1852 浅沼組 2020-05-14 15:00:00
株主提案権行使に係る書面の受領及び当社取締役会意見に関するお知らせ [pdf]

                                                                              2020 年5月 14 日

 各   位

                                             会 社      名     株式会社 淺沼組
                                             代 表 者    名     代表取締役社長 浅沼 誠
                                             コード番    号     1852(東証第1部)
                                             問 合 せ    先     執行役員社長室次長 兼 経理部長 兼
                                                            コーポレート・コミュニケーション部長
                                                            八木 良道
                                             電 話 番 号        06(6585)5500



     株主提案権行使に係る書面の受領及び当社取締役会意見に関するお知らせ


 当社は、2020年6月開催予定の第85期定時株主総会における議案について、株主提案権行使に係る書面を受領
しておりましたが、本日開催の取締役会において、本株主提案について反対することを決議いたしましたので、
下記のとおりお知らせいたします。

                                            記


Ⅰ.提案株主

  株主名:INTERTRUST TRUSTEES (CAYMAN) LIMITED SOLELY IN ITS CAPACITY AS TRUSTEE OF JAPAN-UP
       及び 株式会社ストラテジックキャピタル



Ⅱ.本株主提案の内容及び提案の理由

  1.議題
    (1)政策保有株式の売却に係る定款変更の件
    (2)剰余金を処分する件

  2.議案の内容及び提案の理由
    別紙「本株主提案の内容及び提案の理由」に記載のとおりです。
    なお、別紙「本株主提案の内容及び提案の理由」は提案株主様から提出された本株主提案に係る書面の
   該当記載を原文のまま掲載したものであります。
Ⅲ.本株主提案に対する当社取締役会の意見

  1.政策保有株式の売却に係る定款変更の件

    (1)当社取締役会の意見
       当社取締役会としては、本株主提案に反対いたします。

    (2)反対の理由
        当社は、2020年3月末時点で政策保有株式として6,900百万円(連結貸借対照表計上額)の上場
      株式を保有しておりますが、上場株式につきましては、保有先からの配当や工事粗利益の便益が
      2019年3月期末までは当該期末の「資本コスト(WACC)」を下回る場合に、そして2020年3月期
      末以後においては当該期末の「株主資本コスト」を下回る場合に縮減する方針とし、翌期首の定
      例取締役会において、個別銘柄毎の保有の適否を検証しております。
        それにより、2019年3月期においては3銘柄997百万円、2020年3月期においても3銘柄139百
      万円の株式を売却いたしました。
        今後とも上記方針に則り、政策保有株式の残高を2022年3月期末までに連結純資産の10%未満
      にすることを目途に縮減を進めていく所存です。

       従いまして、第86期(2021年3月期)から第88期(2023年3月期)までの3期中(2020年4月
      から2023年3月)に全ての政策保有株式の売却を求める定款変更である本提案は、上記方針と合
      致せず、当社の企業価値の向上に資さないと判断しております。よって、当社取締役会としては
      本提案に反対いたします。

  2.剰余金を処分する件

    (1)当社取締役会の意見
       当社取締役会としては、本株主提案に反対いたします。

    (2)反対の理由
       当社は、株主還元の基本方針として、剰余金の処分については、株主様への利益還元を最重要
      施策として考え、それを実現するため、将来の事業展開に必要な新技術の開発等をしつつ、会社
      の競争力の維持強化に努め、業績に裏付けられた成果配分を行うことを基本方針としております。

        当社は、業績悪化により2012年3月期から3期連続無配となりましたが、財務体質の改善をす
      すめ2015年3月期に復配し、2019年5月には中期3ヵ年計画(2019年3月期~2021年3月期)の
      配当方針として「2019年3月期・連結配当性向30%以上、2020年3月期・同40%以上、2021年3月
      期・同50%以上」とする旨を開示いたしました。
        そしてこの配当方針に則り、2019年3月期に1株当たり153円、連結配当性向30.3%を実施し、
      2020年3月期に1株当たり216円、連結配当性向40.5%を2020年6月開催予定の第85期定時株主総
      会に議案として提出いたします。2021年3月期につきましては、連結配当性向50%以上といたしま
      すが、現時点では新型コロナウイルス感染症の業績への影響が不透明であり、1株当たりの配当
      を未定としております。
        また、保有する資金や年間の利益から生じる配当支払い後の資金の活用につきましては、中期
      3ヵ年計画において、「3年間で200億円を技術研究関連投資、ICT関連投資、コンセッション事
      業や海外展開投資、協力会社への支払いの現金化のために投入する」としておりますが、この資
      金活用は業績の安定的成長に寄与し、株主の皆様に継続的に成果を還元するために必要不可欠な
      ものであると考えております。
        なお、これらの資金使途のために2019年3月期と2020年3月期に併せて約150億円を投入し、中
      期3ヵ年計画の最終年度となる2021年3月期には新型コロナウイルス感染症の影響を見極めつつ
      投入額を決定する所存です。

