1448 スペースバリューHD 2019-04-26 14:01:00
再発防止策の策定について [pdf]

                                                  2019 年4月 26 日
各    位

                        会 社 名   株式会社スペースバリューホールディングス
                        代表者名    代 表 取 締 役 社 長 C E O 森岡 直樹
                                             (東証 1 部・コード 1448)
                        問合せ先    執行役員管理本部IR広報部長 島田 英樹
                        電話番号    03-5439-6070


                       再発防止策の策定について

 当社は、2019 年 4 月 11 日に公表いたしました「第三者委員会の調査報告書の受領に関するお知ら
せ」のとおり、第三者委員会による調査の結果、概要、①原価付替えその他会計に係る不適切処理、
②レンタル工事未払金の過大計上、③マレーシア国その他の海外案件に対する独断的な意思決定及
びそれに伴うビジネスリスク精査の欠如並びにモニタリング不全、及び④横浜市において建設が計
画されたホテルに係る不適切な会計処理といった不適切行為並びに上場企業として不適切な内部管
理態勢が認められた旨の指摘を受けました(なお、第三者委員会による認定事実を含む調査結果に
つきましては同日公表致しました上記「第三者委員会の調査結果受領に関するお知らせ」添付の「調
査報告書(開示版)」をご覧ください。)。
 当社は、これらの不適切行為を生ぜしめるに至った根本原因として、①業績絶対主義、②先例主
義、③権限と情報の偏在、④モニタリング無効化・機能不全、及び⑤人事配置を含む人事権の行使
と懲戒処分の5つの視点を第三者委員会から指摘されております(調査報告書(開示版)・178 頁~
179 頁)。この点は、「①業績絶対主義を背景に達成困難な業績目標を設定させ、②その業績目標を
達成するために行われてきた悪しき先例主義を放置し、③権限及び情報を偏在させて会社経営をコ
ントロールするとともに、⑤人事権の行使により支配を強固なものとした。これに加え、④モニタ
リング機能を無効化ないし不全にすることによって、一部の役員・執行役員を巻き込んだ支配の構
図を形成し、長期にわたる体制維持を可能とした」との第三者委員会の指摘に端的に示されている
とおりであります。
 かかる指摘を踏まえ、当社は、第三者委員会から、再発防止策の策定に際しての指針として、以
下の5つの点を提言されております(調査報告書(開示版)・180 頁~185 頁)。


 ①       業績絶対主義からの脱却
 ②       先例主義の見直し
    ③    権限と情報の適正化
 ④       モニタリングの充実
 ⑤       適切な人員配置及び人事行使権


 当社は、このような第三者委員会の提言内容を真摯に受け止め、社内で議論を重ねた結果、指摘
されている根本原因を解決し、上記の指針に対応する再発防止策として、次のⅠ~Ⅴのとおり整理
した業務改善措置を実施していくことが適切であると判断し、本日開催の取締役会で、既に実施に



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着手しているものを含め、下記の再発防止策について決議いたしました。
 なお、当社は、今後これらの再発防止策を適時適切に実行するため、これに基づく具体的対応に
つき引き続き協議の上決定していく予定であり、投資家の皆様に開示すべき事象が生じた際には速
やかに開示いたします。


                       記


Ⅰ ガバナンス改革
(1) 取締役に求める要件(資質、スキル及び経験等)と選任プロセスの明確化・合理化及び機関
   設計の見直し
    取締役の選任に当たっては、当社の事業運営上必要となる知識経験等を踏まえ、当社取締
   役として求めるべき資質、スキルや経験等を明確にしたうえで、これらを満たしているか等
   の確認・検討項目を定義するなど、その選任プロセスを明確化し、かつ合理的なものといた
   します。
    また、当社は、現在、監査役会設置会社でありますが、将来の機関設計の変更(監査等委
   員会設置会社又は指名委員会等設置会社)といった統治機構のグランドデザインの見直しを
   視野に入れたうえで、取締役の選任プロセス、報酬及び取締役会の実効性評価のみならず、
   事業運営全般につき、独立社外取締役によるモニタリング機能や適切な監督機能及び助言機
   能を十分に発揮するために、取締役会の下に独立社外取締役を主要な構成員とし、社外監査
   役その他も構成員とする任意の経営諮問委員会を設置いたします。また、中核事業会社との
   間の情報共有を適時適切に実施するため、中核事業会社から兼務取締役を登用することとい
   たします。
(2) 取締役会の適切な運営と実効性評価
    取締役会開催に当たっては、議案及びその関連資料について取締役会開催前に十分に余裕
   をもった時期に提供するとの運用を徹底することにより、社外取締役をはじめとした取締役
   会の構成員が議案の内容をあらかじめ十分に検討できるスケジュールをもって運営いたし
   ます。
    さらに、取締役会がその求められる監督機能を十分に発揮しているかという点については、
   取締役会自身が十分な実効性評価を実施し、これに基づきより一層の運営改善を図るといっ
   た不断の取組を継続することが肝要であると考えております。そこで、かかる観点から取締
   役会の実効性の評価について適切に実行いたします。具体的には、ガバナンス方針に基づい
   た評価項目を検討し、評価方法に関する手続きを社内規程として取りまとめ、それに従って
   運用いたします。
(3) マネジメント層への研修機会の提供
    企業経営を行う上で必要と考えられるスキル(会計リテラシー、コンプライアンス、不正
   行為、反社会的勢力等への対応など)について、当社取締役のみならず、当社グループの事
   業会社の役員及び当社グループの将来の役員候補者を対象にして、継続的なスキル・トレー
   ニングを実施いたします。




