1450 J-田中建設工業 2020-05-25 15:00:00
中期計画「TANAKEN “ビジョン100”」策定に関するお知らせ [pdf]
2020 年5月 25 日
各 位
会 社 名 田 中 建 設 工 業 株 式 会 社
代 表 者 名 代表取締役社長 釆 澤 和 義
(コード番号:1450 東証JASDAQ)
専 務 取 締 役
問合せ先 小 池 正 晴
管 理 本 部 長
( TEL. 03-3433-6401)
中期計画「TANAKEN “ビジョン 100”」策定に関するお知らせ
当社では、2016 年 11 月に策定した中期計画“TANAKEN 2020”が 2020 年3月期で終
了し、期間中に東京証券取引所ジャスダック市場に上場を果たすことができました。
今回、この上場を機に、当社のあるべき姿を再確認し、当社の持続的発展並びに持続的企業
価値の向上を目指し、「TANAKEN“ビジョン 100”」を策定いたしました。
「TANAKEN “ビジョン 100”」では、当社の企業理念・経営理念の下、当社の“存在
意義”“存在価値”を果たしていくため、当社の業務遂行に求められている“様々な要素・
要件”を再確認し、当社の確固たる企業基盤の構築と、5年先を目処とした“当社のあるべ
き姿”を示すことにより、役職員一人一人がそのあるべき姿を自覚し、その早期実現に向け
てベクトルを合わせ、毎期の諸施策の実施により挑戦していくことを目指しております。
業容の当面の目標として売上高 100 億円を目指してまいります。
この目標の早期達成のため、達成に必要な営業力・施工能力・サポート体制構築のための人
員計画を策定し、その体制の早期実現を図ることで 100 億円体制を確固たるものとしてまい
ります。
又、スタートに当たる 2021 年3月期にシステム投資を積極的に行い、施工管理・安全管理の
効率化を図り現場力の強化を図るとともに、事務の合理化・効率化を図り、当社成長戦略に
係わる諸施策の実施により、強靭な企業基盤の構築に努めてまいります。
最終的な達成目標として、売上高 100 億円(2020 年3月期比 50.1%増)、営業利益 1,200 百
万円(同期比 50.8%増)、経常利益 1,220 百万円(同期比 46.8%増)、当期純利益 809 百万
円(同期比 46.8%増)を目指してまいります。
以 上
※本資料に掲載されている数値目標等の将来に関する記述は、本資料の発表日現在において入手可能な情報
から得られた判断に基づいており、実際の業績は、様々な要因により異なる結果となる可能性があります。
TANAKEN “ビジョン100”
~確固たる企業基盤の構築とあるべき姿の追求~
2020年5月
1.前中期計画 (TANAKEN 2020) の総括
2.環境認識
3.TANAKEN “ビジョン100” の目指すもの
4.TANAKEN “ビジョン100” の基本方針
5.TANAKEN “ビジョン100” の営業戦略
6.TANAKEN “ビジョン100” 数値目標
7.資本政策(配当政策)
1
1.前中期計画(TANAKEN 2020)の総括
①計数計画並びに達成状況
②施策の実施状況
前中期計画(TANAKEN 2020)の総括 ①計数計画並びに達成状況
当社は2016年10月~2020年3月(36期・37期・38期・39期)を当社のネクストステージへのステップアップ期とし、36期を
次ステージへの社内体制確立期、37期を業容のホップ、38期をステップ、39期をジャンプの期と位置づけ、将来のIPOを
目指す企業にふさわしい業容・企業風土の構築を目指し、中期計画を策定し実施してまいりました。結果は下記の通り、
ほぼ目標を達成する事ができました。
2017/3期 2018/3期 2019/3期 2020/3期
36期 37期 38期 39期
売上高
計画 2,600 7,400 6,500 7,000
実績 2,757 7,861 6,234 6,662
達成率 106.1% 106.2% 95.9% 95.2%
経常利益
計画 260 1,102 700 842
実績 360 1,271 801 831
達成率 138.5% 115.4% 114.4% 98.7%
当期純利益
計画 150 686 458 551
実績 222 834 526 551
達成率 148.7% 121.4% 114.8% 100.0%
