1861 熊谷組 2021-05-13 15:00:00
中期経営計画(2021~2023年度)の策定に関するお知らせ [pdf]

                                                          2021 年 5 月 13 日
各 位


                                          上場会社名   株式会社 熊 谷 組
                                          代表者名    取締役社長 櫻野 泰則
                                          コード番号   1861
                                          上場取引所   東証第1部




          中期経営計画(2021~2023年度)の策定に関するお知らせ


                                    」を策定しましたので、お
 当社は2021年度を初年度とする「中期経営計画(2021~2023年度)
知らせいたします。


 当社はこれまで、建設事業を通して代々受け継がれてきた創業者の思い「誠実さ」と「挑戦
心」をモットーに、その時々の社会課題に対応し、社会の発展に尽力してまいりました。昨今、
自然災害が激甚化・頻発化し、また、高度経済成長期に整備された社会インフラの老朽化が進
行するなど、人々の暮らしや産業の発展を支える基盤に大きな影響を及ぼしています。加えて、
新型コロナウイルス感染症の拡大は人々の価値観や行動様式を変化させるなど、まさに将来の
不確実性が高まっています。


 このような経営環境のもと、
             時代の変遷とともに顕在化している社会課題と真摯に向き合い、
「持続可能な社会」
        「快適に暮らせる社会」
                  「経済が成長する社会」の形成を通して、
                                    “限りある
資源が循環し、ひと・社会・自然が豊かであり続ける社会”の実現に貢献することが当社グル
ープの担う役割であると認識し、社会から求められる建設サービス業の担い手として、時代を
超えてお客様と社会を支え続けていく決意を新たにしました。


 今般策定した中期経営計画は前計画の考え方を踏襲しつつ、①建設請負事業の深化、②建設
周辺事業の進化、③新たな事業領域の開拓、④経営基盤の強化を基本方針に定め、グループ一
丸となって持続的成長への弛まぬ挑戦を続けてまいりますので、皆様におかれましては引き続
きご支援を賜りますようお願い申し上げます。


                                                                   以 上
 <本件に関するお問合せ先>
      株式会社 熊 谷 組
      経 営 戦 略 室       コーポレートコミュニケーション部    03-3235-8155
      管   理   本   部   主      計       部     03-3235-8606
  熊谷組グループ

中期経営計画
   2021~2023 年 度
~持続的成長への弛まぬ挑戦~




           2021年5月13日



    🄫2021 KUMAGAI GUMI C O., LTD .
          Index                   1   はじめに               P.   2

                                  2   前計画の総括             P.   3

                                  3   経営計画体系             P.   4

                                  4   社会課題認識と目指す社会       P.   5

                                  5   目指す社会の実現に向けて担う役割   P.   6

                                  6   基本方針               P.   7

                                  7   戦略                 P.   8

                                  8   財務目標               P.   12

                                  9   非財務目標              P.   14

                              10 投資計画                    P.   15




🄫2021 KUMAGAI GUMI C O., L TD .                                    1
  1       はじめに

              当社は、2021年度を初年度とする「中期経営計画(2021~2023年度)」を策定しました。

              当社は、創業者 熊谷三太郎の言葉 「いつか世の中のお為になるような仕事をさせていただきたい」
              「難所難物(困難な工事)があれば、私にやらせてください」に込められている“誠実さ”と“挑戦心”
              を受け継ぎ、その時々の社会課題に対応し、社会の発展に尽力してきました。

              昨今、自然災害が激甚化・頻発化し、また、高度経済成長期に整備された社会インフラの老朽化が
              進行するなど、人々の暮らしや産業の発展を支える基盤に大きな影響を及ぼしています。加えて、
              新型コロナウイルス感染症の拡大は人々の価値観や行動様式を変化させるなど、まさに将来の不確実
              性が高まっています。

              このような経営環境のもと、今般策定した中期経営計画では、前段に「長期構想」を掲げました。
              これは2017年に定めた中長期経営方針を踏襲しつつ、新たに定めた“2030年以降を見据えた経営方針”
              です。時代の変遷とともに顕在化している社会課題を踏まえ、将来に向けて目指す社会を構想し、
              その実現に向けて当社グループの担う役割を述べています。

              そして、後段の「中期経営計画」では、長期構想のもと“今後3年間の方針・戦略・目標”を掲げました。
              前計画の数値目標については満足のいく結果となりませんでしたが、“連結経常利益500億円”を持続的
              成長による中長期的な数値目標と位置づけ、そこに向けて注力する取り組みを述べています。