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Ⅱ 日成ビルド工業における原価付替え等の防止策
(1) 業績目標管理制度の見直し
    現在、設定されている業績管理目標は営業店の申告目標ではなく、前代表取締役の意向
   を忖度した過度にアグレッシブな目標がトップダウンで設定されていることから、その問
   題点について十分に検討し、見直しを図ることといたします。そのうえで、業績管理の指
   標となる業績目標の策定及び決定のプロセスを見直し、適正化いたします。また、業績管
   理目標が適正化することによって、実行予算の策定及び実際原価の集計の適正化も図られ
   ることが期待されますが、実際に実行予算と実際原価との比較分析を行う等によって継続
   的に適切な運用が行われていることを確認するための手続を追加いたします。
(2) 実行予算管理規程の見直し
    工事における実行予算は、受注段階で予想される工事原価を見積もった「見積原価」の
   範囲内で、工種ごとの発注予定業者及び発注予定金額を実行予算として作成するものです
   が、施工段階で実際に発生した原価が見積原価を超過することは組織的に懲罰の対象にな
   っていたことから、基本的には許容されなかったと第三者委員会から指摘されています。
   そのため、作成される実行予算の工事における位置づけや、工事に関する実行予算の策定
   プロセス及び実行予算の社内的位置づけについて再検討し、実行予算管理規程を見直しま
   す。また、その内容を周知徹底するために社内教育を継続的に実施いたします。従来の実
   行予算は予算超過支出管理を主たる目的としておりましたが、予算を超過する支出につい
   ては、金額に応じた決裁基準に従った権限者による決裁を徹底することで、予算管理を適
   正化いたします。
(3) 売上計上及び原価計算プロセスの見直し
    業績目標を達成するための手段として、工事完成時の売上計上について、納品確認を顧
   客が実施する前に工事完了報告書に顧客に記名・押印してもらうことにより、それを根拠
   として売上を実際に計上すべきタイミングより早く計上していたと第三者委員会から認定
   されています。実際にどのような案件について当該処理が行われていたかについて十分に
   検討したうえで、売上を適時に計上するために、工事完了確認書の取得及び納品状況の確
   認方法について再検討し、先行売上を計上できないような体制を構築いたします。また、
   原価管理及び原価計算のプロセスのうち、特に工事別の原価の計上方法について再検討し、
   他の案件に原価を付け替えることができないような仕組みを実現するとともに、適切な運
   用が行われていることについて、抜き打ちを含めた内部監査により定期的に検証いたしま
   す。これら再検討したプロセスについては規程等として文書化し、適切に運用いたします。
(4) 外注先に対する管理体制の見直し
    外注登録時の審査手続きを強化し、定期的に外注先の状況について確認する手続きを策
   定いたします。具体的には、原価の付替えに関して実施しないことを外注先に要請すると
   ともに、外注先に向けた通報窓口を新たに設置して原価の付替え要請を受けた場合の連絡
   先を明確にいたします。また定期的なアンケートの実施により原価付替えの要請がないこ
   とを確認し、外注先に対して残高確認を定期的に実施することで、未払いとなっているも
   のがないことを確かめる手続きを確立したうえで文書化し、適切に運用いたします。
(5) 人事評価基準及び懲戒基準の見直し
    行動評価としてコンプライアンス項目を人事評価基準に取り入れ、人事評価基準を見直




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   しいたします。従来においては懲戒処分権の濫用や経営トップによる濫用的な人事権の行
   使がなされていたことが第三者委員会報告書において認定されておりますので、かかる認
   定を踏まえ、見直した人事評価基準に基づいた厳格な運用を行います。また、役職員を対
   象にコンプライアンステストを定期的に実施するとともに、コンプライアンステストの受
   験を義務化し、実効性を高めます。
    さらに懲戒対象となる行為についても定め、懲戒基準を明確にいたします。また、懲戒
   対象とすべき行為を行った者に対して、懲戒処分の決定に至るプロセスについても整備し、
   規程として定めます。