※36期は6ヶ月決算、37期より進⾏基準を導⼊した関係で38期は特殊要因を除いた数値で目標設定しております。
38期並びに39期の売上高は、計画案件の受注時期の遅れや大型案件の着工時期の遅れ等の影響で計画比若干の
未達になったものの、当期純利益面では全期間において計画を達成する事が出来ました。
3
前中期計画(TANAKEN 2020)の総括 ②施策の実施状況
中期計画では、従来からの受注先であるデベロッパー・ゼネコン・一般エンドユーザーからの受注拡大はもとより、
新たに再開発案件並びに官公庁案件の開拓・受注拡大を主要施策としておりましたが、特に再開発案件は毎期受注
獲得が出来、新たな当社の売上の柱の一つとなってまいりました。
又、内部管理体制の強化、ガバナンスの強化等に注力して来ましたが、計画期間中の2018年12月18日に東証
ジャスダック市場に上場を果たす事が出来、名実共に新たなステージへの第一歩を踏み出す
事ができました。
4
2.環境認識
環境認識
2014年6月に建設業法の一部を改正する法律が公布され、建設業に係わる業種区分が見直され新
たに“工作物の解体を行う工事”として“解体工事業”が新設されました。改正により解体工事を行う
業界環境 には、新たに許可取得が必要となると共に、当社のような解体専業者の認知度が上がり、従来のゼ
ネコン経由の受注に加え、施主からの直接発注工事(元請工事)の増加が期待できます。
高度経済成長期以降に整備した“インフラ・建築構造物”が老朽化する“維持更新時代”の到来に伴
い、老朽化による解体のニーズは今後益々増加すると共に、産業構造の変化・社会構造の変化に
市場環境 伴う新たな解体ニーズの高まりがあり、今後解体マーケットは底堅く、拡大基調で推移することが見
込まれます。
建設投資額(名目ベース)
単位:億円
900,000 83.9兆円(ピーク)
築50年経過 築40年経過 築30年経過
800,000
700,000
600,000
500,000
400,000
300,000
200,000
100,000
0
建設投資額(名目ベース)
6
環境認識
①老朽化による解体需要の増加
建物の解体は、概ね建築後30年から50年経過の段階で多く発生してまいります。前頁に日本の建設投資額の推移のグ
ラフを掲載いたしました。過去の建設投資額のピークは、1992年度(28年前)83.9兆円であり、今後解体の対象となる老
朽化建物の増加が見込まれます。又、当社の主要な解体対象となっている“ビル・マンション”に於いても同様であり、今
後の解体市場の継続的な拡大が予想されます。
②その他の解体需要の増加要因
老朽化による解体需要の増加と相まって、下記の要因も加わり解体需要の高まりが予想されます。
・人口減少、高齢化の進展に伴う“コンパクトシティ化”の流れ
・IT化の進展に伴う産業構造の変化がもたらす大きな潮流
E-Commerceの普及による物販店舗の見直し、再編・淘汰
インターネットの普及による流れの変化(ペーパーレス化の進展)
AI導入による変化(金融機関の店舗戦略の見直し・店舗削減)
シェアリングエコノミーの台頭による変化の流れ
・防災・減災意識の高まりもあり、都市部の再開発の活発化の流れ
7
3.TANAKEN “ビジョン100” の目指すもの
TANAKEN “ビジョン100” の目指すもの
“ビジョン100”では、当社の“存在意義”“存在価値” を果たして行くため、当社の確固たる企業基盤
の構築と5年先を目途とした“当社のあるべき姿”を示す事により役職員一人一人が、そのあるべき姿を自
覚し、その早期実現に向けてベクトルを合わせ、挑戦して行く事を目指しております。
当社の存在意義
当社は、“子供たちに何が残せるか”を常に考え、明日のために、今日出来ることを実行し、社業を通じ
て“人にやさしい環境づくり”に貢献して行く事を企業理念とし、環境方針の下、エコ社会の実現に向
け、又自然との共生できる社会環境づくりの為に努力して行く事を当社の存在意義としております。
当社の存在価値
“思いやり・信頼・感謝”を経営理念として掲げ、環境への思いやり、ステークホールダーへの思いやり
を大切にし、又、ステークホールダーからの信頼と評価を得る事を目指し、仕事並びに関与するステーク
ホールダーへの感謝の気持ちを胸に刻み、社業の持続的発展を通して社会の発展に貢献する事を
存在価値としております。
9
TANAKEN ”ビジョン100” の目指すもの
