1515 日鉄鉱 2019-05-22 15:00:00
再発防止策の策定及び関係者の処分に関するお知らせ [pdf]

                                             令 和 元 年 5 月 22 日
各       位
                             会 社 名   日 鉄 鉱 業 株 式 会 社
                             代表者名    代表取締役社長 小 山         博司
                             (コード番号      15 15   東証第1部)
                             問合せ先    執行役員総務部長 藤 本        博文
                                     ( TEL    03- 3284- 0516)



    再発防止策の策定及び関係者の処分に関するお知らせ



当社が 60%を出資するチリ国の連結子会社であるアタカマ コーザン鉱山特約会社
                            ・          (以下、
「AK社」という。
        )における不適切な会計処理につきましては、当社の株主、投資家の皆様
並びに取引先をはじめとする全てのステークホルダーの皆様に多大なご心配とご迷惑をおか
けしておりますことを改めて深くお詫び申し上げます。
平成 31 年4月 26 日付「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」において公
表しました特別調査委員会の調査報告書における再発防止策の提言を受け、本日開催の当社
取締役会において、当社及びAK社における再発防止策の策定、並びに関係者の処分につい
て、それぞれ決議いたしましたのでご報告いたします。
今後は下記の再発防止策を実施することにより、当社グループ一丸となって信頼の回復に
努めてまいりますので、何卒ご理解、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。


                        記


1.再発防止策
    特別調査委員会の提言を踏まえて当社が策定しました再発防止策は、次のとおりであり
ます。


1-1.AK社における再発防止策
(1)ガバナンスに関する整備
    ① 組織体制の見直し(経理部門の独立性の確保)
     【特別調査委員会 提言(調査報告書 68 頁)】
      現状、総務財務部にある経理課を経理部として独立させ、かつ、上場会社である当
     社の連結子会社としてAK社が適正な財務報告を実現する必要性が高いことからする
     と、新設する経理部の長は当社が指名・派遣する体制を確立するべきである。
      適正な会計処理の遂行と経理部門の独立性を確保することを目的として、AK社総
     務財務部は、部を構成する各課のうち、経理課を分離して「経理部」を新設するとと
     もに、その他の課を纏めて総務部として再編成する。また、適正な財務報告を行う観
     点から「経理部」の昇格・独立に加えて、当社がAK社経理部長を指名又は派遣する。




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② 取締役会及び幹部会の監督機能強化
【特別調査委員会 提言(調査報告書 69 頁)】
 日鉄鉱チリの社長などが社長代行をサポートする機能を発揮する場として、日本人
及びチリ人間で相互チェックを行う観点からの議論を行うなどして幹部会をより活性
化させるべきである。
イ.取締役会における決算報告の拡充
  現在、AK社取締役会における決算報告は、期末のみの1回(4月開催)となっ
 ているが、これを四半期毎に決算報告を行うように変更する。報告内容は、業績の
 進捗状況のほか、貸借対照表勘定残高の比較分析情報(前期末比)とする。
ロ.取締役会への上程・報告基準の引き下げ
  取締役会規程及び権限決裁規程の定めのうち、AK社取締役会への上程・報告を
 必要とする金額基準を引き下げ、取締役会が関与する範囲を拡大する。
ハ.幹部会※1の活性化
  従来、AK社幹部会は、生産販売の実績・見込と鉱山の操業状況に関する報告が
 主要な議題であったが、それらに加えて経営管理(総務、人事、経理)に関する事
 項についても積極的に協議することとし、日本人とチリ人の幹部による相互牽制機
 能の強化を図る。幹部会の議論を活発化させるにあたり、事務系出身者の日鉄鉱チ
 リ有限会社※2の社長(AK社取締役兼務)が、経営管理のアドバイザーとして技
 術系出身者のAK社社長代行を支援する。なお、幹部会の議事内容は記録して保管
 する。
  ※1 AK社の幹部会   :AK社の部長職以上の管理職(社長代行、副社長、日鉄鉱チリ有限会
               社の社長、経理課長を含む)によって毎週月曜日に開催される会議。経
               営及び操業上、重要な事項の協議が行われ、情報の共有化が図られてい
               る。
  ※2 日鉄鉱チリ有限会社:チリ国における探鉱及び各種調査を目的に設立された当社の 100%
               子会社。
                  同じくチリ国の当社子会社であるAK社及びアルケロス鉱山株
               式会社への出向者の人事・労務管理面の支援も行っており、日鉄鉱チリ
               有限会社の社長は、AK社の非常勤取締役を兼務することとしている。
③ 各種規程類の整備
【特別調査委員会 提言(調査報告書 68 頁)】
 職務権限と業務内容を明記した AK 社の職務権限規程・業務処理規程を整備し、実際
に運用するべきである。
 決算・財務報告プロセスにおいて経理部門の独立性が確保されるように、経理の分
掌業務を定めた職務権限規程及び業務処理規程(以下、「本規程」という。
                                 )を新たに
制定する。AK社経理部長は、不適切な会計処理が行われない運用を徹底すべく、幹
部会にて本規程の目的と概要を説明するとともに、経理部員に対して本規程に関する
教育を行う。




