1852 浅沼組 2021-05-14 15:15:00
株主提案に対する当社取締役会意見に関するお知らせ [pdf]

                                                                              2021 年5月 14 日

 各   位

                                             会 社      名     株式会社 淺沼組
                                             代 表 者    名     代表取締役社長 浅沼 誠
                                             コード番    号     1852(東証第1部)
                                             問 合 せ    先     執行役員社長室次長 兼 経理部長 兼
                                                            コーポレート・コミュニケーション部長
                                                            八木 良道
                                             電 話 番 号        06(6585)5500




               株主提案に対する当社取締役会意見に関するお知らせ


 当社は、2021年4月28日に公表いたしましたとおり、2021年6月開催予定の第86期定時株主総会における議案
について、株主提案権行使に係る書面を受領いたしましたが、本日開催の取締役会において、本株主提案につい
て反対することを決議いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。



                                            記


Ⅰ.提案株主

  株主名:INTERTRUST TRUSTEES (CAYMAN) LIMITED SOLELY IN ITS CAPACITY AS TRUSTEE OF JAPAN-UP
       及び 株式会社ストラテジックキャピタル



Ⅱ.本株主提案の内容及び提案の理由

  1.議題
    (1)政策保有株式の売却に係る定款変更の件
    (2)剰余金の処分の件

  2.議案の内容及び提案の理由
    別紙「本株主提案の内容及び提案の理由」に記載のとおりです。
    なお、別紙「本株主提案の内容及び提案の理由」は提案株主さまから提出された本株主提案に係る書面
   の該当記載を原文のまま掲載したものであります。

                                                                                           以上
Ⅲ.本株主提案に対する当社取締役会の意見

  1.政策保有株式の売却に係る定款変更の件

   (1)当社取締役会の意見
     当社取締役会としては、本株主提案に反対いたします。

   (2)反対の理由
     当社は、2021年3月末時点で、政策保有株式として5,556百万円(連結貸借対照表計上額)の上場株
    式を保有しておりますが、上場株式につきましては、「保有先からの配当や工事粗利益の便益が株主
    資本コストを下回る場合に縮減し、政策保有株式の残高を2022年3月期末までに連結純資産の10%未満
    にする」ことを方針とし、毎期首の定例取締役会において、個別銘柄毎の保有の適否を検証しており
    ます。
     そして、上記の方針に則り、2021年3月期においては5銘柄1,946百万円を売却し、連結子会社にお
    ける1銘柄15百万円の売却と併せて、2020年3月期末時点で連結純資産比17.6%でありました政策保
    有株式の残高は、2021年3月末においては13.3%まで縮減しております。2022年3月期におきまして
    も政策保有株式の残高を継続して縮減する所存です。

     従いまして、第87期(2022年3月期)中に全ての政策保有株式の売却を求める定款変更である本議
    案は、上記方針と合致せず、当社の企業価値の向上に資さないと判断しております。よって、当社取
    締役会としては本議案に反対いたします。

  2.剰余金の処分の件

   (1)当社取締役会の意見
     当社取締役会としては、本株主提案に反対いたします。

   (2)反対の理由
     当社は、株主還元の基本方針として、剰余金の処分については、株主様への利益還元を最重要施策
    として考え、それを実現するため、将来の事業展開に必要な新技術の開発等をしつつ、会社の競争力
    の維持強化に努め、業績に裏付けられた成果配分を行うこととしております。

      そして、前中期3ヵ年計画(2019年3月期~2021年3月期)においては、配当方針を「2019年3月期・
    連結配当性向30%以上、2020年3月期・同40%以上、2021年3月期・同50%以上」とし、2019年3月期に
    普通株式1株当たり153円(連結配当性向30.3%)、2020年3期に普通株式1株当たり216円(連結配当
    性向40.5%)の配当を実施し、2021年6月開催予定の第86期定時株主総会において、2021年3月期・普
    通株式1株当たり257円(連結配当性向50.0%)の配当を議案として提出いたします。
      また、2021年4月に発表した現中期3ヵ年計画(2022年3月期~2024年3月期)においては、配当方
    針を「連結配当性向を建設業界最高水準である50%以上の継続」とし、2022年3月期に普通株式1株
    当たり260円 (連結配当性向50.2%) 2023年3期に普通株式1株当たり274円
                         、                     (連結配当性向50.2%)、
    2024年3月期に普通株式1株当たり282円(連結配当性向50.0%)の配当を計画しております。
      年間の利益から生じる配当支払い後の資金の活用につきましては、必要最低限の現預金残高を維持
    しつつ、前中期3ヵ年計画においては、3年間で180億円を「協力会社への支払いの現金化100%の実
    現」「技術研究所の増改築」「基幹システムの全面クラウド化」「新リニューアルブランドの構築」
    等に投入し、現中期3ヵ年計画においては、3年間で80億円を「ASEAN地域リニューアル企業のM&A」
    「生産性向上システムの高度化」「環境関連技術の開発」等に投入する計画です。
      このような資金活用は業績の安定的成長に寄与し、株主の皆さまに安定的に成果を還元していくた
    めに不可欠なものであると考えております。

     従いまして、当期純利益の100%の配当を求める本議案は、当社の株主還元の基本方針及び資金の活
    用策に合致せず、当社の継続的な企業価値向上に寄与しないと判断しております。よって、当社取締
    役会としては本議案に反対いたします。
                                                 以上
別紙「本株主提案の内容及び提案の理由」
※提案株主さまから提出された本株主提案に係る書面の該当記載を原文のまま掲載しております。