業容の目標
売上高100億円を目指します。
従って、100億円を達成できる営業力・施工能力・サポート体制構築のため、当面の人員計画を策定し、その体制の
早期実現を図る事で100億円体制を確固たるものとして参ります。
2020/3末 2025/3迄に 増加人数
営業本部 15 22 7
内営業マン 11 17 6
施工本部 44 65 21
内技術社員 40 60 20
業務本部 9 13 4
管理本部 9 11 2
安全 3 4 1
従業員数 80 115 35
10
4.TANAKEN “ビジョン100” の基本方針
TANAKEN “ビジョン100” の基本方針
下記の重要な要素・要件を絶えず意識し、進化させる施策の実施により、当社の持続的発展を支える確
固たる企業基盤の確立に努めてまいります。
1) 当社の事業(解体事業)に求められる重要な要素
①現場施工の安全性・効率性の確保
②工事による環境問題(周辺住民)への十分な対応(振動・騒音・粉塵)
③近隣住民との共生(丁寧な説明・問題へのスピーディーな対応)
④工事による環境問題への対応(産廃・有害物質の適法処理・リサイクルの推進)
⑤工事の見える化による、施主・近隣への安全・安心の提供
2)事業に係わるステークホルダーとの関係維持・継続のための重要な要件
①施主 :工事の安全・品質・工期・近隣対応に対する良い評価
②社員 :働きやすい環境(労働環境の充実・余暇の取れる環境・コミュニケーションの取り易い環境)
働き甲斐、モチベーションを向上させる環境(公平な人事制度・人事考課・給与制度)
安定した収入の確保
教育制度の充実、自己研鑽のし易い環境・支援制度
③協力業者:継続的な発注(営業案件の維持・拡大)、良好な支払い条件
④投資家 :安定した利益の還元と企業価値の向上
12
TANAKEN “ビジョン100” の基本方針
〈具体的施策の実施〉
前述の要素・要件への対応強化をするべく、TANAKEN “ビジョン100” のスタートに当たる40期に、下
記施策の実施を行い、当社の持続的発展に欠かせない基盤の強化を図ってまいります。
①施工管理及び現場バックアップ体制の強化
当社専用端末を使ったITサポートシステム“ALMIGHTY”の導入・稼働により、現場事務の効率化、
現場管理・安全管理のマニュアル化、現場情報の共有化・見える化、当社施工ルールの徹底、過去の
事故事例に基づく再発防止策の確認・実施等、施工管理・安全管理のサポート体制の強化を図ってまい
ります。又、同時に教育ツールとしても活用し、新入社員・入社間もない社員の早期戦力化及び現場管
理者のレベルアップ・均質化に注力していきます。
②技術開発部の活動強化
三次元キャドの活用強化により作業の見える化と精度の向上を図ると共に、施工技術開発の強化を
図るため、協力会社を含めたプロジェクトチームを立ち上げ、具体的課題の抽出、研究テーマの選定を
行い、施工技術の開発に本格的に着手します。当面は、施工方法の安全性・効率性の向上、粉塵・騒
音・振動への対応等を主題として取り上げて行きます。
13
TANAKEN “ビジョン100” の基本方針
③安全管理体制の強化・充実
労働安全衛生マネジメントシステムISO45001の認証を新たに取得し、国際基準に則った管理・運営を
徹底する事で安全衛生管理体制の強化を図ってまいります。
④基幹システムとして建設業向けのERPシステムの導入
事務の効率化・合理化を図る為、新たな基幹システムを導入し事務負担の軽減並びに月次処理の迅
速化を図ってまいります。
⑤働き方改革の推進
当社の元請現場での土曜日休業推進を図ってまいります。当面各現場月1回以上の土曜日閉所を目
指し、社員の余暇充実を図って行きます。
又、毎週水曜日をの“ノー残業デー”とし、原則定時退勤を行う事で業務にメリハリを付けて参ります。
14
TANAKEN “ビジョン100” の基本方針
⑥ガバナンス体制の見直しと強化
当社は5月15日開催の取締役会で執行役員制度の導入を決議しました。昨今の経営環境の急速な変
化を踏まえ、コーポレート・ガバナンスの一層の強化を図るべく、経営の意思決定の迅速化を図るととも
に、経営の監督機能と業務執行機能を明確に分離し、より機動性の高い業務執行体制を構築すること
を主な目的としております。
執行役員制度導入決議後、5月25日開催の決算取締役会で株主総会後の取締役候補の人事、並び