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 ④ 再任・兼務制限の新設
  【特別調査委員会 提言(調査報告書 68 頁)】
   社長及び副社長については、再任制限を設けるべきである。また、社長、副社長及
  び各部門長の兼任については、相互牽制を機能させる見地からはこれを禁じる旨の規
  定を設けるべきである。
   AK社社長(社長代行)及び副社長については、権限集中の回避及び相互牽制を機
  能させる見地から、再任回数に制限を設けるとともにAK社の部長職との兼務を認め
  ないものとする。
 ⑤ 不正・違反行為に対する処分
  【特別調査委員会 提言(調査報告書 70 頁)】
   本件の不正に関与した者に対する公正かつ厳正な責任追及を行うことは、組織内の
  規律意識を高め、同種の不正の再発を防止するためには極めて重要である。関与の度
  合い等を検討し、必要であれば毅然とした社内処分等を行うべきである。
   AK社の組織内の規律意識を高め、同種の不正の再発を防止するため、不適切な会
  計処理に関わったAK社経理責任者及び担当者等に対して、適切な処分を行う。


(2)コンプライアンス教育の実施
  【特別調査委員会 提言(調査報告書 70 頁)】
   当社では、海外拠点に対してはコンプライアンス教育などの取組みを行っていない。
   AK社幹部会出席者は、外部のコンプライアンス研修会に積極的に参加することに
  より、コンプライアンス意識を浸透させる。


(3)内部通報窓口の設置
  【特別調査委員会 提言(調査報告書 70 頁)】
   AK社のような遠隔地の海外子会社における内部通報制度の運用は実務的には容易
  ではないが、AK社の役職員が利用可能な通報窓口を設置しておくこともコンプライ
  アンス上の問題を早期に把握する上で検討に値する。
   AK社社員の利用を目的として、内部通報窓口を設置する。


(4)職務分掌の確立
  AK社において、請負などの役務提供を受けた費用の支出に係る業務プロセスを整備
 し、業者の選定は総務部、請負作業等の検収は主管部署(主に現業部門)、支出の妥当
 性の検証は経理部に業務を分離することにより、適切な職務分掌を図る。


(5)モニタリングの強化
 ① 内部監査の充実
  【特別調査委員会 提言(調査報告書 69 頁)】
   AK社を含む海外拠点は当社からの距離が遠く、言語の問題もあることから内部監
  査の実施は容易ではないが、少なくとも内部監査の監査計画を立案する段階でリスク
  評価の対象に含め、必要がある場合には現地往査による内部監査を実施するべきであ
  る。
   当社によるAK社に対する内部監査の実施にあたり、日鉄鉱チリ有限会社などのチ
  リ国のリソースを最大限活用し、内部監査の質的・量的な充実を図る。

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 ② 決算報告における分析手続きの強化
  【特別調査委員会 提言(調査報告書 69 頁)】
   例えば、月次報告に損益以外に残高情報も含めること、勘定科目増減差異分析の分
  析を要する金額基準を下げること、同増減分析に定性的要因に加えて定量的要因も含
  めること、同増減分析で増減額以外にも増減率を用いた分析を行うこと、損益計算書
  と貸借対照表を連動させた回転期間分析等を行うことにより、当社経理部管理課によ
  る子会社管理を高度化するべきである。
   AK社経理部は、当社向け決算資料の拡充を図り、月次決算に加え、貸借対照表及
  び損益計算書の残高等の増減分析、定性的及び定量的要因分析、それらを連動させた
  回転期間分析を行い、チェック機能の精度を高める。


(6)実施期限
  令和元年 12 月 31 日(AK社の当事業年度末日)


1-2.当社における再発防止策
(1)海外子会社に対するガバナンスの強化
 ① 組織体制の見直し
  イ.内部監査室の創設
  【特別調査委員会 提言(調査報告書 70 頁)】
   内部監査部門の独立性を高めて実効性を確保する観点からは、当社に独立した内部
  監査部を設けて専任の内部監査人を置くことが望ましい。
    当社に内部監査室を創設して専任者を配置し、内部監査の実施計画や内部監査結
   果等を取締役会及び監査役会に報告する。
  ロ.子会社管理の高度化
  【特別調査委員会 提言(調査報告書 69 頁)】
   報告を受ける当社経理部管理課の対応としても、報告の適時性を確保させるととも
  に、報告内容の脱漏や矛盾点のチェックに加え、貸借対照表項目の時系列分析や予算
  実績分析などを組み合わせて深度ある検証・分析を実施することなどを検討すべきで
  ある。
    貸借対照表及び損益計算書の勘定科目の時系列分析や予実分析を行い、当社取締
   役会に子会社の貸借対照表及び損益計算書の前期比較資料を提出する。
 ② AK社経営者の人材配置の適正化
   AK社社長(社長代行)には、JV契約上の立場と出資パートナーとの関係性を認
  識させるとともに、AK社の経営環境(組織構造、製品の市場環境、競合他社との比
  較優位性、製品の内容、顧客基盤、販売網など)、業績推移や財務状況を十分理解させ
  たうえで、AK社に派遣する。