第1 提案する議題
 1.政策保有株式の売却に係る定款変更の件
 2.剰余金の処分の件

第2 提案の内容
 1.政策保有株式の売却に係る定款変更の件
   現行の定款に以下の章及び条文を新設する。
   第7章 政策保有株式の売却
   第34条(政策保有株式の売却)
   当会社が、本条を追加する定款変更の効力発生日現在、貸借対照表に計上している政策保有株式は、第8
   7期中に速やかに売却するものとする。

 2.剰余金の処分の件
   (1)配当財産の種類
      金銭
   (2)配当財産の割り当てに関する事項及びその総額
       498円から、第86期定時株主総会において可決された当社取締役会が提案した剰余金処分に
      係る議案(以下「会社側利益処分案」という。)に基づく普通株式1株当たり配当金額(以下「会
      社提案配当金額」という。)を控除した普通株式1株当たりの配当金額を、会社提案配当金額に加
      えて配当する。
       第86期1株当たり当期純利益金額から小数点以下を切り捨てた金額(以下「実績EPS」とい
      う。)が498円と異なる場合は冒頭の498円を実績EPSに読み替える。
       なお、配当総額は、上記の普通株式1株当たりの配当金額に、当社の第86期定時株主総会の議
      決権の基準日現在の配当の対象となる株式数を乗じた額となる。
   (3)剰余金の配当が効力を生じる日
      当社の第86期定時株主総会の開催日の翌日
     なお、本議案は、第86期定時株主総会に会社側利益処分案が提案された場合、同提案とは独立かつ
    同提案と両立するものとして、追加で提案するものである。

第3 提案の理由
 1.政策保有株式の売却に係る定款変更の件
    当社は、「政策保有株式の残高を2022年3月期末までに連結純資産の10%未満にすることを目途
   に縮減していく計画」であると発表している。しかし、当社は2020年3月期においてイオン株式会社
   と京王電鉄株式会社の保有株式数を増加させたうえで、2020年3月末現在、貸借対照表計上額(単体)
   で75億85百万円となる51銘柄の政策保有株式を依然として保有している。
    当社の2020年6月29日付にて提出された有価証券報告書によれば、政策保有株式の株式発行企業
   は、当社の取引先であり、保有の目的は「収益の維持・向上のため」と説明されている。しかし、株式を
   保有することがなぜ収益の維持・向上につながるのか理解しがたい。
    政策保有株式を保有することは、すなわち安定株主として当該株式を保有することであり、これは当該
   株式発行会社の取締役の保身に協力するものである。株主から預かっている当社の大切な資本をそのよう
   な他社の取締役の保身への協力などという不適切な目的に使用して、不稼働資産である政策保有株式とし
   て眠らせることは妥当でなく、効率的に活用するべきである。
    また、当社の2020年3月末における政策保有株式の貸借対照表計上額(単体)は、2019年3月
   末から約17億円減少している。2020年3月期中の、株式数の増減による純減額約1億円を控除して
   も約16億円の時価の変動による影響が認められる。このような影響があることを鑑みるに、財務の健全
   性の観点からも、政策保有株式は保有すべきでない。
    当社は、現在保有する政策保有株式を2022年3月期中に全て売却し、その売却代金を当社の株主価
   値向上のために使うべきである。
2.剰余金の処分の件
   「第2 提案の内容 2.剰余金の処分の件」に記載の498円とは、2021年4月23日現在最新
  の当社予想1株当たり当期純利益の金額である。本件は、会社提案の1株当たり配当金がいくらであって
  も、当期純利益全てを配当すること、つまり、配当性向100%を企図した提案である。
   当社の自己資本比率は2020年3月末現在で38.0%となっているが、これは、本決算ベースで6
  年連続その前年を上回り、当社の過去最高まで上昇した水準である。このまま当社が自己資本を積み上げ
  続けた場合、過年度並みの利益水準が継続するとすれば、将来のROEは低下していくこととなる。
   このような考えに基づき、弊社は2年連続で配当性向100%を企図した株主提案を行った。そして、
  弊社は、当社が有利子負債を増やすこと、すなわちレバレッジを高めることにより、ROEを高め、株主
  価値を向上させる施策の実行を当社に対して再三にわたり要望している。しかし、当社は2021年4月
  1日に発表した、2022年3月期を初年度とする中期3ヵ年計画において、従前からの弊社の提案を大
  きく下回る配当性向50%以上を目標とすることを発表した。このような資本政策を採用すれば、前述の
  ように当社の自己資本はさらに積み上がり、レバレッジは低下することから、ROEは低下していくこと
  になる。
   また、当社は、2020年12月末現在で、現預金約134億円、投資有価証券約60億円に対し有利
  子負債は約111億円に過ぎず、現金類似資産も十分な水準で保有している。
   当社は、これ以上自社内に資金を留保する必要はなく、また、これ以上自己資本を積み上げてもROE
  は低下するだけである。余剰資金を株主に還元することが、株主価値を高め、ひいては株価の向上につな
  がることから、剰余金の配当を大幅に増額すべきである。さらに、2022年3月期以降も当社の資本政
  策として配当性向100%を採用することで、中長期的にも当社が自己資本を積み上げないことを明らか
  にしていただきたい。
   なお、今回提案する剰余金の処分案を実行しても、その配当総額は当期純利益の範囲内であることから、
  前期末の当社の自己資本及び現預金水準を大きく変えるものではなく、当社の財務状態は良好なままであ
  る。
   上記提案の詳細な説明は、2021年4月28日以降、https://proposal-for-
  asanuma-from-sc-2021.com/又は株式会社ストラテジックキャピタルのホーム
  ページ右上の特設サイトリンクhttps://stracap.jp/を参照されたい。なお、提案書
  において記載する会社数値は(単体)と記載がない限りは全て連結計算書類に基づいている。
                                               以上