       従いまして、当期純利益の100%の配当を求める本提案は、当社の株主還元の基本方針及び持続
      的成長に不可欠な資金の活用策に合致せず、当社の企業価値向上に寄与しないと判断しておりま
      す。よって、当社取締役会としては本提案に反対いたします。
                                                 以上
別紙「本株主提案の内容及び提案の理由」
※提案株主様から提出された本株主提案に係る書面の該当記載を原文のまま掲載しております。

第1 提案する議題
 1.政策保有株式の売却に係る定款変更の件
 2.剰余金を処分する件

第2 提案の内容
 1.政策保有株式の売却に係る定款変更の件
   現行の定款に以下の章及び条文を新設する。

  第8章 政策保有株式の売却
  第35条(政策保有株式の売却)
  当会社が、本条を追加する定款変更の効力発生日現在、貸借対照表に計上している政策保有株式は、第8
  6期から第88期までの3期中に速やかに売却するものとする。

 2.剰余金を処分する件
   (1)配当財産の種類
      金銭
   (2)配当財産の割り当てに関する事項及びその総額
       518円から、第85期定時株主総会において可決された当社取締役会が提案した剰余金処分に
      係る議案(以下「会社側利益処分案」という。)に基づく普通株式1株当たり配当金額(以下「会
      社提案配当金額」という。)を控除した普通株式1株当たりの配当金額を、会社提案配当金額に加
      えて配当する。
       第85期1株当たり当期純利益金額から小数点以下を切り捨てた金額(以下「実績EPS」とい
      う。)が518円と異なる場合は冒頭の518円を実績EPSに読み替える。
       なお、配当総額は、上記の普通株式1株当たりの配当金額に、当社の第85期定時株主総会の議
      決権の基準日現在の配当の対象となる株式数を乗じた額となる。
   (3)剰余金の配当が効力を生じる日
      当社の第85期当社定時株主総会の開催日の翌日
     なお、本議案は、第85期定時株主総会に会社側利益処分案が提案された場合、同提案とは独立かつ
    同提案と両立するものとして、追加で提案するものである。

第3 提案の理由
 1.政策保有株式の売却に係る定款変更の件
    当社は、2019年3月期に住友不動産株式会社株式を政策保有株式として10万株買い増した。また、
   当該株式の貸借対照表計上額は、2019年3月末現在において12億38百万円と、前期の6億68百
   万円からほぼ倍増した。そして、当社は2019年3月末現在、貸借対照表計上額で92億67百万円と
   なる55銘柄の政策保有株式を保有している。
    当社の2019年6月27日付にて提出された有価証券報告書によれば、政策保有株式の株式発行企業
   は、当社の取引先であり、保有の目的は「取引先との友好関係強化の為」及び「取引関係の強化の為」と
   説明されている。取引先との友好関係を強化しても当社の株主価値が向上するとは考えがたく、また、株
   式を保有することがなぜ取引関係の強化につながるのかも理解しがたい。
    政策保有株式を保有することは、すなわち安定株主として当該株式を保有することであり、これは当該
   株式発行会社の取締役の保身に協力するものである。株主から預かっている当社の大切な資本をそのよう
   な他社の取締役の保身への協力などという不適切な目的に使用して、不稼働資産である政策保有株式とし
   て眠らせることは妥当でなく、効率的に活用するべきである。
    当社は、現在保有する政策保有株式を早期に全て売却し、その売却代金を当社の株主価値向上のために
   使うべきである。具体的には、政策保有株式を、今期を含む今後3期以内に売却することとする。

 2.剰余金を処分する件
    「第2 提案の内容 2.剰余金を処分する件」に記載の518円とは、2020年4月23日現在最
   新の当社予想1株当たり当期純利益の金額である。本件は、会社提案の1株当たり配当金がいくらであっ
   ても、当期純利益全てを配当すること、つまり、配当性向100%を企図した提案である。
 当社の自己資本比率は2019年3月末現在で36.6%となっているが、これは、本決算ベースで当
社の過去最高まで上昇した水準である。さらに、当社が自己資本比率を2020年3月期末に41%まで
高めることを計画していることもあわせて考えると、過年度並みの利益水準が継続するとすれば、将来の
ROEは減少していくこととなる。
 さらに、当社は自己資本比率をさらに積み上げようとするのみならず、2019年12月末現在で、現
預金約255億円、投資有価証券約97億円、有利子負債は約98億円と、現金類似資産も十分な水準で
保有している。
 当社は、これ以上自社内に資金を留保する必要はなく、また、これ以上自己資本を積み上げてもROE
は減少するだけである。余剰資金を株主に還元することが、株主価値を高め、ひいては株価の向上につな
がることから、剰余金の配当を大幅に増額すべきである。
 なお、今回提案する剰余金の処分案を実行しても、その配当総額は当期純利益の範囲内であることから、
前期末の当社の自己資本及び現預金水準を大きく変えるものではなく、当社の財務状態は良好なままであ
る。
 上記提案の詳細な説明は、https://proposal-for-asanuma-from-
sc-2020.com/又は株式会社ストラテジックキャピタルのホームページ右上の特設サイトリン
クhttps://stracap.jp/を参照されたい。
                                              以上