Ⅲ 投資管理体制の構築
(1) 投資委員会の設置
    国内外の投資案件について審議するため、関係部門から委員会の構成員を選定すること
   により投資委員会を設置し、その運用が明確かつ効果的になされるよう関連規程を制定い
   たします。投資委員会には、社外の有識者あるいは社外取締役、もしくは社外監査役の参
   加を必須といたします。投資委員会では、開発事業にかかる投資について、定められた投
   資及び撤退の基準に従って投資案件別の評価を行う体制を構築いたします。
(2) 投資委員会における意思決定プロセスの明確化
    今後想定される投資案件に対し、目的や事業内容ごとに分類し、それぞれに対する投資
   決定・撤退基準を明確にし、投資判断の基準を整備いたします。投資案件については、カ
   テゴリ別に事業計画書の様式を策定し、その様式に従った事業計画書を作成し、投資委員
   会において検討いたします。検討した結果については、案件の重要性に応じて取締役会に
   報告もしくは上程する基準及びプロセスを明確にいたします。また、投資案件については、
   継続的に投資委員会においてモニタリングし、その結果得られた重要事項については取締
   役会に報告する体制を構築いたします。
(3) 投資案件に対するリスクアセスメントの厳格化
    投資委員会においては、一定の金額を超える投資案件について、投資によるリスク分析
   を行います。リスクアセスメントにあたっては、社外の有識者等のアドバイスを受け、リ
   スク分析の結果を慎重に審議できる体制を構築いたします。また、投資委員会におけるリ
   スクアセスメントの結果を尊重した意思決定プロセスを明確にいたします。
(4) 海外子会社の管理体制の見直し
    海外子会社である NISSEI BUILD ASIA PTE. LTD.において海外子会社全般を管理する体制
   といたします。具体的には、①子会社への権限委譲の再設定、②海外子会社の管理部門の
   人員体制の整備、③業績報告のとりまとめ、④各事業会社の事業計画の策定、⑤予算実績
   管理などを予定しています。海外子会社に関して発生する事象については、NISSEI BUILD
   ASIA PTE. LTD.においてすべて情報を取りまとめ、当社に対して報告するプロセスを定義
   し、情報を集約できるようにしたうえで、総合的に管理いたします。


Ⅳ 監査役監査及び内部監査機能の強化
(1) 監査役による監査機能の向上
    監査役監査における実効性の向上を図るため監査役監査基準を見直します。




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    この点につき、監査役の有する子会社調査権の実効的行使を促進するため、国内外の子
   会社に対する監査役監査の必要性を検討し、必要に応じてその具体的な指針を監査役監査
   基準において定めます。また、日成ビルド工業において監査役監査基準を制定いたします。
    さらに、内部監査やその他の管理活動との連携による情報収集力を強化し、直面するリ
   スクに的確にアプローチ可能になる監査を実現可能にする体制を構築いたします。また、
   監査役に必要と考えられるスキル(会計リテラシーやリスクマネジメントなど)について
   は、継続的にスキル・トレーニングを実施いたします。
(2) 内部監査担当者の選任と人員増強
    内部監査担当者に求めるスキルセットを明確にし、モニタリング部署としての内部監査
   の担当者の選任プロセスを確立いたします。また充実した内部監査を実現するため、早急
   に必要なスキルを備えた内部監査の担当者を増員いたします。
    また、内部監査の計画、実施、結果の報告について、その方法を見直し、実効的な内部
   監査を可能にするため、内部監査規程や監査項目に反映いたします。内部監査の結果は経
   営者に対して報告されますが、報告内容に対して経営者が適切な対応を図ることを内部監
   査規程において定めます。経営者からの適切な指示に基づいて業務改善が行われ、行われ
   た改善の結果については、内部監査室で改善結果を確認することも明確にいたします。
(3) 三様監査における連携の強化
    内部監査の結果により検出された問題点につき、監査役や会計監査人との間の連携が図
   られていなかったと第三者委員会より認定されています。そのため、内部監査担当者と監
   査役、会計監査人が定期的にコミュニケーションをとる仕組みを確立いたします。その他
   コンプライアンス委員会やリスク管理委員会とも内部監査担当者が適切にコミュニケーシ
   ョンをとることによって、社内外における事業上のリスクを適切に認識し、重要性を加味
   したうえで内部監査の計画を立てる等、内部監査資源を有効に利用することをできるよう
   にするために、内部監査の手続きを検討いたします。
    また、内部統制室と内部監査室との機能について、内部統制の有効性評価は内部監査の
   一環として行われることから、内部監査室長が実施する旨を明確することにより、独立し
   た内部監査人による評価であることを明確にいたします。内部統制の整備と運用を専属す
   るのは内部統制室であるため、内部監査担当者は内部監査プロセスの中で計画、実施、報
   告のそれぞれの段階において内部統制室と十分に連携を図り、継続的な改善につなげます。
   識別されたリスク情報等について、監査役や会計監査人と共有し、内部監査に適時適切に
   反映できるように体制を整備いたします。関連規程を改定し、定期的に情報交換すること
   をルール化いたします。
(4) 海外子会社等のグループ内部監査の強化
    内部監査室が海外子会社等に対しても定期的に内部監査を実施することにより、適切な
   モニタリングが行えるような体制を構築いたします。海外の法規制等の専門知識が必要な
   部分については、積極的に外部の専門家を活用することも想定し、内部監査の実効性を高
   めます。海外子会社からの定期的な財務報告については、その正確性を確かめるために、
   海外子会社の決算財務報告プロセスを重点的に内部監査項目として選定し、内部監査の対
   象といたします。また、日本国内からモニタリングするだけではなく、定期的に海外に往
   査することによってモニタリングの機能を強化するとともに、現地特有の事情に主眼を置