              当社グループは“社会から求められる建設サービス業の担い手”として、いつの時代も社会課題と真摯
              に向き合い、目指す社会の実現に貢献していきます。




🄫2021 KUMAGAI GUMI C O., L TD .                                    2
  2         前計画(2018~2020年度)の総括

            連結業績                                                           ROE                           配当性向
             売上高は概ね順調に推移したものの、経常                                          目標値の12%を                       目標値の30%を目途に
             利益は当初想定していた利益率を実現する                                          前後する                           安定的な配当を
             ことができず、目標値に届きませんでした。                                         推移となりました。                      行いました。



                                         実績                                             連結売上高                    連結経常利益
                ROE      配当性向
    25.0%                                                                   40.0%     累計        累計               累計      累計
                                              35.0%                                1兆2,800億円 1兆2,755億円          830億円   807億円
                                                                  31.2%
    20.0%                                              28.8%
                                                                            30.0%

    15.0%                                                13.7%                       4,600     4,502   2020年度    330     284
                                              10.2%               11.5%     20.0%
    10.0%

                                                                   (億円)     10.0%
     5.0%                                                        4,502               4,200     4,362   2019年度            257
                連結売上高          連結経常利益                 4,362                                                      260
                                          3,891
     0.0%                                                            284    0.0%
                                                266       257

                                                                                     4,000     3,891   2018年度    240     266



              2015      2016      2017        2018     2019       2020     年度         目標       実績                目標     実績
                                                      前計画期間



🄫2021 KUMAGAI GUMI C O., L TD .                                                                                                 3
  3       経営計画体系
          経営環境の変化を踏まえ、グループビジョンのもと、ESG視点で経営の方向を定めました。



                                  普遍的な思い
                                  独自の現場力*1を高め
                                  独自の価値(しあわせ品質*2)をつくり
                                  時代を超えてお客様と社会を支え続ける



                                      担う役割
                                      限りある資源が循環し、ひと・社会・自然が
                                      豊かであり続ける社会の実現に貢献する
                                      「社会から求められる建設サービス業の担い手」




                                          注力する取り組み
                                           建設請負事業の深化         新たな事業領域の開拓
                                           建設周辺事業*3の進化       経営基盤の強化




                                  *1 優れた技術力を豊かな人間力で活かす現場力
                                  *2 建造物の外形的・機能的な品質に加え、そこに集う人、そこを使う人が満足し続けられる品質
                                  *3 自ら出資あるいは資産保有等を行い、事業主体として参画する事業



🄫2021 KUMAGAI GUMI C O., L TD .                                                   4
  4       社会課題認識と目指す社会
          時代の変遷とともに社会課題が顕在化し、 しかもそれは多種多様で、それぞれが複雑に絡み合っているため、
          単純な解決策は見つけにくくなっています。当社グループはそのような社会課題と真摯に向き合い、
          「持続可能な社会」 「快適に暮らせる社会」 「経済が成長する社会」の形成を通して、 “限りある資源が
          循環し、ひと・社会・自然が豊かであり続ける社会”を目指します。


                                                目指す社会
                                                持続可能な社会
                    快適に暮らせる社会                                       経済が成長する社会
                        安らぎと満足感の              温室効果ガスの    資源の         世界中から人が集まる
                          ある暮らし               排出削減・回収   有効活用・          実験・実証都市
                                               ・貯蔵・活用   自給自足
               居住地や               迅速な復旧・                         デジタル技術を
                                                                                   各地域独自の
             インフラによる              復興ができる                           活用した
                                                                                    経済・産業
             不利益がない社会               仕組み                           効率的な基盤




                       人口偏在による狭苦しさ                       資源の                都市の
                         コミュニティ崩壊              地球温暖化                       競争力低下
                                                        需給バランス
                                              気候変動の進展
                                                          崩壊
             国・自治体の財政悪化            自然災害の                          非効率的な            人口減少にともなう
               インフラ老朽化            激甚化・頻発化                          都市基盤              経済力低下


                                            2030年以降を見据えた社会課題


🄫2021 KUMAGAI GUMI C O., L TD .                                                                5
  5       目指す社会の実現に向けて担う役割
          目指す社会を実現するためには、地球環境と共生しつつ、人々が健やかに暮らし、産業が力強く発展できる
          基盤が必要です。当社グループは「社会から求められる建設サービス業の担い手」として、時代を超えて
          お客様と社会を支え続けていきます。


                                                目指す社会
                                  限りある資源が循環し、ひと・社会・自然が豊かであり続ける社会
                                                持続可能な社会

