3.3 ESG経営の推進 3.2021-2023中期経営計画
Governance(ガバナンス)
●新様式をふまえたリスクマネジメント
感染症対策の徹底
・非接触・遠隔化等によるディスタンス確保
・感染状況に応じた店社勤務体制
ニューノーマルにおけるBCP計画策定
・危機発生時の情報収集システムの強化など
基幹システムの強化 アクリル板による遮断 ディスタンスをとった朝礼 非接触での体温計測
・データのクラウド化 ・情報セキュリティの強化
●コーポレートガバナンスの強化 株主総会
企業理念の浸透 『内外一致 同心協力』 取締役会 指名・報酬
諮問委員会
ガバナンス体制の強化 業務執行会議
監査役会
・独立社外取締役の増員(1/3以上)
内部統制
・指名・報酬諮問委員会の効果的運営 会計監査人 危機管理室 各部署 監査チーム
・業績連動報酬/株式報酬制度の導入
●コンプライアンスの徹底 ●IRの強化
内部/外部通報制度の効果的運用 安定した株主還元
・自社株式取得の検討・実施
危機管理室による機動的対応
誠実かつ適時の情報開示
各マネジメントシステムによる監査の充実 ・コーポレート・レポートの発行
統合(品質・環境) 内部統制 労働安全 防災 ・英文での情報開示(短信、ホームページ)
MS システム MS MS 株主・投資家との対話の充実
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3.4 経営目標と投資計画 3.2021-2023中期経営計画
億円 売上高(左軸) 営業利益(右軸) 億円
●経営目標数値(単体・計画最終年度) 1,200
1,047
120
962
受注高 1,000億円 1,000 896 870
100
800 80
営業利益 50億円
600 44 60
41
ROE 9% 400
33
40
24
配当性向 30% 200 20
0 0
自己資本比率 40% 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 年度
売上高と営業利益の推移イメージ
●投資計画
設備投資 船舶機械、収益用不動産など
地盤分野、コンクリート分野、海上施工・ICT施 3カ年計
研究開発投資 工関連、環境分野など
80億円
DX投資 ICT機器、基幹システムの合理化など を想定
人材投資 階層別研修、奨学金制度、採用強化など
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