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   いた内部監査担当者への教育研修を強化いたします。


Ⅴ コンプライアンス体制の再構築・体系的教育
(1) コンプライアンス基本方針の確立・体制整備
    企業としての行動指針を再検討し、一定の分類(ステークホルダーごとや業務分野ごと)
   のもとに具体的な内容をブレイクダウンすることによって、実践的なコンプライアンス基
   本方針を確立いたします。策定した基本方針に基づいて経営トップの基本姿勢を社内外に
   表明するとともに、具体的な取り組みについてコンプライアンス宣言を行います。
    また、グループ全体のコンプライアンスを図るため、中核的な事業子会社である日成ビ
   ルド工業にコンプライアンス部を設置するほか、各事業会社におけるコンプライアンス推
   進体制を明確にするとともに、当社のコンプライアンス委員会との密接な連携を図り、グ
   ループコンプライアンス会議を定期的に開催することによって、コンプライアンスの遵守
   状況をモニタリングできる体制を構築いたします。
   さらに、当社において企業法務の専門家の採用も検討いたします。
(2) コンプライアンス教育体系、計画の立案とそのモニタリング
    組織の構成員が、自らの役割に応じたコンプライアンス基準を認識し、業務において実
   践できるようにするために、その役割や立場、担当している業務に応じたコンプライアン
   スの重要性や基準に対する教育を推進するための教育プログラムを立案し、実施いたしま
   す。まず、階層ごとのコンプライアンス体制上の役割や責任を明確にし、それぞれの部門
   や組織階層において必要とされるコンプライアンス知識や規制・制度、基準を整理いたし
   ます。整理した結果に基づき、教育体系並びにカリキュラムを策定し、組織階層別、ある
   いは部門別にコンプライアンス研修を定期的に開催していきます。
    研修の結果については、アンケートなどによって研修の定着率を確認するととともに、
   その結果については教育体系やコンテンツに反映することによって、継続的なコンプライ
   アンス研修のレベルアップを行います。
(3) 内部通報制度の周知徹底
    内部通報制度の利用促進を図るための施策を実施し、不正行為の早期発見と是正を図り
   ます。現在、業務執行ラインとは独立した社内窓口及び外部の弁護士事務所を窓口とした
   内部通報制度窓口を設置し、全役職員に対してQRコード付きのカードを配布しておりま
   すが、内部通報制度の社内周知を改めて図るため、社内研修の中で定期的にアナウンスし
   続けます。また外部業者に対しても内部通報窓口を解放いたします。さらに、コンプライ
   アンスの状況を確認するために、役職員に対してヒアリングによるコンプライアンスアン
   ケートを定期的に実施いたします。
(4) 反社会的勢力等との断絶
    反社会的勢力等との取引を断絶するため、取引を開始するにあたっての反社会的勢力等
   のチェックの仕組みをルール化し、規程として制定いたします。契約締結に当たっては、
   作成する契約書すべてに対して反社会的勢力等の排除に関する条項を含ませることとし、
   あるいは反社会的勢力等に該当しない旨の誓約書を取引先から差入れてもらうことといた
   します。また、現在の取引先すべてに対して、反社会的勢力等に関する調査を実施いたし
   ます。取引先が反社会的勢力等と判断された場合には取引を廃止することを宣言し、取引




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廃止の手順についても明確にし、文書化して整備いたします。これにより、反社会的勢力
等との取引を今後一切断絶いたします。


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