                                    快適に暮らせる社会             経済が成長する社会




                                                実現に貢献


                                           熊谷組グループの担う役割



                                  建設技術の使い手として難所難物に挑み、
                          社会基盤づくりの担い手としてハードとソフトの両面で多様な価値を提供する




🄫2021 KUMAGAI GUMI C O., L TD .                                       6
  6       基本方針
          長期構想を起点に課題認識し、盤石な経営基盤のもと、コア事業である建設請負事業を深化させ、成長領域と
          位置づける建設周辺事業を進化させるとともに、新たな事業領域の開拓にも挑戦し、貢献の幅を拡げます。


            長期構想                      中期経営計画

            限りある資源が循環し、               課題認識            基本方針
            ひと 社会 自然が豊かで
              ・ ・
            あり続ける社会の
                                                        事業
            実現に貢献する
                                         カーボン
                                                             建設請負事業の深化
                                        ニュートラル
                    目指す社会

                                                             建設周辺事業の進化
                    持続可能な
                      社会
                                                  事
                                  起     国土強靱化・    業
                                  点    インフラ長寿命化   推          新たな事業領域の開拓
                                                  進
                  快適に暮らせる
                     社会

                                                        基盤
                                        都市高度化・
                  経済が成長する               デジタル社会
                     社会                                      経営基盤の強化




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  7                事業戦略①:建設請負事業の深化

          コア事業である建設請負事業の強化・効率化を図り、収益性を高めます。


              区分                  国内土木事業         国内建築事業             海外建設事業


                            インフラ大更新分野         生産・商業・物流分野         アジア地域の
                                               医療・福祉分野             都市インフラ整備分野
                            再生可能エネルギー分野
                                               中大規模木造建築分野         アジア地域に進出する
            注力分野
                            防災・減災、国土強靱化分野                          日系企業の支援
                                               市街地再開発分野
                                                                   台湾における
                            資源循環分野            環境配慮リニューアル分野        圧倒的な地位の確立




                            大規模・多工種案件を        営業・設計・施工が         国内外営業ネットワークの
                             包括的に対応するための        一体となった顧客対応力の強化     強化
                             マネジメント力の強化
                            設計・調達・施工を         建設市場の変化を早く見極め、    国内外パートナーとの
            強化施策             ワンストップで対応するための     適応する力の強化           連携の深化
                             エンジニアリング力の強化
                            施工から得られる          ICT/BIMを活用した      技術営業力・ソリューション
                             ビッグデータの高度利用による     フロントローディングの強化      営業力の強化
                             生産性の向上




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  7                事業戦略②:建設周辺事業の進化

          成長領域と位置づける建設周辺事業*を加速し、確固たる収益源を創出します。


                              再生可能
              区分                          不動産開発事業     インフラ運営事業          技術商品販売事業
                            エネルギー事業


                            住友林業との        都市再生・      有料道路事業          バイオマス燃料開発・
                             協業を含む          まちづくり事業                      販売事業
                             木質バイオマス
                                                                        インフラリニューアル
                             発電事業          住友林業との     PPP・コンセッション      工法開発・販売事業
            注力分野                            協業を含む       事業(海外含む)
                                            不動産開発事業                     介護・福祉機器開発・
                            風力 太陽光
                               ・
                                           (海外含む)                        販売事業
                             発電事業(海外含む)
                                                                        建築仮設(鉄骨建方治具等)
                                                                         事業




                                   案件組成・事業運営など専門スキルのレベルアップとノウハウの蓄積

            強化施策                   グループ連携の深化による共同技術開発及び経営資源流動化の促進

                                   グループの枠を超えた企業等とのパートナーシップの強化


                                                          *自ら出資あるいは資産保有等を行い、事業主体として参画する事業




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  7               事業戦略③:新たな事業領域の開拓

          新たな事業領域の開拓にも挑戦し、目指す社会の実現に貢献できる領域を拡大するとともに、
          事業環境の変化に対応できるよう事業機会の創出を目指します。



                                   資源循環                         再生可能
                                            現場力                エネルギー           都市再生
                 木造建築                                                         まちづくり


       インフラ
                                                                         建設周辺事業領域            PPP/PFI
       大更新           建設請負事業領域                                   インフラ
                                          技術力   人間力            維持メンテ


                                  市街地
              国土                  再開発      建設請負
              強靱化                          (土木・建築)
                                                                        施設
                                                                       所有運営
                                                                                             スマート
                                                                                             シティ
                                                        エリア
                                                      マネジメント    新たな事業領域
                                                                                      都市緑化
                                                                  インフラ
                                                                  包括管理