に執行役員人事を決定いたしました。取締役候補者数は現行の8名から4名(内社外1名)へ減員すると
共に、新たに執行役員10名を選任いたしました。
15
5.TANAKEN “ビジョン100” の営業戦略
TANAKEN “ビジョン100” の営業戦略
引き続き以下の当社成長戦略を展開・実施して行きます。
①既存取引先との深耕と新規顧客の開拓
②大型再開発案件およびマンション・公団等の建替え案件の獲得
③新たな社会潮流を捉え、地方案件も含めた新たな解体需要の案件化
④官庁市場への参入
〈個別具体策〉
①既存取引先との深耕と新規顧客の開拓
a.既存受注先で未フォロー先への営業の強化
b.取引先との関係の深堀・取引額の拡大(他部門への営業拡大)
c.金融機関との更なる連携強化による新規紹介案件の獲得強化
獲得新規先のリピート顧客化への営業強化
②大型再開発案件及びマンション・公団の建替え案件の獲得強化
③新たな潮流を捉え、地方案件も含めた新たな解体案件の案件化
④官庁市場への参入
上記②③④を推進強化するため、スタート期である40期に専門部署(営業開発部)を立ち上げると共に、
傘下に大阪営業所を新設し関西での顧客ニーズに即応できる体制といたします。
17
6.TANAKEN ”ビジョン100” 数値目標
TANAKEN ”ビジョン100” 数値目標
(単位︓百万円)
39期実績 2020年3月期 40期計画 2021年3月期 44期計画 2025年3月期 2020年 3月期比増減
金額 比率 金額 比率 金額 比率 増減 増減比率
完工高 6,662 100.0% 7,300 100.0% ~ 10,000 100.0% 3,338 50.1%
工事原価 5,253 78.9% 5,731 78.5% ~ 7,900 79.0% 2,647 50.4%
完工粗利益 1,409 21.1% 1,570 21.5% ~ 2,100 21.0% 691 49.0%
一般管理費 613 9.2% 698 9.6% ~ 900 9.0% 287 46.8%
営業利益 796 11.9% 872 11.9% ~ 1,200 12.0% 404 50.8%
営業外損益 35 0.5% 20 0.3% ~ 20 0.2% △ 15 △ 0.4
経常利益 831 12.5% 892 12.2% ~ 1,220 12.2% 389 46.8%
特別利益損益 0 0.0% 0 0.0% ~ 0 0.0% 0 -
税引前当期純利益 831 12.5% 892 12.2% ~ 1,220 12.2% 389 46.8%
法人税等 280 4.2% 301 4.1% ~ 411 4.1% 131 46.8%
当期利益 551 8.3% 591 8.1% ~ 809 8.1% 258 46.8%
*法⼈税率は39期の実績33.70%で試算
(5年後 計画)
*従業員数 115名 内 施工本部人員 65名(39期比+21名)、販管費人員 33名(39期比+9名)
*売上原価率 79%、売上粗利益率 21%を見込む。
19
7.資本政策
資本政策
利益配分に関する基本方針
当社は、継続的な成長と株主の皆様への利益還元を経営の最重要事項と位置づけており、継続的な成長のため
の財務体質の強化と株主の皆様への安定的な利益還元とのバランスを勘案しつつ、株主の皆様への利
益還元を充実して行くことを基本方針としております。
配当の推移及び予定
2019年度 2020年度 2021年度予想
一株当たり配当金 80円 80円 90円
配当性向 30.80% 31.50% 33.1%見込
21
本資料における注意事項
■ 本資料は、当社の企業説明に関する情報提供を目的としたものであり、当社が発行する
有価証券の投資を勧誘することを目的としたものではありません。
■ 本資料に掲載されている計画、戦略等のうち、歴史的事実でないものは、将来の業績に
対する見通しであり、リスクや不確実な要因を含んでおります。
これらの情報は、現在入手可能な情報から経営者の判断に基づいて作成されており、
実際の業績は、さまざまな重要な要素により、業績見通しとは大きく異なる結果となりうる
ため、業績見通しのみに全面的に依拠することはお控え下さいますよう、お願い致します。
■ 投資に関する決定は、利用者ご自身の判断において行われるよう、お願い致します。
■ IRに関するお問い合わせ先
田中建設工業株式会社 管理本部
TEL:03-3433-6401