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 ③ 海外で活躍できる人材の確保・育成
  【特別調査委員会 提言(調査報告書 70 頁)】
   現地でマネジメントあるいはミドルマネジメントを担える人材を育成する中長期的
  なプランを策定・実行すべきである。
  イ.海外赴任者の研修制度の検討
    海外で活躍できる人材を育成するため、海外赴任に役立つ社外研修制度の活用を
   図る。
  ロ.高い語学力、海外赴任経験のある社員の採用
    海外赴任者の人材確保のため、外国語に堪能な者は勿論のこと、国籍を問わず有
   能な人材の採用を、積極的且つ継続的に実施する。
  ハ.語学力の向上支援
    当社社員の海外赴任の機会が増加することが予想されるため、語学力の向上を支
   援する制度を拡充させる。


(2)財務報告の信頼性確保のための意識改革
  【特別調査委員会 提言(調査報告書 71 頁)】
   当社の経営層をはじめとする当社グループのなかで、会計・監査制度や開示制度な
  ど基本的制度についての理解を深め、適正な財務報告を行うための意識改革を行うべ
  きである。
 ① 適正な財務報告に向けた役員及び社員に対する教育と周知徹底
   当社グループの役員及び社員が会計・監査制度や開示制度について理解を深め、適
  正な財務報告を行うための意識改革を行う。
   具体的には、各階層レベルでの研修会への参加に加え、当社各部門の社内会議で周
  知徹底を行う。また、当社監査役の業務監査において、重点監査項目に掲げる。
 ② 財務報告に係る確認連絡会の開催
   特別調査委員会より、連結財務諸表の内容に疑義を認識しながら四半期報告書を提
  出したことの事実認定を受けたことを踏まえ、同種の不適切な対応を防止するため、
  計算書類及び四半期報告書の監査報告書等の受領日前に、会計監査人、当社監査役、
  経理部長及び内部監査室長において、財務報告の虚偽記載に繋がる可能性のある情報
  (不正又は誤謬等の発生に関する情報)を得ていないかを確認するための連絡会を開
  催する。


(3)内部通報制度の利用促進
  【特別調査委員会 提言(調査報告書 70 頁)】
   AK社のような遠隔地の海外子会社における内部通報制度の運用は実務的には容易
  ではないが、AK社の役職員が利用可能な通報窓口を設置しておくこともコンプライ
  アンス上の問題を早期に把握する上で検討に値する。
   海外拠点に対し内部通報制度を周知するとともに、AK社の内部通報窓口に通報さ
  れた情報については、当社内部監査室に伝達される仕組みを構築する。




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(4)海外連結子会社に対するモニタリングの実施
    【特別調査委員会 提言(調査報告書 69 頁)】
        AK社を含む海外拠点は当社からの距離が遠く、言語の問題もあることから内部監
    査の実施は容易ではないが、少なくとも内部監査の監査計画を立案する段階でリスク
    評価の対象に含め、必要がある場合には現地往査による内部監査を実施するべきであ
    る。
        当社内部監査室は、海外連結子会社の事業規模や事業内容の重要性を勘案して、定
    期的なコンプライアンス、内部統制及び会計処理に係る内部監査を実施する。


(5)実施期限
    令和2年3月 31 日(当社の当事業年度末日)


2.関係者の処分
(1)役員の処分

    役       職         氏   名         処分内容         対象期間


                                               令和元年7月より
代表取締役社長             小 山   博 司   月額報酬を 30% 減額
                                                 3カ月間


取       締       役   森 川   玲 一   月額報酬を 20% 減額     同   上


(注1)代表取締役社長 小山 博司は、本件不適切な会計処理が発覚した当時の当社経理
    部管掌役員であります。
(注2)取締役 森川 玲一は、本件不適切な会計処理が発覚した当時のAK社取締役社長
    であります。なお、同氏は、平成 31 年4月 30 日付にてAK社取締役社長を退任して
    おります。


(2)その他関係者の処分
    本件に関係する当社の執行役員及び従業員(当社からの出向者であるAK社社長代行
 を含む)については、社内規程に基づき厳正に処分いたします。


                                                     以 上




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