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  7                基盤戦略:経営基盤の強化

          経営を支える基盤を一層強化し、事業推進の実効性を高めます。


              区分                  デジタル化       技術開発         人財開発           ガバナンス




                           新基幹システムの        脱炭素・循環型      多様な人財が能力を    ESG経営の推進による
                            利活用による           社会に資する        最大限に発揮できる     長期的かつ持続的な
                            業務プロセスの          研究開発の推進       環境・制度の整備      企業価値の向上
                            効率化・自動化

                           ビジネス変革に向けた      デジタル社会に      ニューノーマルに     グループ連携の
            注力取組            DX推進体制の整備        対応する技術開発の     対応する新しい       深化によるシナジーの
                                             推進            働き方の推進        更なる創出


                           社員のITリテラシー向上    建設高度化に資する    高付加価値人財の     リスクマネジメントの
                            及び他社との協業         技術開発の推進       確保に向けた制度の     徹底による安定した
                            によるDX人財の確保                     整備と育成の強化      経営の維持




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  8       財務目標

          計画期間中、4つの財務指標について数値目標を設定します。




                              連結売上高          連結経常利益
                                  【2023年度】    【2023年度】



                         4,700 億円            330 億円

                                   ROE        配当性向

                             12% 以上          30%目途

🄫2021 KUMAGAI GUMI C O., L TD .                          12
  8       財務目標(セグメント別業績)


                     国内土木事業         国内建築事業                  海外建設事業    国内グループ会社事業                建設周辺事業


                                                                      連結売上高
                                                                     4,700
                         連結売上高                                                                           連結経常利益
                       4,502億円                                                                           500
                                                                               億円

               (億円)                                                                      20
                                                                        750
                                                   3                               55             85
                             747        51
                                                       77
                                                                       300              連結経常利益
                             172    1                                          5
                                        連結経常利益

                                        284 億円
                                                                                        330億円
                                                                                          165
                                             152                       2,400
                            2,369




                            1,214
                                                                       1,250



          前計画期間              2020年度                     計画期間           2023年度                   目指す将来の姿(2030年目標)




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  9       非財務目標
          「ESG取組方針*」のもと、持続可能な社会の形成と自らの持続的な成長のため、 ステークホルダーにとって
          重要と考えられる課題をESG視点で特定し、 事業活動を通して社会課題の解決(社会価値)と事業収益の拡大
          (経済価値)の双方を追求します。


                                                                        計画期間中の
               ESG視点                         主な評価指標                                  SDGsへの貢献
                                                                         数値目標


                                  CO2排出量削減率(スコープ1、2)                     【2030年】
                                  スコープ1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出            2019年度比▲25%
                環境                スコープ2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用にともなう間接排出

            Environment
                                  混合廃棄物排出率                               2.0%以下
                                  建設廃棄物総排出量に占める混合廃棄物総排出量




                                  安全度数率                                   0.5以下
                                  100万延べ実労働時間当たりの労働災害による死傷者数
                社会
                Social
                                  社員の時間外労働時間数                           30時間以下
                                  1ヶ月間に実施した時間外労働時間数の平均




             ガバナンス                重大な法令違反発生件数
             Governance           行政処分及び行政措置等を含む
                                                                           0件


                                                                                       *当社ウェブサイト参照



🄫2021 KUMAGAI GUMI C O., L TD .                                                                      14
 10       投資計画
          人口減少や財政制約などにより将来的に国内建設市場は縮小均衡に向かい、競争が一段と激化していくと
          想定されることから、コア事業である建設請負事業を一層強化し、建設周辺事業への取り組みを加速する
          など、競争力強化と収益源多様化による安定収益確保のために、400億円規模の投資を行います。


                                             投資規模


                                             400 億円

              建設請負事業の             建設周辺事業の       新たな事業領域の       経営基盤の
                 深化                  進化            開拓           強化
                                    再生可能            社会課題の解決に
                    インフラ                                       デジタル化関連
                                  エネルギー分野           貢献するための
                   大更新分野
                                                     技術研究開発
                                  不動産開発分野                      技術開発関連
                                                    新たな事業機会を
                   中大規模
                                                    創出するための
                  木造建築分野          インフラ運営分野                     人財開発関連
                                                     他社との連携




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                       【将来事象に関する注意事項】
本資料に記載されている戦略や計画、数値目標等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する
   一定の前提に基づいておりますが、経営環境の変化等によって変動する可能性がありますことをご承知おきください。



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